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惑いのバージンロード【ハーレクイン文庫版】

惑いのバージンロード【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミシェル・リード(Michelle Reid)
 1997年の日本デビュー以来たちまち人気を博し、ハーレクイン・ロマンスを代表する作家になる。五人きょうだいの末っ子として、マンチェスターで育った。現在は、仕事に忙しい夫と成人した二人の娘とともにチェシャーに住んでいる。読書とバレエが好きで、機会があればテニスも楽しむ。執筆を始めると、家族のことも忘れるほど熱中してしまうという。

解説

3年ぶりのフレイアは変わらず美しく、エンリコは心を乱された。かつてフレイアは、大企業の社長であるエンリコのもとで働き、彼の豪邸に住み、彼のベッドで眠った。だが全ては偽りだった。あの日、出張から帰ったエンリコが見たのは、彼のベッドで、半裸のフレイアに覆いかぶさるいとこの姿。屈辱の光景がいまも脳裏に焼きついて、怒りに胸がたぎる。優しい美貌の裏に、人をも欺く心が潜んでいたとは……。ふと、エンリコは彼女の側に小さな男の子がいるのに気づいた。彼は我が目を疑った。あれは僕の子か?それともいとこの――
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 エンリコはフレイアの心を思いどおり打ち砕き、あらゆる面で彼女を敗北させた。とはいえ、最も大事なのは子供について認めさせることだ。あの子はあなたの息子よ、と。その点で彼女はまだ屈服していないが、時間の問題だろう。屈服の言葉を聞くのはあとでもいい。いまの僕の最大の関心は体の奥底からこみあげてきた熱い感覚にある。
 こんなふうにフレイアに対して欲望を感じていいのだろうか? 自問する彼の頭の中で、“もちろんだとも”という声がした。心の結びつきがなくても体の喜びを得ることはできる、と僕はこの三年間で学んだ。それ以前の一年間、心と体の要求を満たしてくれた、嘘つきで、泥棒で、セクシーなこの女性から学んだことを実践するのだ。
 三年もの長いあいだ、エンリコはフレイアとベッドで共有したような興奮や感情的な高まりを一度も経験できなかった。
 フレイアは僕に借りがある。あまりにも多くの借りがあるので、彼女に借りを返させる方法を考えるだけで興奮を覚える。エンリコはかすれた声で尋ねた。「僕の気持ちを変えるようなものを、君は提供できるのか?」
 フレイアはうつむいたまま答えなかった。エンリコの体の中に熱が充満していく。
「君自身か?」エンリコは手がかりを与えた。「その安物のスーツに隠れている見事な体でいまも僕を興奮させることができるだろうかと考えているんじゃないのか……」
 そんなことができるかしら? おぞましき内容であるにもかかわらず、つい考えてしまい、フレイアは我ながらショックを受けた。彼に身を差しだせば、解雇を取り消してもらえるのだろうか?
 体がじりじりと熱くなり、彼女はさらにショックを受けた。
 誘惑と闘うのよ、と自分を戒める。大切なのはニッキーのこと。それを忘れてはだめよ!
 しかし、すでに二人のあいだの空気はかつてのように沸き立ち始めていた。フレイアは改めて、精力的でセクシーな男性としてエンリコを意識した。
 彼女は深く息を吸い、なんとか精神状態を正常に戻そうと試みた。エンリコはろくでもない男よ。たったひとことで私を解雇したかと思うと、次には生活を守りたいなら体を提供しろとほのめかすような、冷酷で非情な野蛮人なんだから。
 けれども、私に何ができるかしら? このプレイボーイに身のほどを思い知らせるには、いったいどんな言葉を投げつければいいの? ハナード社の仕事は私の唯一の収入源だ。この仕事を失ったら、ニッキーの扶養者としての義務を果たせなくなってしまう。
 彼一流のはったりよ、さっさと出ていってしまいなさい。フレイアの理性が促す。化粧室で私はみんなに言ったでしょう、いくらエンリコでも、保育所を閉鎖するほど時代遅れではない、と。
 エンリコがイタリア語で何かつぶやいた。
 フレイアは頭の中でその言葉を訳した。“女性の力は沈黙の中にある”
 しかし、それは真実ではないと、フレイアは思い知らされていた。いまほど自分の弱さを感じたことはなかった。
 そのとき、エンリコがフレイアの顎の下に手を添え、顔を上げさせた。二人の視線がからみ合う。とたんにフレイアの体の中で欲望が燃えあがり、エンリコが何をしようとしているのか察知した。フレイアは驚き、彼を制した。「やめて」
 だが、遅すぎた。すでにエンリコの顔は目の前にあり、口はフレイアの唇を覆うために開かれている。彼は次の瞬間、二人が愛し合う前にいつもしていたやり方で、優しく口説くようなキスをした。
 鋭い刺激がフレイアの下半身に走る。彼女は闘おうとした。キスを返さないよう、組んだ腕の下で両手を握り締める。しかし、唇を引きはがすことはできなかった。
 あらがいながらも、フレイアはエンリコのキスを味わっていた。愛し、失い、それでも忘れることがなかったエンリコ。彼は以前と同じく、苦痛を感じるほど時間をかけてキスをし、フレイアを官能的な喜びで満たしていった。舌先で優しく唇を開かされると、彼女は身を震わせた。そして、彼の長い指が顎からうなじへと移ったときには、弓なりに体を反らした。
 離れなさい、とフレイアは自分に命じた。彼にこんなことをさせてはだめ。
 けれども、エンリコから離れることはできなかった。彼の濃厚なキスに頭がくらくらし、この世のものとは思えない快感がこみあげた。
 彼に髪を解かれ、体を引き寄せられた瞬間、フレイアの闘いは終わった。あたかも、エンリコの手で興奮を呼び覚ますスイッチを入れられたかのようだった。
 いけないと思いながらも、キスに夢中になる自分をフレイアは止められなかった。まるで崖の縁に吸い寄せられていく夢遊病者になったような気がした。
 フレイアはうめき声をあげた。握り締めていた手が開かれ、エンリコのなめらかな上着へ、さらに、白いシャツに覆われた胸へと伸びていく。
 エンリコはイタリア語で何か低くつぶやくと、脚を開き、フレイアを自らの腰へ引き寄せた。フレイアは腹部に彼の高まりを感じ、それに応えるように腰を押しつけた。
「感じるかい、いとしい人?」エンリコはフレイアの温かな唇に向かってつぶやいた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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