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億万長者と愛の形見 愛と背徳のローマ I

億万長者と愛の形見 愛と背徳のローマ I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス愛と背徳のローマ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジュリア・ジェイムズ(Julia James)
 十代のころに初めてミルズ・アンド・ブーンのロマンスを読み、それ以来の大ファン。ロマンスの舞台として理想的な地中海地方、そしてイギリスの田園が大好きで、とくに歴史ある城やコテージに惹かれるという。趣味はウォーキング、ガーデニング、刺繍、お菓子作りなど。現在は家族とイギリスに在住。

解説

運命の恋は許されない罪だった。別の人と結婚する彼に、妊娠は言えない。

エロイーズの休暇旅行は、衝撃的な出会いから始まった。ホテル王のヴィトは空港で助けた彼女を見初め、ヨーロッパの有名な観光地を案内する一方で、夜は熱く求めた。彼は私を特別な女性と思っている?私は愛されているの? しかし、エロイーズがヴィトとの将来を夢見はじめた数週間後、突然、婚約者だと名乗る女性が訪ねてくる。否定するどころか、ヴィトに面と向かって婚約を認められ、絶望したエロイーズは故郷へ逃げ帰るしかなかった。そのおなかに、彼の愛の形見を宿して……。

■緻密でドラマチックなストーリーで人気を博す、J・ジェイムズ。ミニシリーズ〈愛と背徳のローマ〉をお届けします!今作でヒロインを苦しめる婚約者の女性は、実は2作目のヒロインです。1作目と同時進行で語られるもう一つの悲恋を、どうぞお楽しみに!

抄録

 ヴィトがヴィスカーリ・ホテル・ローマのスイートルームに入ってきたので、エロイーズは目を輝かせた。ソファから立ちあがり、駆け寄ってキスをする。
「寂しかったのか?」ヴィトは笑顔でソファに座り、ネクタイをゆるめると、いちばん上のボタンをはずしてくつろいだ。
 ほんの数時間会わなかっただけでも、こうしてまたエロイーズの顔を見ると元気になれる。母からの電話のあと、肩にのしかかっていた重荷も少し軽くなった気がした。
「ビールでも飲む?」部屋に備えつけのバーに近づきながら、エロイーズがきいた。
「ぜひ頼む。君がいなければ、僕はなにもできないな」ヴィトは感謝し、生き返るような最初の冷たいひと口を喉に流しこんだ。
「あとは自分でしてね」エロイーズが笑って身を寄せると、ヴィトは空いているほうの腕で彼女を抱き寄せた。
 エロイーズは長い脚を伸ばし、くったくのない笑みを返して、そばでリラックスしている。美しいブルーの瞳に宿るやさしい輝きは、今夜の試練とその先を考えてささくれだつヴィトの気持ちをやわらげてくれた。
 おじのグイドが持っていた株を、僕はなんとかしなくてはならない。なんとしてでもマーリーンを説得して、彼女が相続した株をすべて買い戻さなくては。
 ヴィトの頭には、つねにある光景がまとわりついていた。必死に懇願する父の声が、脳裏に響く。“どれだけ犠牲を払うとしても、必ず買い戻せ”
 苦い記憶を振り払うように、ヴィトはまたひと口ビールを飲んだ。
「大丈夫?」
 エロイーズのやさしい声は、どこか心配そうだった。
 今夜、彼女と一緒に出かけられたら!
 これから出席する行事は、グイドの豪奢な別荘で行われる予定だった。目的はヴィスカーリ家が所蔵する芸術作品の披露だが、マーリーンがヴィトの母ルチアを差し置いて、嬉々として場を仕切るのは目に見えていた。母は人前では黙っていても、胸の内は煮えくり返っているから、あとで軽蔑している義理の姉に辛辣な言葉を投げつけるはずだ。
 エロイーズがそばにいてくれれば、そんな夜にも耐えられるのに。ヴィトの目が鋭く光った。カーラを愛する見込みはまるでないと、マーリーンにはっきり知らしめるいいチャンスにもなるのでは?
 母親同士には確執があっても、カーラとヴィトは仲がよかった。見事なブルネットであるカーラは美人だが恋人がいるし、ヴィトはあくまでもブロンドが好きだった。
 ヴィトはエロイーズの顔を見て、奇妙な感情を覚えた。これまでに感じたことがないものなので、どう表現したらいいのかわからない。エロイーズをここヴィスカーリ・ホテル・ローマではなく、僕のアパートメントに連れていけばよかったんじゃないか? しかし、果たして賢明な行動だろうか? 僕がどうしようかまだ迷っていると、エロイーズは思っているだろうか?
 それとも心は決まっているのに、まだ自分で認めていないだけか?
 たしかに、ヴィトはためらっていた。おまけに、エロイーズを自宅に連れていかなかった理由はほかにもあった。彼自身もまだ覚悟ができていないうちから、母が一足飛びに結論を出さないとも限らなかったからだ。
 エロイーズとの関係には、もう少し時間が欲しい。そして互いの存在の、本当の意味を見極めたい。
 今夜の行事は緊迫した、不愉快な時間になるだろう。おじの株をめぐる家族内のごたごたを、エロイーズの目にさらすのはいやだ。
 とにかくまずは、グイドの株をとり戻そう。そうすればエロイーズだけに集中できて、互いの気持ちもわかるに違いない。
 ヴィトは苦労しつつ告げた。「今夜はどうしても出席しなくてはならない家の集まりがあって、出かけられないんだ。本当に残念だが、しかたがない。僕は君と夜を過ごしたかったのに。ローマを見せてあげる計画を立てていたんだよ」ヴィトは無理やり笑みをつくった。「トレビの泉やスペイン広場は、明日の夜までおあずけだ」
 ため息をつきながらビールを飲みほし、彼は空のグラスをコーヒーテーブルに置いた。無意識のうちにエロイーズの手を軽くたたいて、しぶしぶ立ちあがる。
「よし、着替えなくては。シャワーを浴びて、堅苦しいタキシードを着ることにするよ」
 髭も剃らなくてはと思って、ヴィトは顎を撫で、ゴールドの腕時計をちらりと見た。シャワーや髭を剃るより、もっと楽しいことをする時間くらいはありそうだ。
 ヴィトはこちらを見つめるエロイーズに手を差し伸べた。彼女は少し放心したような表情をしている。今夜はエロイーズをパリにさらって以来、初めて別々に過ごす夜になると気づいて、ヴィトの血は騒いだ。
 それならなおさら、出かける前のこの短い時間を最大限に活用しなくては。これからエロイーズをひとり置いて、家族の義務を果たし、問題を解決しに行かなくてはならないが、今は考えたくない。エロイーズと過ごす時間のほうが大切だからだ。
 ヴィトはエロイーズの手をとって立たせ、もう片方の手で下ろしてあった彼女のつややかな髪をすいた。それからうなじを愛撫し、甘く芳しい唇を自分のほうに引き寄せた。
 いつものようにエロイーズはすぐにキスを返してきて、ヴィトは体の奥が燃えあがるのを感じた。エロイーズに低くかすれた声でささやきかけ、寝室へといざなうと、彼の欲望には火がつき、たちまち業火となった。
 エロイーズこそ、僕が求める女性だ!


*この続きは製品版でお楽しみください。

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