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テキサスの夏【ハーレクイン文庫版】

テキサスの夏【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

暴力的な夫との離婚、娘の財産狙いで起こされた親権訴訟――最愛の娘を奪われるかもしれないという不安に追いつめられ、マギーは誰も信じられなくなっていた。疲弊しきった彼女は心の傷を癒やすため、少女時代を過ごした牧場へとむかうが、そこには、さらに心をかき乱す存在が待ち受けていた。かつて想いを寄せた、兄のように優しかったゲイブ……。しかし、ゲイブへの淡い初恋の思い出は無残にも打ち砕かれる。「休暇をお望みなのか、それとも養ってくれる男か」再会した彼はそう言って、なぜかマギーに軽蔑の眼をむけた。
*本書は、ハーレクイン・セレクトから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「心配なのかい?」ゲイブはさらに近寄ってきた。「なにが恐いんだ。君がやってきた最初の晩におふくろが言うのを聞いたさ。君がなんのためにやってきたかはとっくに知っているよ、マギー。どうして、それから逃げるんだ」
 ゲイブがマギーの上におおいかぶさるようにしたとき、彼女は自分の体が硬くなるのを感じた。マギーの緑色の目は恐怖で見開かれていた。「あなたにはわかっていないの……」彼女は口を開いた。
「何度かそう言っているようだね」ゲイブは無愛想にそう言うと、手を彼女の頭の両側に置いてマギーが逃げないようにした。彼がさらに彼女に身を寄せると、風とモミの木の皮のにおいが彼から漂ってきた。
「これはどういうことなの?」マギーは息をついた。
「君が次のお慰み相手というわけだ」ゲイブは笑っている。「おふくろは僕がこんなに孤独な男なのは自分のせいだと思っているのさ。で、彼女は女をどんどん連れてくる。だがね。銀の皿にのったお仕着せの女たちにはあきあきだね。結婚するときは、もしするならばだが、花嫁は自分で選ぶさ。そのときはフレッシュで温かくて、いいにおいのする娘にするつもりだ。田舎娘がいいね。オードブルの皿のようにたらいまわしにされる社交界の蝶みたいなのはまっぴらだね」
 マギーは言い返そうと口を開きかけたが、ゲイブは親指を彼女の唇に押しあてて黙らせた。彼は冷ややかな男のように見えたにもかかわらず、彼女の唇をもてあそぶそのやり方は経験豊かな男を感じさせ、マギーを驚かした。あれから何年もたった今、彼女がこんなふうにゲイブのそばで、彼を男性として意識し、彼の男らしさを官能的に感じているとは信じられないことだった。たしかにゲイブは経験を積んでいる。彼の目がそれを語っており、マギーの唇を撫でるゲイブの指の動きの一つ一つが彼女を狂おしくさせた。
「そう、君はこうされるのが好きだね、マギー」ゲイブはささやいた。彼の声は深く、ゆったりとして、どこかに揶揄するような響きがあった。「君は自分の唇がどれほど感じやすいか気がついていなかったようだね。男の唇を求めて唇だってかきたてられ、刺激されるんだ」そう言うと、彼はマギーの上唇を親指の先で撫で、内側の濡れた部分に触れ、唇が頼りなげにわななくのを眺めた。「そう、そんなふうに」ゲイブはさらに強く押しつけてくると、マギーは顔を赤らめ、思わず唇を開いた。彼女が身を硬くすると、その理由をじゅうぶんに承知してゲイブはほほえんだ。
「やめて」マギーは息もたえだえだったが、ゲイブが彼女の言葉にはほとんど頓着していないのがすぐにわかった。ゲイブは頑健な体格で、マギーは彼の力に恐れを感じていたが、彼から伝わる木の皮のにおいや温かさは、いやではなかった。
 何年も前、マギーはゲイブに触れられ、キスされる夢を見ていた。マギーは彼を求めていたし、ゲイブも彼女の気持ちは察していた。だが、まだ若かったこともあって、何事もなかった。また、マギー自身もゲイブが自分には関心がなく、彼の気を引くことはできないと信じていた。
「考えたことはなかったの?」身をかがめて、マギーの顎を上に向かせながら、ゲイブが不意に尋ねた。「僕の唇が君の唇に触れると、どんな感じなのかと……」
 マギーの目から涙があふれ出た。デニスとのみじめな体験のあとでも、ゲイブにこんなふうに感じられるなんて……肉体的にこんなに渇望できるなんて……すばらしかった。「ゲイブ」はげしく引きつけられるままに、マギーは思わずささやいた。
「おふくろは君になにを申し出たんだ、マギー?」彼女の口元でゲイブは深く息をした。
「申し出ですって?」
 ゲイブは体をさらに寄せつけ、不意にマギーの足に自分の足をからませてくると、自分の温かい口を彼女の唇にむさぼるように重ねた。
「おふくろは僕のために君をここに連れてきたんだろう。もうキャリアガールを連れてくるのはあきらめて、今度は古い思い出を掘りおこそうっていう魂胆だ。おふくろは僕が君と結婚すればいいと思っているのさ」
「あなたと結婚するですって?」マギーのぼんやりとした頭に、その言葉がいきなりとびこんできた。
「しらばっくれるなよ。君たちがたくらんでいるのを聞いたんだよ。ともかく、僕は妻を求めて売りに出しているわけではないんでね、マギー」ゲイブはそっけなく言った。「だが、君が遊びたければ大歓迎だ。いつだって、君は僕を燃えたたせてくれたからね……」
 最後の言葉の余韻が消えるか消えないうちに、ゲイブの口が彼女の上にかぶさった。だが、マギーが期待したやさしさはなく、彼女の唇に触れたとたん、自制心を失ってしまったかのように彼のくちづけは荒々しかった。
 マギーはゲイブの心臓の鼓動がはげしくなったので、わけもない恐れを感じた。「やめて!」彼女は叫んだ。「こんなふうにはいや!」マギーは彼から身を振りほどこうとしたが、ゲイブは彼女の腰をとらえ固い木肌に押しつけた。
「どうしたっていうの?」ゲイブはなじって唇を離すと、彼女を見下ろした。「君をその気にさせるには、結婚指輪を約束しなければいけないというわけか?」彼のからかうような口調には妙な響きがあり、かすかに緊張しているのが感じられた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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