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仮初め旦那様は強引侯爵!?

仮初め旦那様は強引侯爵!?


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

妻に、私の印をつけるのは当然だからな
身も心も攫われ求められる――不器用な執愛蜜月

「私の妻になるんだ」侯爵・ダニエルに突然攫われたロビーナ。実家の窮状を盾に取られ、彼に言われるがまま仮初めの夫婦にさせられてしまった。普段は優しげなダニエルだが、強引に抱き寄せてきて唇を奪い、苛烈な愛撫でロビーナの身体を開かせていく。高まる気持ちを抑えられなくなるけれど、彼は喪った恋人を想い続けているようで……。

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

 身体中を熱が駆け巡る。唇を刺激されているだけの筈なのに、どうしてなのか指先や髪の毛の一本一本まで痺れてしまう。
 いつの間にか、ロビーナはダニエルのキスにトロトロに蕩けさせられていたようだった。
 唇が離れた瞬間、心にぽっかりと穴が開いてしまったような、あるべきものがなくなってしまったような、理解できない寂しい感情がロビーナに襲いかかる。
「あ、の……エクスマウス卿……」
 呆然としたままダニエルを見つめていると、彼は当然という風にロビーナに告げた。
「――二人でいる間は、私をダニエルと呼べ」
「そんな……わたし、そんな風に呼べません!」
 その言葉にロビーナははっとして首を振る。
 侯爵ともあろう相手をそんな風に親しげに呼ぶなんて……。
 だがダニエルは頑として譲らない。
「これは命令だ。私も君のことをレディ・パーシヴァルではなくロビーナ……いや、ロビィと呼ばせてもらう」
「え……」
 ダニエルのその呼び方は、ロビーナの耳に不思議と心地よく響いた。
 今までにそんな風に呼ばれたことは、家族を除けば親友のソフィア以外誰もいない。
 そんなロビーナの心の動きを察知したかのように、ダニエルは満足そうに微笑んだ。
「どうやら理解したようだな」
「あ……ぁ」
 あまり笑顔を浮かべないダニエルのその表情に、ロビーナは目が離せなくなる。
 そんな緩んだロビーナの心の隙にするりと入り込むように、ダニエルはロビーナを抱き締める腕に力を込めた。
 ――そのままロビーナに落とされた二度目のキスは、最初のものとは比べものにならないほど深く、熱いものだった。
「ん、んんんっ」
 ダニエルの舌がロビーナの唇をこじ開け、乱暴にロビーナの中へと侵入していく。
「あ、ふぁあ……んっ」
 ロビーナの呼気ごと小さな口腔内をかき混ぜ、蹂躙していく。
 これからロビーナの身に起こることを予感させるような荒々しさで。
「ぁあ……や、ぁんっ」
 無我夢中で身を捩ろうとするが、ダニエルの腕は強くロビーナを抱き締め離してくれない。
 それどころかダニエルの腕の力は更に強さを増し、いつの間にかロビーナの全身はダニエルの身体の逞しさがはっきりと感じられる程に密着していた。
「ん……っ」
 羞恥で距離を取ろうとするロビーナに口付けたまま、ダニエルはロビーナを抱えたままの左手に手綱を持ち替える。
 そして自由になった右手をロビーナへと伸ばしていった。
「ふぁ……んっ」
 頬に、温かい手が触れた。
 口腔内の感覚に夢中になっていたロビーナは、新たな刺激にびくりと身を竦める。
 その手はロビーナの小さな顎を確かめ、首筋をくすぐり次第に下へ下へと降りていった。
「ん……あ、あぁっ」
 ダニエルの指は、唇とはまた違った感覚をロビーナの身体に芽生えさせる。
 むずがゆいような、くすぐったいような、そしてもっと甘い何かがダニエルに触れられた所から生まれてきた。
「ん、く、ふぅう……っ」
 ダニエルのキスは変わらずロビーナを翻弄していた。
 ロビーナの舌に絡みつき、くすぐり、吸い上げ唇で刺激する。
 その上ドレスから露出した部分の素肌に触れられ、ロビーナの意識はどこかに飛んでいってしまいそうになる。
 それなのに、ダニエルの手は止まらない。
 片手は手綱を持ったままドレスの上からロビーナの身体を確かめるように撫で、やがてその手はドレスの内側へと――。
「あ、そ、そこはぁ……っ」
「何を言っても無駄だ。これから君は私の妻になる――ん?」
 身を強ばらせたロビーナに、ダニエルが唇を離し冷酷に宣言しようとした、その時だった。
 ロビーナを抱き締めていた彼の顔がふっと強ばる。
「――なんてことだ」
「え……?」
 ダニエルの雰囲気が一変した。
 その険しい視線はロビーナではなく、ずっと先に向けられている。
 そのままダニエルは真剣な表情でロビーナに告げた。
「ロビィ、君は馬車を操れるか?」
「は、はい」
「では、馬車を頼んだ」
「え、あ、はいっ!」
 言うが早いかダニエルは手綱をロビーナに投げてよこした。
 ロビーナは考える前にそれを受け取って馬を立て直す。
 その間にダニエルは馬車から飛び降りていた。
「エクスマウス卿……!」
 ロビーナは驚きながらなんとか馬を操り馬車のスピードを落としていく。
 その間に、ロビーナの瞳は意外な光景を見ることになった。
 ダニエルは、見通しの悪い通りのはるか先へと駆けていく。その行く手には、ロバを抱き締めた小さな男の子とその前に立ちはだかる男性がいた。
 男の手には大きな木の棒が握られていて、今にもロバと子供を殴り飛ばそうとしているように見える。
 ロビーナは何か恐ろしいことが起こるのではないかと身を竦めるが、ダニエルは落ち着いた様子で男に声をかけているようだった。はらはらしてロビーナが見ていると、ダニエルから何か受け取った男は、打って変わってぺこぺことお辞儀をすると、何処かへと去っていった。残された子供もロバを抱き締めたまま何度もダニエルに頭を下げている。
「……気にしなくていい。君の助けになったなら嬉しいよ」
 ロビーナの耳にダニエルのそんな声が届く。
 そのまま彼は、馬車を停車させたロビーナの元に戻ってきたのだった。
「――話の途中で放り出してすまなかった。急に馬車を任せたが、大丈夫だったか?」
 意外なことに、ダニエルはすぐに気遣うようにロビーナに確認する。
「え、ええ。実家ではよく父の馬車を操っていますもの」
「それは頼もしい」
 そう答えたダニエルは、ほんの少し笑っているように見えた。

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