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愛を禁じた契約

愛を禁じた契約


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 バーバラ・マクマーン(Barbara McMahon)
 アメリカ南部で生まれ育つ。一年間、国際線に乗務して世界を回ったのち、カリフォルニアに落ち着く。家庭を持ちながらコンピューター会社に勤務するが、子供たちが学校に通い始めて、執筆活動に入る。最近は夫とともにシエラ・ネバダに移り住み、美しい眺めやゆったりした暮らしに、ますます執筆意欲をかきたてられている。

解説

28歳、独身。仕事ひとすじに打ち込むリアンは、ある日、医師から子宮摘出の手術を勧められて呆然とした。結婚して子どもを持つことをずっと願ってきたのに……。身体的な問題を解決するには手術は避けられないとしても、その前に、なんとか赤ちゃんを産むことができないかしら?けれど今のリアンには結婚相手どころか恋人さえいない。そんな彼女の悩みを聞いてくれたのは、上司で社長のトレイだった。ふだんの冷静でそっけない態度とは違う彼のやさしさに触れ、悲しみに沈んでいたリアンは初めてトレイを男性として意識した。もし彼のような人が私の願いをかなえる相手になってくれたら……。

■HQイマージュで活躍したベテラン作家バーバラ・マクマーン。2009年に刊行された妊娠をめぐる感動ロマンスです。優しい上司と子どもを産む契約結婚をしたリアン。しだいに夫を愛し始めてしまいますが、なかなか妊娠しないことにも焦り……。

抄録

「ここでなにをしているの?」リアンは尋ねた。
「君に会いに来たんだ」
「どうしてここがわかったの?」
「興味深い話なんだ」リアンの格好をちらりと見てから、トレイは言った。「起きたところなのかい? それとも、これから寝るのかい?」
 リアンはローブの前をかき合わせ、首を振った。「帰ってください、トレイ」彼女は言い、ドアを閉めようとした。
 トレイはドアを押さえ、中に入ってきた。「君は手助けが必要なようだ」
「あなたでは役に立たないわ」
「どういう意味だい?」
 トレイにじっと見つめられ、リアンはまだ顔も洗っていないことを思い出した。髪もひどく乱れたままだ。だが、今はそんなことはどうでもいい。
「妹さんの家に行って、ここを教えてもらったんだ。驚いたよ。君たちは双子だったんだね」
 リアンはしぶしぶうなずいた。「私に妹がいることだけでなく、彼女がどこに住んでいるかまでご存じだなんて、驚いたわ」
「緊急時の連絡先欄に書いてあった」
「今は緊急時なんですか?」
 トレイは彼女を見た。「知りたいのはこっちだ。なぜ寝てないんだい? ひどい顔をしているよ」
「まあ、それはどうも。確かに寝ていなくてはいけないんだけれど」
 トレイはリアンをさっと抱きあげ、どちらへ行くか尋ねた。リアンは抗議しようとしたが、彼の腕の中はとても心地よかったので、抵抗するのをやめた。足の力を抜いたら、おなかの痛みも少しやわらいだ。それとも、薬が効いてきたのだろうか。
「事情を話してくれ」寝室に向かう階段を上がりながら、トレイは言った。
 彼にすべてを話す気にはなれないが、説明はするべきだろう。突然、仕事を休むなんて私らしくないし、彼には事情を知る権利がある。
「問題を解決するには一人より二人のほうがいい」トレイは言った。リアンをそっとベッドに寝かせて上掛けをかけてから、彼はマットレスの隅に腰を下ろした。
「二度とこんなことはないようにします」リアンは言った。「今回は個人的な緊急事態だったので」
「プロテクション社は緊急事態に強い。僕たちなら、たいていの問題は解決できる。いつものようにアイデアを出し合おうじゃないか」
 リアンは思わずほほえみそうになった。トレイは自分の会社に誇りを持っている。それは当然のことだ。彼の会社は大成功をおさめ、業務の拡大に伴ってエージェントの数も増えつづけている。
「残念ながら、この件ではプロテクション社は役に立たないわ」リアンは言った。
「とにかく話してみてくれ」トレイは促した。
 トレイは岩のように堅固で、頼もしく見えた。彼はリアンが今まで会っただれよりも率直で、いかにも有能そうな雰囲気を漂わせている。そして、二人は何年も一緒に仕事をしてきた。彼に私のかかえる問題を話してみてもいいかもしれない。
「わかったわ」リアンは口を開いた。「昨日、近いうちに子宮摘出手術を受けなくてはならないことがわかったの。でも、いつか家族を持ちたいと思っていたので、今すぐなにか手を打たないと、その夢をあきらめなくてはならないのよ」
 トレイはじっと動かず、まばたき一つしなかった。ひどく驚かせてしまったようだ。
「月経困難症で、それがだんだんひどくなっていて、お医者さまからはなるべく早く手術を受けるよう勧められたわ。これはプロテクション社が扱う問題に入るかしら?」
 思いがけないことに、トレイは手を伸ばしてリアンの頬にかかった髪を払った。体に衝撃が走り、彼女はショックを受けた。トレイは上司であり、指導者だ。あなたはトレイと深くかかわりすぎだという妹の言葉を、リアンは必死に思い出すまいとした。
「確かに僕たちがふだん扱っているケースとは違うな」トレイはつぶやいた。
「あなたが話してくれと言ったのよ」リアンは思い出させた。彼女はトレイをだれよりも尊敬していた。彼が困難な問題を解決するのを見て、いつも感嘆してきた。だが、今回はたとえ彼でも奇跡は起こせないだろう。「気にしないで。これは私の問題だし、すぐに解決できることでもないし」
「君は僕のところで働いているんだから、僕の問題でもある」トレイは言った。
「私は本気でこの問題に取り組んでいますから」リアンはそう言いながら、上司とこんな話をすることに気まずさを覚えた。二人の関係はあくまで仕事上のものだ。だが今、彼は私の寝室にいて、上司とは思えないしぐさで私の頬に触れた。
「だが、解決はしていない」
「いずれは手術を受けなくてはならないわ。ただ、その前に子供を産みたいの」声がかすれてしまい、リアンは深呼吸をした。
「皮肉だな」トレイがつぶやいた。
「なにが?」
「なんでもない。喜んで父親になってくれる恋人はいないのかい?」
 リアンは首を振り、トレイに鋭い視線を向けた。「男性と付き合う暇なんてないわ。私のボスはものすごく人づかいが荒いんですもの」その場の空気を明るくしようと、リアンはトレイをからかった。
「今までまったく文句を言わなかったじゃないか」
「仕事はとてもおもしろいし、大好きだから。でも、これからは変わるつもりよ。男性との出会いを求めてバーに行くなんて気が進まないけれど、本当に家族が欲しいならやってみないと」


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