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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

大富豪と名ばかりの花嫁

大富豪と名ばかりの花嫁


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャット・キャントレル(Kat Cantrell)
 初めてハーレクインのロマンス小説を読んだのは小学校3年生のとき。文学を修めたのち教師となり、退職後は執筆活動のかたわら主婦業もこなしてきた。2011年、ハーレクイン社の新人作家発掘コンテストで優勝。2012年には、RWAのゴールデンハート賞の最終選考まで勝ち残った。夫と2人の息子とともに、テキサス州北部で暮らしている。

解説

3カ月後には、もう永遠に会えなくなる――いとしい我が子と、愛する彼に。

マッケナは進学費用を工面するため、富豪の依頼で代理出産した。赤ちゃんには二度と会えないと思っていたが、アレルギーのせいで母乳が必要だとわかり、急遽、父親のデズモンドと3人で暮らすことになる。瀟洒な屋敷でマッケナを迎えた彼はとてつもなくハンサムで、マッケナはたちまち心を奪われてしまう。だがデズモンドは、彼女にはまるで無関心だった。無理もない――彼は自分の遺伝子を受け継ぐ子供が欲しいだけ。3カ月経てば、私は彼らの人生に関われない契約なのだから。よそよそしく遠ざけられたマッケナは傷ついて……。

■斬新なプロットと、とびきりホットなラブシーンが魅力の実力派、キャット・キャントレルの最新作をお贈りします。切ない代理出産がテーマの今作には、すべてを自分の思いどおりにしようとする、究極の傲慢ヒーローが登場!一気読み間違いなしの逸作です。

抄録

「あなたは誰にでもそんな堅苦しい態度を取るの?」マッケナはそう言いながら作業テーブルをまわりこんで彼のすぐ近くまで歩いてきた。そして彼の肩越しにコンピューターの画面をのぞきこんだ。そこにはロボットの設計図が3D映像で映っている。「あなたが設計したの? すごいわね」
「これはその……」デズモンドはそこで息を吸った。マッケナの胸が背中をかすめていたのだ。彼はもう一度息を吸ってから問いかけた。「ぼくは堅苦しいかな?」
「少しばかり堅苦しいわね。あなたを見ていると、統計学の先生を思いだすわ」
「きみは統計学の授業を受けていたのかい?」
「メディカルスクールに進むための必修科目だったの」
「ぼくのすぐ後ろに立たないでほしいんだが」デズモンドは唐突に言った。マッケナの香りが漂ってきたからだ。それはまちがいなく彼の頭の働きに影響を及ぼしはじめていた。
「あら、ごめんなさい」マッケナはそう言うと、パブで酒を酌み交わす仲間にでもするように彼の肩を軽くぽんとたたいた。「でもあなたの前には立てないわよ。電気コードがいくつもあるから」
「きみはおしゃべりだな」
 彼女は笑い声をあげた。「あなたが答えてくれるからおしゃべりになるのよ。会話ってこういうやりとりを楽しむものでしょう?」
 デズモンドは再び唖然とした。マッケナが気軽に話してくれることが信じられなかった。誰かとこんなに長く話したのは久しぶりだ。
 どうやら境界線という言葉はマッケナの辞書にはないようだ。そしてデズモンドも、そのことを不快に思っていなかった。
 不快だと思うべきなのだろう。マッケナを即座に仕事場から追いだし、室内プールにでも案内したほうがいい。あるいはマッケナが最初の人工授精で妊娠したと弁護士が知らせてきたときに増築したプレイルームでもいい。そこにはビリヤード台やダーツやテレビゲームなど、インテリアデザイナーが勧めるものをすべてそろえた。そこなら、息子の母親も何かひまをつぶせるものを見つけられるはずだ。
「何を作っているの?」マッケナが好奇心をおさえきれないようにそう尋ねてきた。
「人間型ロボットのプロトタイプだ」
「ロボット?」マッケナが身を乗りだし、長い髪がコンピューターにかかった。デズモンドの手はうずうずした。彼女のつややかな髪のあいだに手を差し入れたかった。
 だがどうにかこらえた。マッケナを見るたびにこみあげてくる欲求をきちんと分析できるまでは、どんな行動も起こさないほうがいい。危険だ。彼女に強大な力を与えてしまうことになりかねない。
 デズモンドは咳払いし、顎ひげをなでつけた。今日もまだひげをそっていなかった。「ロボットはプログラムで動くように作られているんだ。人間型のロボットは見かけも機能も人に似ているが、それぞれ人工知能を備えている」
「あなたはやっぱりフランケンシュタイン博士だわ」マッケナが眉を上げて言った。「ロボットに命を与えているんだから。ねえ、完成したときはうれしくてダンスを踊ったりするの?」
「いや、ぼくは……」
 マッケナが胸の下で手を組んだ。そのしぐさのせいで、出産したばかりの彼女の大きな胸がいっそう大きく見えた。あの胸のふくらみはいったいどんな形をしているのだろう? デズモンドはそう考えずにはいられなかった。それに彼女の肌はなんてきめ細やかなんだ。触れたら、どんな感触がするのだろう?
 なぜ彼女のことがこれほど気になるんだ?
「今のは冗談よ」マッケナが目を輝かせながら言った。「ダンスなんてあなたは絶対にしそうにないもの」
 デズモンドは気づくと笑みを浮かべて返事していた。「ダンスぐらいなら、ぼくにだってできるさ」
「嘘でしょう!」
「できるよ。ただ音楽には合わせられないけれど」
 デズモンドはそう言うと、とっさに手を伸ばして彼女の髪に触れた。思ったとおり、シルクのような感触だった。だがその場の空気がふいにぎこちなくなった。
 マッケナは驚いたようにまばたきしながらつぶやいた。「そろそろ自分の部屋に戻るわ。邪魔してごめんなさい」
 彼女はそう言うと、すたすたと歩いて部屋から出ていった。デズモンドは彼女の背中をぼんやりと見つめた。幸いなことに、彼がすっかりまごついていることには気づかれずにすんだようだ。
 なぜこんなにもマッケナ・ムーアの存在に心をかき乱されるのだろう? 人工授精という方法を使って奇跡を起こし、彼の種を子宮に宿したからだろうか?
 昔はそれが合理的な方法に思えたが、もしかしたら大きなあやまちだったのかもしれない。なにせ、マッケナと会った瞬間に、昔ながらの方法で妊娠させればよかったと思ったのだから。
 いや、こんなことを考えるなんて、ぼくはどうかしている。なんとか正気を取り戻さなくては。仕事に没頭して彼女のことは忘れてしまおう。
 女性はいつだって嘘つきで、マッケナ・ムーアもきっとその例外ではない。彼女も心の底ではぼくのことを変わり者だと思ってあざわらっているのだ。
 本気で彼女のことを遠ざけたいのなら、ぼくが彼女に欲情したことを素直に打ち明ければいい。髪をまさぐりながらキスしたくてたまらなくなったことを。そのことを知ったら、マッケナは怯えてこの家から逃げだすだろう。それで何もかも終わる。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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