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さらわれた純潔の花嫁

さらわれた純潔の花嫁


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 メイシー・イエーツ(Maisey Yates)
 ロマンス小説を書く前から、熱心な読者だった。自分のヒーローとヒロイン作りが楽しめる今の幸運が信じられないという。オレゴン州南部の自然の中で、通りの向かいに住む両親の手を借りながら、夫と幼い3人の子供と共に暮らす。朝起きて家の裏口に熊を見つけるような生活と、自宅で書くエキゾチックな街で起こる物語との落差を楽しみながら、執筆に励んでいる。

解説

白馬の王子の目覚めのキスは、愛なき結婚への序章。

4歳のときに養父母に預けられ、純真な娘に育ったブライア。ある日彼女は街で、一人のハンサムな男性に目を奪われた。だが近づいてきた彼に話しかけられてパニックを起こし、車道に飛びだしてはねられ、気を失ってしまう。キスをされてブライアが目覚めると、そこは病院のベッド。傍らには彼がいて、サンタミラグロ国の皇太子フェリペだと名乗り、驚くべき真実を告げた。ブライアの実父は隣国の王だというのだ。「君は生まれたときから僕の許婚と定められていたんだ」笑みを浮かべた彼は、抗うブライアを強引に祖国へと連れ去った。

■『闇の王子と清らな愛人』に続く、王家を舞台に繰り広げられる濃密なロマンスをお届けします。実の両親を知らずに育ったヒロインは突然現れた異国の王子に導かれ、運命の扉を開くことに……。

抄録

 温かさが体じゅうを駆けめぐっている。まるで、酸素で満たされているような感じだ。手足の先がじんじんする。自分の体を離れ、意識が暗い空間に浮かんでいるかのようだ。
 だが、よく見てみると、暗くはない。明かりが見える。白っぽい大理石の壁。金色の装飾に縁取られている。来たことがない場所だというのは確かだ。それでいて、どこか懐かしい気も……。
 薄皮をはぐようにゆっくりと、意識が戻ってくるのを感じた。
 手始めにまず、指先を動かすことができた。それから、ほかのことにも気づいた。たとえば、この温かさはどこから来るのかとか。
 それは唇に触れている誰かの唇からだった。キスされているのだ。
 ブライアはそっと薄目を開けた。自分のほうにかかみこんでいる黒髪の人影が見えた。
 さっき通りに立っていた男性だ。
 通り。そう、私は通りを渡ろうとしていた。
 今もまだあの場所にいるのだろうか? あそこからどこかに移った記憶はない。それにしても……身動きが取れない。
 目を大きく見開き、周囲を見まわした。真上に明るい蛍光灯が見え、周囲をさまざまなモニターが取り囲んでいる。自分が何かにつながれているのがわかった。
 拳を固めたとたん、ちくりと刺すような痛みを感じた。腕を見おろしたとき、点滴の針が目に入った。
 そこですべての意識が、まだキスされているという事実に舞い戻った。おそらく病院のベッドの上で。
 ブライアは手を上げた。指先が頬をかすめたとたん、彼が顔を上げた。
「|いとしい人《ケリーダ》、目を覚ましたんだね」心底ほっとしているような表情だ。見知らぬ他人とは思えない。もっとも、たった今キスされていたのだ。それこそ見知らぬ他人のすることではない。
「ええ。私、どれくらい……どれくらい眠っていたんですか?」彼のすぐ後ろに看護師が立っているのに気づき、尋ねてみた。こんなところでキスされていたなんて妙な話だ。それについてはすぐにも解き明かすつもりだけれど、その前にまず、自分が場所や時間の感覚を失っている問題をなんとかしなければ。
「意識を失っていたんですよ。一時間ほどですが」
「まあ」ブライアはマットレスに手をつき、上半身を起こそうとした。
「無理しないほうがいい」彼が言った。「脳震盪を起こしているかもしれないから」
「何があったの?」
「君は通りを渡ろうとしてタクシーの前に飛び出したんだ。止める暇もなかった」
 彼に呼びとめられたことを、おぼろげながら記憶している。にもかかわらず無我夢中で前に進んだ。両親に過保護にされてきたのはわかっている。二人は常に目を光らせ、見知らぬ人には気をつけないといけないという考え方を娘に染みこませようとした。少し度を越しているのではないかと思いつつ、ブライアもそれを受け入れてきた。
 両親の説明によれば、高名な医師である父ロバートが医療制度に関する法案を起草する手伝いをしていて、政敵に狙われる危険があるため、とくに気をつけなければならないということだった。それに加えて、両親が資産家だという一般的な理由もあるため、ブライアは二重に用心しなければならなかった。
 そのせいで、子供のころは、通りで親しげに話しかけてくる見知らぬ人に遭遇するたび、|子取り鬼《ブギーマン》に見えてしまったものだ。ただ、そのおかげで今日まで無事にいられたのだとも思っている。この男性に出会って、逃げたはずみに車の前に飛び出すまでは……。
 そうだわ、誰か両親に電話したかしら。夕方までは帰らないと思っているでしょうけど。
「すみません……」声をかけたものの、看護師は急いで病室を出ていってしまった。医師を呼びに行ったのだろうか? それにしても、なぜ血圧や脈拍をチェックしていかないのかわからなかった。
「父は医者なの」ブライアはホセに視線を戻した。そう、たしかホセという名だった。本人がそう名乗っていた。
「それはよかった」そう言う彼の口調には、これまで感じられなかったとげとげしさがあった。
「まだ誰も連絡していないのなら、父に知らせなくては。父はわたしの治療方針について知りたがるでしょうから」
「すまない」ホセが身を起こして言った。
 ふいに彼の顔の印象が変わった。ひどく険しい表情に見える。ブライアの鼓動が重く響き、正体不明の不安が全身を這いまわった。
「何がすまないんですか?」
「君のお父さんに治療方針について知らせることは不可能なんだ。君はほかに移されることになるから」
「そうなんですか?」
「ああ。容態は安定しているようだ。それについては、僕の看護師がちゃんと確認している」
「あなたの看護師?」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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