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夢をかなえた一夜【ハーレクイン・セレクト版】

夢をかなえた一夜【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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著者プロフィール

 サンドラ・マートン(Sandra Marton)
 アメリカの作家。少女のころから書くことが大好きで、早くからラブストーリーを書いていた。ロマンス作家としてのデビューは一九八六年。その後次々と作品を発表している。

解説

ララの母と姉は夫に虐げられながらも、生活のために別れられない。そんな二人を見てきたララの男性不信は根強かったが、彼女は赤ちゃんがほしかった。それは叶わぬ夢のように思えた。ある雪の夜、空港で足止めされたララは男性から声をかけられる。見るからに裕福でセクシーな彼はスレイド・バロンと名乗り、一夜の戯れにララを誘った。ある決心をして、彼女は受け入れた――1年半後、ララはかわいい坊やを産み、ひとりで育てていた。幸せだったが、ほどなくして、選んだ相手が悪かったことを知る。一夜では満足できなかったスレイドが富の力でララを捜しだし、自分そっくりの男の子の存在を知ってしまったのだ!

■パワフルでワイルドな富豪ヒーローに定評のあるS・マートン。名家出身のスレイド・バロンはプレイボーイを絵に描いたような放蕩者でしたが、息子の存在を知ったとたんに変貌。男性不信のヒロインが、父性に目覚めたヒーローの激しい愛に翻弄されます。
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 不意にララが何か言うのが聞こえ、スレイドは我に返った。
「えっ?」
「ここに閉じこめられてしまったみたい、って言ったの。時間が停止したような感じだわ」
「ああ、そうだね」スレイドはうなずいた。
 二人は黙りこくった。ララが彼をちらりと見て、すぐに目をそらした。スレイドはきりだすときが来たことを察した。
「君は美しい」彼は静かに言った。
 ララは顔を赤くしてほほ笑んだ。「ありがとう」
「その髪をほどいたらどんなふうになるんだろう」
 ララの喉のくぼみが激しく脈打つ。「えっ?」
「君の髪だよ。胸まで届くほど長いのかな?」スレイドは彼女の手からカップを取り、自分のカップの隣に置いた。「これはただの誘惑じゃない。君にもわかっているはずだ」
 ララは確かにスレイドの胸中を察していた。スーツを脱がせ、きっちり結い上げた髪をほどき、キスをしたらどんな感じか想像しているのだ。
 二人がそれぞれに思いを巡らしていたとき、場内アナウンスが流れた。
 少なくともあと数時間は搭乗できず、宿泊希望者はカウンターまで来るように、とのことだった。
「まあ」ララは笑った。「これで決まりね」
 スレイドは安堵した。二人の間に生まれかけていたものは終わった……。
「そうだね。君はここで待つつもりかい?」
「ええ。あなたは?」
「僕もここに……」スレイドは言いかけた言葉をのみこみ、そして言った。「冗談じゃない。一緒に来たまえ」
 ララの瞳の中で何かがきらめいた。彼は一瞬、彼女がイエスと答えると思った。
「いいえ」ララは小声で言った。「できないわ」
 スレイドは彼女の左手を見た。指輪ははめていない。「結婚しているの?」
 彼女は首を横に振った。
「婚約は?」またもや首を横に振ったララに、スレイドは体が触れそうなほど近寄った。「僕もだ。お互い、誰も傷つけはしないよ」彼女の手を取る。ララは逆らわなかったが、その指は震えていた。「ララ、一緒に泊まろう」
 彼女の頬が紅潮した。「無理よ」
「君と二人なら、すばらしい時間を過ごせる」スレイドは手に力をこめた。
 ララは首を横に振った。「私、あなたのことをほとんど知らないもの」
「いいや、君はよく知っている。僕だってそうだ」スレイドの声はかすれ、低くなった。「細かいことを言えば、僕は建築家でボストンに住んでいる。独身で誰ともつき合っていない。二十八歳で健康だ。ほかに何を知りたい? 君ほどに欲しいと思った女性はいないってことのほかに?」
 ララは彼を見た。スレイドにとって忘れ難い鮮烈な瞬間だった。青い瞳の中で何かが変わった。彼女はさっきと同じ、奇妙な表情で見つめている。
 値踏みされているようで、彼は不安になった。だが、ララが舌の先を唇に這わせたとたんに不安は吹き飛び、めくるめく熱い思いにとらわれていた。
「ど、どうかしているわ。こんなふうに……」
 スレイドはララの口に人差し指をそっとあてがった。「タクシーをつかまえよう。近くにホテルがある。以前にも泊まったことがあるから、きっと部屋を用意してもらえるよ」
「こんな天気なのにタクシーですって?」ララは笑おうと努めた。「ずいぶん自信がおありなのね」
「自信があったら、息を凝らして君の返事を待ったりしないさ」
 ララは黙ったまま小首をかしげ、彼を見上げている。あの表情をまた浮かべて。
「いいわ」返事はひと言で足りた。
 ラウンジを出てタクシーを止めた記憶はない。スレイドが覚えているのは、ララの腰にしっかりと腕を回してホテルに入り、ロビーのドラッグストアに寄ると言ったことだけだった。
「必要ないわ」ララは彼を見上げて言った。
 避妊具なしで彼女に接することができると思い、スレイドは喜んだが、喜びはすぐに激しい怒りへと変わった。彼女の反応が早かったのは、ほかの男性ともこんなことをしているからに違いない。
 それは男性の原始的な所有欲とでも言うべきものだった。とはいえ、二人はすでに部屋に入っていた。スレイドは想像力を働かせるのをやめ、彼女に手を伸ばした。
「やめて!」ララはパニックに陥った。「だめ、私にはできないわ」
 スレイドは両手で彼女の顔を包んだ。「キスだけでいい」彼はささやいた。「一度だけキスしてほしい。そうしたら、もう引き留めたりしないから」
 ララは身じろぎひとつせず、恐怖に満ちた目で彼を見上げている。スレイドは故郷のエスパーダ牧場で種馬が小屋を壊して雌馬のもとへ押しかけてしまったときのことを思い出した。種馬の弓なりになった首、荒々しい目つき、そして恐怖におののく雌馬の表情。雄馬がのしかかると、雌馬の恐怖は突然別のものに変わっていった……。
「ララ」スレイドはララの不安げな瞳を見つめながら、ゆっくりと慎重に上体をかがめ、キスをした。彼女が唇を開くまで、何度も軽く触れる。
「スレイド……」ララはため息をもらした。
 スレイドは彼女を抱き寄せた。ララは彼にもたれ、腕を首に回して髪をつかんだ。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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