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吐息に灼かれて

吐息に灼かれて


発行: ハーレクイン
シリーズ: MIRA文庫
価格:800pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リンダ・ハワード(Linda Howard)
 数々の受賞歴を誇る、世界中で大人気の作家。栄えあるNYタイムズやUSAトゥデイのベストセラーリストにもしばしば顔を出す。読むにしろ書くにしろ、本は彼女の人生において重要な役割を果たしているという。読み始めはマーガレット・ミッチェルの作品。それ以後、広く読書に熱中するようになった。少女のころから書くことが好きだったリンダの作家デビューは三十歳のとき。現在はアメリカの作家大会や授賞式の席に常連の人気作家で、サイン会にもひっぱりだこである。とりわけ、彼女の描くヒーローが魅力的だというファンが多い。現在、生まれ故郷のアラバマ州に夫とともに住んでいる。

解説

一度愛が燃えあがってしまえば、もう後戻りはできない――ロマンス界の女帝L・ハワード、待望の最新作が遂に日本登場!

首都ワシントン、6月。テロ対策特殊部隊GOチームの通信部で働くジーナは戸惑いを隠せなかった。世界各地で危険な任務を遂行する精鋭チームに突如、転属を命じられたのだ。戦闘経験は勿論、今までろくに体を鍛えたことすらないというのに……。翌日から始まった地獄のような訓練に必死で食らいつくジーナの前に現れたのはチームの屈強な男7人。なかでもひときわ長身で危険な雰囲気の男、リーダーのリーヴァイは冷たく言い放った。「おれたちは、きみにいてほしくない」その言葉が、くじけそうだったジーナの心に火をつけた――。

抄録

 リーヴァイは手のなかのほっそりとした足を見つめながら、どんな反応も顔に出すまいと意識を集中した。ただの足じゃないか、まったく――女の子らしい足、爪に塗られた鮮やかなピンクのペディキュア、爪のひとつひとつに煌く横線が施されているが、それでも足は足だ。それでも、確たる事実は残る。素っ裸の女を目にしても、ここまで興奮はしないだろう。ベイブの素足をつかんでいるだけなのに。だが、彼女の肌に触れている。どうせ触れるならべつの部分のほうがいいが、肌は肌だ。
 しかも、手当てをする必要がある肌だ。踵の水ぶくれはぱっくり口を開け、感染の危険があった。
「どうしてこんなに濡れたんだ?」彼は尋ね、キットから抗生剤入り軟膏を取りだした。
「排水溝。気がついたときには足がはまっていた」
 彼は小さくうなずいた。よくあることだ。足を濡らしたことは一度や二度ではなく、故意にそうすることも多い。ただし、前もって準備はしておかないと。足は乾いているにかぎる。チームのメンバーは、彼女をのぞき軍隊経験者だ。足を濡らさないことの重要性は叩きこまれているので、彼女もそうだろうとうっかり見過ごした。水ぶくれになったのはこっちのせいだ。
「いつも替えの靴下を用意しておくようにと、言っておくべきだった」ぶっきらぼうにならないように努める。彼女がそばにいるとつい世話を焼きたくなる。だから、ぶっきらぼうな態度をとって距離を置くようにしてきた。いまも、気がついたら彼女に触れていた。彼女がロープから落ちかけたときもそうだ。怪我をしないよう、気がつくと抱きかかえていた。距離を置くことが、日に日に難しくなっていく。高貴な生まれでもなんでもないので、イチモツが彼女のほうを向きたがる。猟犬がよく肥えたウズラを追っかけるようなものだ。イチモツによせと言い聞かせるのは容易なことじゃない。
 いま、彼がきつい言い方をしたり、すばやく動いたりすれば、彼女は火傷した猫みたいに跳びあがって逃げるだろう。だからやさしい言い方をしないとならない。距離を置くことより、いまは足の手当てをすることが大事だ。「おれのせいだ」彼は穏やかに言った。「こんなことになるとは思っていなかった。今後現場に出るときは、替えの靴下を二、三足用意しておくこと――それに救急キットも」つい辛らつな言い方になった。彼女の右足の破れた水ぶくれに軟膏を絞りだす。
「そんな日がくるのかしらね」彼女が不平がましく言う。
 リーヴァイは聞こえないふりで踵に絆創膏を貼り、つぎに指の水ぶくれの手当てにかかった。指二本ずつまとめて絆創膏を貼る。幸い親指には水ぶくれはできていなかった。
 左足のほうは、五本とも水ぶくれになっている。彼は頭を振りながら言った。「もしジャングルにいて、手当てをせずに放っておいたら、熱帯皮膚病にやられて大変なことになる」彼女の指に絆創膏を巻きながら、熱帯地方で足の手当てをなおざりにして往生した話をした。六日間を病室で過ごしたのだが、そのあいだ部下たちは彼抜きで任務を遂行することになり、彼はベッドで悶々としていた。話をするあいだ、脳みそのべつの部分では、彼女を大きな岩の上に押し倒して脚のあいだに忍び込んだらどんな気分だろう、と考えていた。すでに彼女の足に触れたのだから、あとはその足を横に置いて立ちあがればいいだけじゃないか。
 彼女の足と足首から、かすかな震えが両手に伝わってきた。顔をあげてみると、彼女は自分の右足をじっと見つめている。意志の力で治そうとするように。だが、頬はピンクに染まり、ほっそりした首の根元で血管が脈打つのが見えた。つい視線をさげると、小さな尖りがふたつ、Tシャツを押しあげている。まるで十代のガキみたいに唾が溜まってきた。あの尖りを口に含みたい。彼女のあそこを、おい、よせ、そこまで。彼女を両手で押さえて、体で組み伏したい。
 クソッ。
 歯を食いしばり、左足に絆創膏を貼りおえた。それから、気を紛らわすために体を動かし、彼女の横に座ってブーツを手に取り、中に手を突っ込んで出っ張りがないか探った。彼女の足がやわらかいのはわかるが、ブーツが水に浸かったとしても、水ぶくれができるのが早すぎる気がした。
 指に引っかかる縫い目も出っ張りもない。顔をしかめて彼女の靴下に目をやり、妙にでこぼこしていることに気づいた。靴下を裏返すとスポンジのかけらが岩の上に転がり落ちた。「なんだこれ?」
「スポンジ」彼女はかけらを取りあげてポケットにしまった。
「それぐらい見ればわかる。どうしてスポンジを靴下のなかに入れてるんだ?」
「ブーツがすっぽ抜けそうになって水ぶくれができるのを防ぐため」彼女がぶすっとする。「全部濡れちゃったから意味がなくなったけど」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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