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愛と指輪の重さ【ハーレクイン・セレクト版】

愛と指輪の重さ【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キム・ローレンス(Kim Lawrence)
 イギリスの作家。ウェールズ北西部のアングルジー島の農場に住む。毎日三キロほどのジョギングでリフレッシュし、執筆のインスピレーションを得ている。夫と元気な男の子が二人。それに、いつのまにか居ついたさまざまな動物たちもいる。もともと小説を読むのは好きだが、今では書くことに熱中している。ハッピー・エンディングが大好きだという。

解説

図書館司書のネルは、ひょんなことからルイスと出会った。彼はネルがかわいがっている姪の恋人の従兄弟で、スペインでその名を知らない者はないほどの富豪だった。雲の上の人よ。そんなふうにルイスを見ていたネルも、彼からの熱いまなざしを受け止め、ついにすべてを捧げた。だが眠りに落ちた彼が呟いたのは、知らない女性の名前――ベッドを飛び出し、ネルはそれきり彼の前から姿を消したが、やがて身ごもったことを知る。ネルにとっては愛の結晶だった。ひとりで産み育てるつもりだったが、ルイスが現れ、愛はないが子どものために、と残酷な求婚をするのだった。

■ピュアで健気なヒロインと、傲慢なラテン・ヒーローを描いて人気のK・ローレンス。家族の面倒を見るためにすべてを犠牲にしてきたヒロインに唯一残されたのは、愛した人の赤ん坊……。決して愛を口にしないヒーローの過去が、涙を誘います。
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「祖母はひと筋縄ではいかない女性だ。長年この家をひとりで切り盛りしてきた。若くして夫を亡くしているだけに、ぼくには幸せになってほしいと望んでいる……」ルイスは言葉を切り、皮肉めいた笑みを口元に浮かべた。「妻が必要だ、とね」
「それが、わたし? 冗談でしょう!」
「結婚を申しこんでいるわけじゃない。その指輪があればうまくいくと思う」
「でも、もしおばあさんが……」ネルは先を続けられなかった。
「死ななかったらということか?」ルイスは引きつった頬を見られないよう、顔をそむけた。「その可能性もある。芯は丈夫だし、病気になったのはこれが初めてではない。もしそうなったら……」その希望にすがりつきたい思いをまったく表に出さず、彼は落ち着いて作戦の概要を告げた。「ぼくから祖母に説明しよう。ぼくたちの関係は自然消滅した、とね。長距離恋愛は成就しにくいものだ。きみが浮気してもおかしくない」
 ネルはルイスを見つめた。自分でもそう思ってしまいそうだわ! 「何もかも、想定ずみということね」
 ルイスは彼女の言葉をお世辞と受け取り、うなずいた。「抜かりがないと人から言われる」だからこそ、彼は競争相手から恐れられている。
 生き馬の目を抜く世界にあっては、悪くない特性だ。名もなき二十歳のルイスが大金を稼いだのは、あらゆる機会をうまく利用したからにほかならない。今や競争相手から目をつけられているが、ルイスは挑戦を楽しんでいる。
「おばあさんを幸せにするためと自分に言い聞かせているだけで、本当はこのお城を相続するのが目的なんじゃない?」
 ルイスはぎょっとした表情を浮かべた。
 彼の瞳にたぎるような怒りを認め、ネルは思わず一歩後ずさった。
 自分がいかに経済的に成功をおさめているかをぶちまけようとして、ルイスはなんとか思いとどまった。今まで誰にも言い訳などしたことがない。なぜこんな小娘に自己弁護しなければならない?
「ぼくの動機や妄想について考えてくれなくていい。恋しているふりをするだけでいいんだ」ルイスはあざけり、ネルの顎の下に指をあてがった。
 ネルは身をこわばらせた。脈が速いのは、もはや恐怖だけのせいではなかった。
「ちっとも恋しているように見えないな」ネルの顔を見つめ、ルイスは苛立った口調で言った。
 ネルは彼の手を押しのけ、その背後に目をやった。落ち着くのよ、ネル。いつでもここから立ち去れるのだから。彼にはわたしを止めることなどできやしない。
 そう、立ち去ればいいのよ。
「恋していないからよ」ネルはからからになった唇を舌で湿した。「気が変わったわ。わたしは――」
「ほかに選択肢などない」
 いきなりルイスは身をかがめ、ネルの唇を奪った。
 熱く、激しく、うっとりしてしまうようなキスだった。彼の口が官能的に動くにつれ、ネルの体のなかで躍る炎がますます大きくなっていく。もう彼のことしか考えられない。
 口のなかに舌を入れられたとき、ネルのなかで何かがぷつんと切れた。気がつくとルイスの胸に指を広げて身を押しつけ、キスを返していた。
 ルイスが顔を上げた。ぼうっとした表情を浮かべているように見えたが、わたしの気のせいだろう。
 間もなく彼はネルの手を自分の胸から離し、前方のドアへと誘った。
「何も考えるんじゃないよ」耳元で彼がささやいた。
 ネルはまだショックから立ち直れずにいた。立ち去るのよ! 頭がいくら命じても、体は言うことを聞かない。
 キスを返してしまったなんて……。ネルは自分を見失ったとは断じて認めたくなくて、ルイスを鋭く一瞥した。「もしまたこんなことをしたら、後悔させるわよ!」
 すでに自分の衝動的な行為を悔やんでいたルイスは、返事をしなかった。みずみずしい唇を見つめ、その味を思う。だが、彼はすぐにそんな考えを払いのけようとした。鉄のような自制心を誇る男には容易なはずだ。
 だが、そう簡単にはいかなかった。
 ネルの心のなかでは憤りと屈辱が渦巻いていた。わたしを説き伏せるために、あんな手を使って。それが効果のあったのがくやしい!
 たかが一回のキスなのに……。ルイスは何もなかったように平然としている。そんな彼にキスを返してしまった!
 ネルがつまずきかけたとき、すかさず彼の手が伸び、肘を支えた。気遣ってそうしたわけではないだろう。わたしが逃げようとしたら、彼はラグビー選手のようにタックルしてくるに違いない。
 キスよりタックルされるほうが、まだましだわ……彼と一緒に床に転がりたくないけれど。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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