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明かせぬ愛と秘密【ハーレクイン・セレクト版】

明かせぬ愛と秘密【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 メレディス・ウェバー(Meredith Webber)
 オーストラリアの作家。教師、商店主、旅行代理店など種々の職業を経験したあと、一九九二年に新たなチャレンジのつもりで作家を志す。二年後にデビューを果たした。現在はロマンスの書き方の講座も持っており、教えることが彼女自身の本を書くうえで大きなプラスになっているという。

解説

クレアは勤務先の病院に赴任してきた医師の姿に目をみはった。間違いない――10年前に別れた恋人、オリバー・ランキン! クレアは子どもが欲しかったのに、彼は望まなかった。だから、二人は別々の道を歩むことに決めたのだ。皮肉にも、そのときクレアは既に妊娠していたのだが、オリバーの行方はつかめず、クレアはたった一人で娘を産んだ。娘のことを知られるのは時間の問題だったが、まさかオリバーにひどく責められることになるとは――「きみは子ども欲しさにぼくを捨て、別の男に走ったんだな!」心ない言葉を浴びせられ茫然とするクレアに、彼は激しく口づけた。

■愛した人が望まなかった子どもを、たった一人で育ててきたヒロイン。散々つらい思いをしてきた彼女に、誤解したヒーローは逆上してひどい言葉を投げつけます。熱いキスとともに。病院を舞台に描かれる、情熱的なシークレットベビーの物語です。
*本書は、ハーレクイン・イマージュから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 過去は忘れろ!
 オリバーは深呼吸し、スーツケースを持ちあげて寝室に運び、荷ほどきを始めた。家財道具や本棚などはメルボルンに置いてきた。先にアパートメントに落ち着いてから、送ろうと思っていたのだ。さしあたって、持ってきた服とシーツ、数枚のタオルと大量の本を荷ほどきしなくてはならない。本はまだメルボルンにもたくさんある。読書は彼の逃げ道のようなものだった。だが、なにから逃げていたのだろう?
 そんな疑問を抱いたのは初めてだった。となると、じっくりさぐってみなければならない。不毛な生活について深く考えることから逃げていたのか? それとも、かつての恋人から指摘された、心の奥のむなしさからだろうか。それとも、誰かになにかを感じることから逃げていたのだろうか。
 オリバーは嘲笑し、ばかげた内省を払いのけた。読書はきびしい仕事からの逃げ道で、それ以上ではない! それに、こんなふうに珍しく自分の内面を深く掘りさげるのも、疲れているせいだ。今朝の会合に間に合うようにと、ほんの数回休憩しただけで、夜どおし運転してきたからだ。
 仕事といえば、明日のオペについて予習したほうがいい。世界じゅうから集まった専門家と仕事をする場合、常に誰かが新しいことを試し、遭遇する多種多様な問題に対して、より妥当で効果的な解決法を見つける。
 オリバーはノートパソコンを見つけ、小さいほうの寝室のデスクで開いて、インターネットで調べはじめた。数時間後、体がこわばって疲れてきたので、パソコンを閉じて、食べ物をさがしに行った。
 キッチンでフォルダーを見つけた。ページをめくると、メモのうしろに配達のメニューがいくつかあったので、一つ選んで電話をかけた。食事をしてからシャワーを浴びて寝よう。実際的で賢明な意思決定、それこそが必要なのだ。
 アパートメントのドアをノックする音がしたので、ピザの配達員がどうやって入ってきたのだろうと彼は思った。外のドアにはベルかなにかがあって、二階から開けられるのだったか? アニーのメモに説明があっただろうか? もう一度読もう。しかし、誰なのかを見るのが先決だ。
 クレア!
 ひどく落ち着きのない、緊張した面持ちのクレアが、それでも礼儀正しくほほえんで説明した。「ドアのことを言っておくべきだったと思って。鍵束の中にある大きめのぴかぴかした銀の鍵が、外扉のデッドロック用よ。訪問者用のベルは玄関の外にあるの。あなたの名前を貼ってきたわ。家の中でベルが聞こえたら、玄関にインターフォンがあるから――これを……押せば、ドアのロックが解除できるの」
 ドアを開ける方法を教えるために、クレアが中に入り、その場で抱き締められるほど、オリバーのすぐそばに来た。彼女の髪の香りまでかげそうだ。ほんの少しかがめば、唇をとらえられる……。
 自制心を失っているぞ! 正気の沙汰じゃない! 冷静になれ。落ち着くんだ。
「ありがとう」オリバーはやっとのことで言った。クレアが振り返り、無反応で硬い姿勢のままの彼にとまどっているように見える。
「いいのよ」彼女は言って顔をしかめ、さらに近づいて彼を見た。「大丈夫? こんなことを言って悪いけど、疲れた顔をしているわ」
「メルボルンからの道中、車が故障したんだ。それで夜どおし運転してきた。一晩ぐっすり眠れば、元気になるよ」
 クレアは帰ろうと背を向けたが、喜んでいいのか悲しんでいいのかわからなかった。鍵の説明を口実にしてエミリーのことを話そうと、自分を励ましてドアをノックしたのだ。軽い調子で夕食に誘う計画だった。そうすれば、礼儀正しく座って、状況を話し合うことができる。ただ、どうやってその話題を持ち出すかという問題は、まだ彼女の心に大きくのしかかっていた。
 だが、オリバーがどれほど疲れているかを見れば、娘がいると今告げるべきでないのは明らかだ。明朝オペを控えた彼に必要なのは、一晩ぐっすり眠ることだ。爆弾発言は彼の世界をゆるがし、それこそ眠るどころではなくなってしまう。
 ほっとする部分もあったが、残る告白の問題がクレアをいらだたせた。
 それに夕食がある。彼は食事をしなくては……きくべきかしら?
「鍵の説明をありがとう」ドア口でためらっているクレアに向かって、オリバーが言った。彼女は彼の体を意識しすぎて、緊張を気取られるのではないかと心配だった。頭の中で、肩を引き寄せられた自分が彼にもたれかかり、体がぴったりと寄り添うのを感じる……。
 外玄関の耳ざわりなベルの音がオリバーのアパートメントに鳴り響き、クレアは驚いて、ばかげた夢から覚めた。そんな想像をしていたのが恥ずかしく、ベルにじゃまされたことにとまどってオリバーを見ると、彼がほほえんだ。
「名前を貼っておいてくれてよかった。夕食にピザを注文したんだ」
 オリバーが玄関ロックを解除するボタンを押し、インターフォンで配達員に上がってくるように指示しているすきに、クレアは急いで踊り場に逃げ出し、自分のアパートメントという安全圏に飛びこんだ。
 逃げ出してはきたものの、隣人と、言うことを聞かない自分の心の動きからすると、ここにはもう静けさも平和もなかった。
 かつてオリバーが手紙に返事をよこさなかったとき、クレアは彼を人生から締め出し、二度と彼のことを考えまいと誓った。
 だが、二人の間に生まれた子供がオリバーの緑の目と魅力的な唇を持っているのに、彼のことを考えずにいるのはむずかしかった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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