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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・クラシックス

赤いばらは君に

赤いばらは君に


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・クラシックス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆4
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著者プロフィール

 ベティ・ニールズ(Betty Neels)
 英国西部の生まれ。オランダ人の夫と十二年間その故郷に住み、ベティは看護師、夫は病院事務と、ともに病院で働いた。のち英国に戻り、一九七〇年に作家活動に入る。一九八二年に日本語版デビュー。穏やかで静かなロマンス、その優しい作風が多くのファンを魅了した。二〇〇一年六月、惜しまれつつ永遠の眠りについた。彼女が生みだした作品は百三十以上にも及んでいる。

解説

 ロンドンの花屋で働くユーレィリアは、縁あって結びついた三人家族の生活を支える、大黒柱だ。ある日、とても趣味のいい大柄な男性が店に現れ、彼の婚約者に花束を届けるよう注文した。すてきな男性だが、態度はひどく不機嫌で高慢だ。花を贈るのは喧嘩の謝罪らしいが、うまくいくだろうか? 案の定、届けた花束を彼の婚約者は、ユーレィリアに叩き返した。同じことが何度かあり、ついに婚約者は高価な蘭を足で踏みにじった。その女性が腹立ちまぎれに、花屋のオーナーにあらぬことを告げ口し、とうとうユーレィリアは解雇されてしまった。しかたなく、わびしい雨のなか、必死で職探しをするユーレィリアを、そっと見ていたのは、花を注文した男性ヴァン・リンセンだった。

抄録

 おもしろがっているようなまなざしで、外科医がこちらを見ているのがわかった。ユーレィリアはまゆを寄せ、リビングルームへ向かった。ほかにどうすることもできなかったから。
 テーブルの上には、ティーポットと並んで、トロッティ手作りのマデイラ・ケーキがのっている。ユーレィリアはお茶をつぎ、ケーキを勧めた。
「君は、遅くまで働くんだね」外科医はそう批評して、ケーキをほおばった。
「お花を受け取りに来る人を、待っていたんです。ピーターの具合はどんなでしょう、ドクター・ヴァン・リンセン?」
「とてもいいよ。だが、学校に戻る前に、もう一度レントゲン検査を受けさせたい……」ユーレィリアのおびえた表情を見て、外科医は言い添えた。「そんなに怖がらないで。僕はただ、骨が正しく接合されているのを確認したいだけなんだから。えーっと、今日は火曜だね。今週いっぱい、ピーターを外に出さないように。明朝十時に彼を病院に連れてきたまえ」外科医はユーレィリアの困惑を察して言った。「いや、僕がばかだった、君はお店があるよね。ピーターの送り迎えを手配しよう。トロッティが付き添ってこられるかね?」
「ご親切に、ありがとう」彼に対して、この同じ言葉ばかり繰り返しているような気がする。「ピーターが回復してくれて、うれしいわ。あの子はとてもかわいい子なんです」
「ああ」
 ドクター・ヴァン・リンセンは紅茶のお代わりをし、ユーレィリアはケーキのお皿も回した。
「今日はお休みなんですか?」ユーレィリアは礼儀正しく尋ねた。
「あ、いや」外科医は自分の忙しい一日を思い返した。朝四時の緊急手術に始まって、仕事は今も終わっているわけではない。「このケーキ、うまいね」
 ユーレィリアはさらにケーキを勧めた。食事をする食欲を失う恐れがあるけれど、でも大柄な人だから。それに、午後のお茶を飲みそこなったのかもしれない。
 彼は昼食も食べそこなっていた。しかし、ユーレィリアにはそのことは言わなかった。
 やがて外科医はピーターにさよならを言い、明朝、レントゲン検査のために病院に来るように告げた。「そして来週の月曜から、君は登校できるよ」
「ああ、よかった。また会いに来てくれる?」
「そうだね、チェスの勝負が終わってないものね。時間を見つけるように努力してみるよ」
 ピーターは外科医を帰らせたくないようだった。「毎日、すごく忙しいの、先生?」
「そうとも、坊や。でも、時々、一日休むよ」
「僕、大きくなったら、外科医になろうかなあ」
「すばらしい考えだね!」二人は握手をした。そしてドクター・ヴァン・リンセンはトロッティとも握手を交わしたが、ユーレィリアが玄関へ案内すると、彼は身をかがめて彼女にはキスをした。それからドアを開け、石段を二段ずつ飛び上がって、そのまま立ち去った。一度も振り返ることなく。
 ばーん、とユーレィリアは力任せにドアを閉めた。「なんて失礼な人」ぷりぷりしてユーレィリアは言った。
「あなたはきれいな娘さんですからね、ミス・レィリア。男の方はきれいな娘を好むものですよ」
 みごとな白い歯で、ユーレィリアは歯がみした。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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