和書>小説・ノンフィクション>ライトノベル>SF
著者プロフィール
織田 兄第(おだ きょうだい)
広島在住の実の兄弟。二人揃って某ゲーム会社退社後フリーに。小説執筆、ゲーム企画やシナリオ、専門学校講師などを行っている。小説はこの本が通算25冊目。好きな平成ライダーは、兄・健司が「アギト・バーニングフォーム」、弟・彰が「斬鬼」。
広島在住の実の兄弟。二人揃って某ゲーム会社退社後フリーに。小説執筆、ゲーム企画やシナリオ、専門学校講師などを行っている。小説はこの本が通算25冊目。好きな平成ライダーは、兄・健司が「アギト・バーニングフォーム」、弟・彰が「斬鬼」。
解説
「いっくん、ウチのこと覚えてる!?」
大和一哉は、突然クラスにやってきた少女に抱きつかれて驚いた。彼女こそ、一哉の小学生時代の幼なじみ・相摩量子だったのだ! 思わぬ再会をきっかけに、体験入学だという彼女を案内する役目を、日向真純から多奈内由良とともに押しつけられた一哉。だが、行く先々で和恵理子をはじめとした学園内の実力者たちに勝負を挑み、しかもそれに勝利し続ける量子に、徐々に他の生徒たちの注目も集まり始めるのだった。一方、半日分の記憶がなぜか空白となっている由良は、それを境になんだか少し調子がおかしいようで……!? 待望のシリーズ第四弾登場!
大和一哉は、突然クラスにやってきた少女に抱きつかれて驚いた。彼女こそ、一哉の小学生時代の幼なじみ・相摩量子だったのだ! 思わぬ再会をきっかけに、体験入学だという彼女を案内する役目を、日向真純から多奈内由良とともに押しつけられた一哉。だが、行く先々で和恵理子をはじめとした学園内の実力者たちに勝負を挑み、しかもそれに勝利し続ける量子に、徐々に他の生徒たちの注目も集まり始めるのだった。一方、半日分の記憶がなぜか空白となっている由良は、それを境になんだか少し調子がおかしいようで……!? 待望のシリーズ第四弾登場!
目次
《序章 白の戦士》
《第一章 転校生は幼なじみ?》
《第二章 画策》
《第三章 三〇〇分間の空白》
《第四章 大和家の人々リターンズ》
《第五章 愛着》
《第六章 紅蓮×蒼光》
《終章 第一歩》
《第一章 転校生は幼なじみ?》
《第二章 画策》
《第三章 三〇〇分間の空白》
《第四章 大和家の人々リターンズ》
《第五章 愛着》
《第六章 紅蓮×蒼光》
《終章 第一歩》
抄録
(由良は……やっぱ来てない、か)
十季子との朝練を終え、授業開始ギリギリのタイミングで教室入りを果たした大和一哉は、その、いつもと似て非なる一年A組の光景に少しばかり落胆した。
本日、多奈内由良は体調不良のため学園には来ていない。
普段ならば一哉が教室に顔を出すなり、朗らかな笑みを浮かべて「おはよう」と言ってくれるというのに……。それが味わえないだけで、なぜだか随分と物足りないような気がした。
空いた由良の座席を眺めつつ、そんな物思いに耽っていると……。
――ガラガラガラ。
朝のHR開始のチャイムから遅れること、およそ一分。
いつものけだるげな調子で教室入りを果たした担任教諭・日向真純の後ろには、なぜだか見慣れぬ制服に身を包む、ひとりの女子生徒の姿があった。
学園指定のものよりも心持ち短めのスカートと、長めの頭髪を後ろで束ねたポニーテールとをふわりと翻し、少女は物怖じした様子もなく生徒たちの方に向き直る。
隣に立つ担任教師よりも頭半分ほど低いあたり、身長は一六〇弱といったところか。四肢はすらりと長く、夏服仕様と思われる薄手のブラウス越しにわかる程よい胸の膨らみも実に魅力的なものであった――が、
(……ん?)
その少女を前に、一哉は微かな既視感に捉われる。
目鼻立ちの整った見るからに快活そうな美少女に、教室全体がざっと色めき立つ中、日向真純は誰もが予想した通りの言葉を面倒くさそうに口にする。
「あ〜……突然だが、転校生だ」
手ごろなチョークを「ホレ」と差し出すと、女子生徒はそれを受け取り、迷いのない筆致で前方の黒板に自分の名前を書き記していく。
そういえば、と一哉はやはり自分の時も同様だった初日の挨拶を思い出す。普通は緊張した生徒を気遣い教師が行うのだろうが……このいい加減さが、さすがは日向真純というべきか。
ほどなくして女子生徒は名前を書き終え、
「相摩量子と申します。皆さん、よろしくお願いします」
はっきりとよく通る、耳心地の良い声で簡潔な自己紹介を行った。
ふたたび真っ直ぐ向けられたその利発そうな顔に、どくんと全身が脈打つ。
(え……? ソウマ、リョウコ……?)
その、どこか面影のある顔と、聞き覚えのある名前にハッとする。
そういえば以前住んでいた家の近所に、そんな名前の女の子が居たような気がしたが……。
(いや、まさか……気のせいだろ)
(だって、あの子は普通の人間だったし……、この学園に入ってくるはずなんて――)
ぼんやりとそんな自己完結的な思い出に浸っていると、不意にその女子生徒の視線が一哉とまともに結びついた。
するとその直後、
「いっくん♪」
教室の中ほどに座る一哉目がけて一直線に駆け寄ると、およそ三〇名のクラスメイトの見守る中、転校生は恥らうこともなく抱きついてきた。
「えっ、うぉわッ?」
周囲のあちこちから響く驚きの声にもまったく動じることなく、彼女は一哉の髪や、耳や、鼻や、頬などをぺたぺた触りまくり、
「あははー。やっぱりいっくんだ!」
納得の声と共に、もう一度むぎゅっと一哉の頭をその胸元に抱え込んだ。
「うわっ! わぶっ――え? はぁっ?」
*この続きは製品版でお楽しみください。
十季子との朝練を終え、授業開始ギリギリのタイミングで教室入りを果たした大和一哉は、その、いつもと似て非なる一年A組の光景に少しばかり落胆した。
本日、多奈内由良は体調不良のため学園には来ていない。
普段ならば一哉が教室に顔を出すなり、朗らかな笑みを浮かべて「おはよう」と言ってくれるというのに……。それが味わえないだけで、なぜだか随分と物足りないような気がした。
空いた由良の座席を眺めつつ、そんな物思いに耽っていると……。
――ガラガラガラ。
朝のHR開始のチャイムから遅れること、およそ一分。
いつものけだるげな調子で教室入りを果たした担任教諭・日向真純の後ろには、なぜだか見慣れぬ制服に身を包む、ひとりの女子生徒の姿があった。
学園指定のものよりも心持ち短めのスカートと、長めの頭髪を後ろで束ねたポニーテールとをふわりと翻し、少女は物怖じした様子もなく生徒たちの方に向き直る。
隣に立つ担任教師よりも頭半分ほど低いあたり、身長は一六〇弱といったところか。四肢はすらりと長く、夏服仕様と思われる薄手のブラウス越しにわかる程よい胸の膨らみも実に魅力的なものであった――が、
(……ん?)
その少女を前に、一哉は微かな既視感に捉われる。
目鼻立ちの整った見るからに快活そうな美少女に、教室全体がざっと色めき立つ中、日向真純は誰もが予想した通りの言葉を面倒くさそうに口にする。
「あ〜……突然だが、転校生だ」
手ごろなチョークを「ホレ」と差し出すと、女子生徒はそれを受け取り、迷いのない筆致で前方の黒板に自分の名前を書き記していく。
そういえば、と一哉はやはり自分の時も同様だった初日の挨拶を思い出す。普通は緊張した生徒を気遣い教師が行うのだろうが……このいい加減さが、さすがは日向真純というべきか。
ほどなくして女子生徒は名前を書き終え、
「相摩量子と申します。皆さん、よろしくお願いします」
はっきりとよく通る、耳心地の良い声で簡潔な自己紹介を行った。
ふたたび真っ直ぐ向けられたその利発そうな顔に、どくんと全身が脈打つ。
(え……? ソウマ、リョウコ……?)
その、どこか面影のある顔と、聞き覚えのある名前にハッとする。
そういえば以前住んでいた家の近所に、そんな名前の女の子が居たような気がしたが……。
(いや、まさか……気のせいだろ)
(だって、あの子は普通の人間だったし……、この学園に入ってくるはずなんて――)
ぼんやりとそんな自己完結的な思い出に浸っていると、不意にその女子生徒の視線が一哉とまともに結びついた。
するとその直後、
「いっくん♪」
教室の中ほどに座る一哉目がけて一直線に駆け寄ると、およそ三〇名のクラスメイトの見守る中、転校生は恥らうこともなく抱きついてきた。
「えっ、うぉわッ?」
周囲のあちこちから響く驚きの声にもまったく動じることなく、彼女は一哉の髪や、耳や、鼻や、頬などをぺたぺた触りまくり、
「あははー。やっぱりいっくんだ!」
納得の声と共に、もう一度むぎゅっと一哉の頭をその胸元に抱え込んだ。
「うわっ! わぶっ――え? はぁっ?」
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