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腹黒殿下の策略婚〜契約は溺愛のはじまり〜

腹黒殿下の策略婚〜契約は溺愛のはじまり〜


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

本能でお前を求めている。俺の傍にいろ。
仮初めの恋人は狡猾な執愛の王太子!?

爵位を継いだ弟の後見人を探し、王太子マリウスに接触したフローレンティナ。しかし、取引条件として、彼の仮初めの恋人になることに。濃厚な口づけから始まり、次第にマリウスの接触は甘さと淫靡さを増していく。駆け引きめいた言葉とは裏腹に愛おしげな愛撫で悦楽を与え、マリウスはフローレンティナを王太子の婚約者として公にしてしまい!?

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「今日は庭園迷路に行こうか」
 庭に作られた、生垣の迷路のことだ。マリウスに誘われたフローレンティナは感心して言った。
「そんなものまであるんですか」
「大がかりなものではないが、離宮の庭にある。俺たちが行けば、きっとジャスミンも追いかけてくるだろう」
 彼女はまだ王宮に滞在していた。
 マリウスは物腰柔らかだが、ジャスミンに気はないと態度で示し続けている。
 それなのに諦めないということは、本気でマリウスが好きなのか、意地になって長期戦を辞さないか、もしくはその両方なのだろう。
 しかし、こうまでされるとフローレンティナとしては人の恋路を邪魔している罪悪感が生まれてしまう。つい、思ったままに提案してしまう。
「マリウスさま、ジャスミンさまをちゃんと振ってあげたら如何でしょう。このままでは、気の毒な気がします」
「却下だ。先方から何も言ってこないのにこちらから断るなど、失礼だと難癖をつけられるだろうが」
 そう言われてみれば、そうかもしれない。二人は互いに国を背負っているのだから、普通の男女の話のように簡単にはいかないのだろう。
「そうですね。けれど、ジャスミンさまが本気のようで少しお可哀そうで……」
「望んでもいない気持ちを押しつけられる俺は、可哀そうではないのか」
 マリウスの声が低くなっている。笑顔だが目が笑っていない。
 怒らせてしまったようだ。
 フローレンティナはすぐに謝った。
「申し訳ございません、マリウスさまのことを第一に考えなければいけませんでした。つい、女として同じ女性の思いに共感してしまったのです」
「……もういい。早く行くぞ」
 手を引かれ、部屋を出る。
 そこからは、皆に仲睦まじいことを見せつけるべく振る舞わねばならない。
 フローレンティナはマリウスと腕を組んでにこやかな笑みを浮かべて庭園へと向かった。
 普段は出向かない、離宮にある庭園に確かに緑の迷路があった。
 王宮の中とはいえ、マリウスの出向くところには護衛と侍従がついて回る。
 マリウスは迷路に入る前に、その護衛たちに告げた。
「ここからは二人で入るからお前たちは来なくていい」
「しかし、殿下」
 護衛対象が目の届かない場所に行くことを、彼らは簡単には承知しない。
 それでもマリウスはにこやかに命じた。
「では出口のところで待ち構えているといい。私はティナと二人でちょっとした冒険に行く。ほんの短い散歩なんだ、心配することはない」
 マリウスがそこまで言うなら、と護衛たちは渋々了承した。
 皆に見送られながら、フローレンティナはマリウスと迷路の中に入っていった。
 最初の角を曲がったところで、フローレンティナはすぐに笑顔を引っ込めて言う。
「マリウスさま、何を考えていらっしゃるんですか」
「昼間から二人きりになっていちゃついていたと、噂になるよう印象付けている」
「噂に、なりますか……?」
 護衛と侍従といってもごく少数で、全員で五名にも満たない。
 それに、にこやかながらも人嫌いのマリウスに付き従う人たちだ。きっと口が固く、余計なことは他言しないだろう。
 フローレンティナはその効果に疑問を感じるが、マリウスは平気な様子だ。
「ああ。俺たちに見えないようにこっそりと後を追ってきている」
「やっぱり、心配されているんですね」
 さすが王子さま、と妙な感心をしているとマリウスが足を止めた。
 そして、ふわりとフローレンティナを抱きしめた。
 力強い腕が背に回って、彼の硬い胸板でフローレンティナの柔らかな胸が押しつぶされる。
「ま、マリウスさま……」
 密着するのが恥ずかしく、胸がドキドキしてしまう。
 フローレンティナの腰は引けて、身体を離そうとするがマリウスは抱きしめたままだ。
 そして耳元で囁いた。
「ティナ、いやがる素振りはいけない。俺の背に手を回すんだ」
「……っ」
 確かに、後ろからついてきている人に揉めている姿を見せるわけにはいかない。
 フローレンティナは緊張しながら、そっとマリウスを抱きしめた。
 彼はふっと笑った。
 この笑いは、どっちなんだろう。
 人に見せつけるための、演技の笑顔なんだろうか。
 そんなことを思いながらぼんやりと彼の美しい顔を見つめていると、どんどん近づいてくる。
 えっ、と驚いた時には唇に柔らかいものが当たっていた。
 マリウスの唇だ。
 キス、されている。
 これも、見せつけるためのものなんだろうか。だったら、避けない方がいいんだろうか。
 フローレンティナが迷っている間に、彼の舌がゆっくりと唇をなぞった。
「ぁっ……」
 突然、背筋がぞくりとするような妙な感覚がフローレンティナの身体の中に走った。
 どうしていいかわからず、マリウスの身体にしがみつく。すると彼は更に、フローレンティナの唇を食んでキスを深くした。
 フローレンティナの身体には、ぞくぞくする感覚と腹の奥がきゅんと引きしまる現象が同時に起こっていた。


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