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サーベイランスマニュアル

サーベイランスマニュアル

著: 関涼子
発行: ソフトバンク クリエイティブ
レーベル: GA文庫 シリーズ: サーベイランスマニュアル
価格:473円(税込)
10ポイント還元
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対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール

 関 涼子(せき りょうこ)
 「ぼくとわたしの恋愛事情」「オーヴァード・クロック」「ななつ夜幻世録」等、携帯恋愛ゲームシナリオのライティング、漫画原作を中心にお仕事中。いまとっても欲しいのはWiiFit。ヨガにハマっているので、おうちヨガもやって体力をつけたいです。

解説

 街中で暴走する虎に出くわしてしまった亮輔の前に現れたのは、警官でも自衛隊でもなく、黒ずくめで横柄な大男・巴と、真っ白な服に身を包んだ小柄な少女・寧であった。暴れる虎を捕獲した彼らに行きがかり上つき合うこととなった亮輔は、連れて行かれた研究機関で驚くべき事実を知ることとなる――。それは「レックス」と呼ばれる、脅威の新型ウイルスの存在であった。そして感染経路も、治癒方法も不確かなこのウイルスは、知らぬ間に亮輔の身近へも迫っていたのである!未知のウイルスと対峙することとなった亮輔の選んだ道とは――!? 衝撃のバイオハザードストーリー登場!!

目次


一章
二章
三章
四章
終章

抄録

 本当に、どうしてこんなことになってしまったのだろう。
 仮にも世の中は三が日、日本全国津々浦々、どいつもこいつもおとそ気分でいっぱいの頃合いだ。天気も上々だから、きっと八幡宮もお賽銭を放る参拝客でごった返して、神主だって今ごろは浮かれて踊っているに違いない。
 なのに──自分だけがこんな目に遭うなんて、とんでもない理不尽だ。
「だからっ、何で俺がそんなことしなきゃなんないんだよ!」
 山咲亮輔は目の前に立つ、名前も知らない大男へ向かって怒鳴りつけた。
 相手は無精髭が伸び放題、髪もボサボサで全身黒ずくめの胡散臭い風体の上、あおのかなければ視線も合わせられない巨躯の持ち主だ。少しも臆することなく立ち向かえたのは、亮輔が本当に心底頭に来ていて、我を忘れていたからだった。
「救急車呼べばいいだろ? その辺に警察だって……何で俺が!」
「うるせえ」
 不機嫌そうにひと言そう呟いて、男は大型ワゴンの座席の中程へ滑り込み、さっさと扉を閉めてしまった。
「信じらんない……こんな状況で寝るかよフツー」
 怒りも露わに呟き、亮輔はスライド式の扉を容赦なく開け放った。男はこちらへ背を向け、横になってすっかり寛いでいる。
「ちょっと……アンタ! 堂々と寝るなよっ、オイ!」
「しつけえ。俺は運転できねえっつってんだよガキ。道路交通法違反で捕まったらどうしてくれる」
「知るか! 警察呼んでくるっ。さっきその辺にいっぱいいたし、俺、関係ないし!」
 吐き捨てて踵を返そうとすると、男が急にむくりと起き上がり、半開きの目で亮輔を睨みつけた。
「な、なんだよ。暴力と脅しには屈しないからなっ」
「無駄なことすんな。警察は来ねーぞ」
「……は?」
「そういうことになってんだよ、世の中」
 にっと男が意地悪く片笑んだ。片膝を立て、頬杖をついた格好で、わざとらしく軽く肩をすくめて見せる。
「おかしいと思わねーか? こんだけの騒ぎがあったってのに、さっきから誰ひとり寄りつきゃしねえ」
「それは……」
「いいか、耳かっぽじってよく聞け、この豆腐頭。警察も救急も来やしねえんだ。でもって、車にゃ怪我人がいる。さらに、オマエは運転免許を持っている。俺は持ってない。どっちが運転すりゃいいか、今どき小学生だって間違わねえだろ」
「だからっ、そういう問題じゃない! 何で俺が見ず知らずの失礼なオッサンの代わりに車の運転なんてしなきゃならないんだっ」
「ほー。見ず知らずの失礼なガキの命を助けてやったのは誰だ? 俺だな?」
「そりゃ……そうだけどっ、でも」
「俺のお陰でオマエは今も五体満足にピンシャンしてて、俺は朝っぱらからの重労働でものすごーく疲れてる。感謝感激雨あられ、号泣して運転手くらい自分から買って出るのが筋ってもんだ。だいたいだな、誰がオッサンだ誰が」
「イテテテッ!」
 両方のこめかみに外側から拳で、グリグリと力をこめられた。
「優しいおにーさんと呼べ、おにーさんと」
「冗談じゃねえっ! この暴力オヤジ?」
「だ、れ、が、オヤジだ」
 半ば本気で眉を顰める男へ、亮輔はぎりっと一瞥くれると、その手を強引に振りほどいた。
「それに俺は……全然関係ない! ただそこを歩いてただけなのに、何でこんな……」
 噛みつくように怒鳴ると、男は急に興味をなくしたふうで再びごろりと横になってしまった。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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