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侯爵閣下の甘い誘惑

侯爵閣下の甘い誘惑


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

そんな顔で見られたら、やめられないだろう?
美貌の侯爵の危険な誘いに思い惑って……

ベアトリスは妹が侯爵ガブリエルとの婚約を破棄したと聞き、彼が妹を捨てたと誤解。霧の中、道を尋ねてきたガブリエルに間違った方を教えて風邪を引かせてしまう。責任を感じて手厚い看病をするベアトリスに、ガブリエルは好意を抱き誘惑してきた。「そんな可愛い言い方では止められないよ」誠実で情熱的な彼にベアトリスの心は揺れはじめ……!?

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「こんな所にひとりでいたら、危ないですよ」
 不意にかけられた柔らかく低い声音に、ベアトリスは体を強張らせた。
 目を向ければ、さっきまでオリヴィアと談笑していたガブリエルが、壁にもたれて腕を組み、彼女を見ている。
 秀麗な面差しは笑みをたたえていた。
 その煌びやかな雰囲気と色香漂う視線に、ベアトリスは一瞬くらりと目眩を覚えてしまう。
 ここまで美麗な男性は見たことがない。
 星空が煌めくように、ガブリエルもランプの灯りに照らされるだけで光り輝いて見える。
「ごめんなさい。夜会は久しぶりだったもので」
 ベアトリスは今まで遠目に見ていたせいか、間近く見た彼の容貌に胸を鳴らせてしまった。
 目は漆黒のように黒く闇に、紛れてしまうのではと思うほどで、オニキスのように輝いて見える。すらりと長身なせいかベアトリスはガブリエルを見上げるような格好になる。
 小柄な父とばかり話しているせいか、長身の男性というだけでも緊張してしまいそうだ。
 月明かりに照らされて反射する黒髪は、撫で付けられているが、風にときより吹かれて良い匂いが漂うようだ。
「すぐに戻ります。オリヴィアは今どこです?」
「踊っているよ」
「踊っている?」
 その言葉に、ベアトリスは違和感を覚えた。
 婚約前の令嬢が、相手とは違う紳士と踊っているというのだ。
 しかも、それをガブリエルは認めているようにすら感じる。
「止めないのですか?」
 ガブリエルは肩をすくめた。
「オリヴィアの自由だよ。そもそも、まだ正式な婚約すらしていないのだから」
「何が言いたいのですか?」
 ガブリエルの瞳が怪しく光った。
 一歩近寄られて、思わずたじろぐ。
 後、一歩、距離を詰められてしまえば、彼がベアトリスに触れられる距離に来ると思うと、警戒心が湧いてしまう。
「ミス・ロード。あなたはなぜ今日ここに? 妹の晴れ舞台だからとでも?」
「違うのですか?」
「オリヴィアは自分の魅力を充分に分かっているし、自分が選ばれるのではなく選ぶ側だという事も理解している。俺では不服、そう言いたくてたまらないとばかりに、違う男性と踊っていると、分からなかったかな」
「……申し訳ありません。軽率な行動を」
 ベアトリスは頭を下げた。
 まさか、オリヴィアがそんな奔放な振る舞いをしているとは思わなかったし、それにガブリエルも気が付いているとは。
 ふたりが友人のように見えるのは当たり前だ。
 ベアトリスが頭を上げずにいると、ガブリエルがさらに一歩近づいてくる。
 体が接する距離に来ている。
 逃げるように後ずさりしようと思ったが、既に追い詰められていて壁の冷たさがドレス越しに伝わった。
 あまりの近さに頬を染め胸を鳴らせてしまうが、ベアトリスは努めて冷静でいようと、姿勢を正し、きつく睨むようにガブリエルを見た。
 ガブリエルがくすりと口元を緩ませる。
「そのドレスは、似合っていないように見えるが」
「母のものです」
「オリヴィアになぜ頼まない? 妹は裕福な暮らしをしているだろう?」
「迷惑をかけたくはないのです。ドレス一着といえど、実家の余計なことを考えてほしくはありませんから」
 そうベアトリスが言うと、ガブリエルが小さくため息を吐いた。
「少しは姉にも気を配って、実家の状況を伝えてほしいものだ」
 ベアトリスは言葉を失い、息を呑んだ。
 同時に胸が、緊張と鼓動の速さで、うるさいくらいにざわめく。
 ガブリエルがあまりに見つめてくるので視線を落とすと、彼はそっとベアトリスの胸元に指先を這わせてきた。
「……っ! なにをっ?」
「妹の償いだといったら、キスを許してくれるかな」
「どういう意味ですっ!?」
 反論する間もなく、顎が掬いあげられ唇が重なる。
 温かい感触と共に、口腔に舌先が割り入ろうと歯列を突いてくる。
「や……私……ではなく……オリヴィアに!」
「オリヴィアは俺には興味がないんだよ」
(興味がない?)
 あまりの事に、ベアトリスはガツンと殴られたような衝撃を感じる。
 が、すぐに甘い感覚を呼び覚まされ、切ない吐息を吐いていた。
「ずっと僕たちを見ていたね」
「それ……は……オリヴィアを見て……んっ……」
 喋っているうちに舌先が口腔に侵入し、舌を絡めとられてしまった。
 するとガブリエルが丁寧に口腔を舐り始める。
 ベアトリスはあまりの事に目を見開いた。
「だめ……」
「どうして独身なのかな……。問題があるとは思えないけれど」
 その言葉に、ベアトリスは潤んだ瞳でガブリエルを見つめてしまう。
「離して……ください」
 しかし、ガブリエルは反対に、ぐっと抱え込むように頭を抱いてくるので、ベアトリスは身動きが取れなくなる。
 次第に息が弾み、自分が漏らす吐息に酔いそうになる。


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