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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・アフロディーテ

はじまりは嘘でも

はじまりは嘘でも


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・アフロディーテ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 カーリー・フィリップス(Carly Phillips)
 弁護士として開業していた経歴を持つが、長女の誕生を機にロマンス小説を書き始める。その後、6年間に及ぶ努力のすえ、1999年に北米でハーレクイン・テンプテーションよりデビューを果たした。趣味は読書。夫と二人の娘、元気いっぱいのテリアとともにニューヨーク州パーチェスに住む。

解説

 カイラは、急死したおばの事業を引き継ぐことになった。男性ビジネスマン向けのチャームスクールとは、いかにも時代遅れで、おばらしい。今どきデートのマナーや、女性の扱い方を学びたがる男なんているのかしら? カイラの努力もあって徐々に事業が軌道に乗ってきたころ、一人の男が訪ねてきた。レッスン希望だというその男性をひと目見るなり、カイラは興奮と戦慄で動けなくなった。ダブルのスーツに、完璧に整えられた髪。物腰も洗練されている。この人にレッスンなど必要ないわ。彼女がそう確信したとき彼が言った。「デートのレッスンを頼む。もちろん、きみに」
 ★人気作家C・フィリップスが描く熱く激しいロマンスを、今月から三カ月連続でお届けします。★

抄録

「それじゃレッスンを申しこむよ。きみがデート用エチケットのレッスンを専門にやっていないことはわかっている。ただ、これは緊急の用件なんだ。明日の夜ボスと食事をすることになっているんだが、彼は娘さんを連れてくるつもりでね。ぼくとしてはかかわりたくない。だが印象よく過ごして、最後には礼儀正しく、品よく退出したい。だから今夜一緒にディナーをとって、魅力的かつ礼儀正しく振る舞うポイントを教えてもらいたいんだ」彼がにっこりほほ笑むと、左の頬にえくぼが浮かんだ。
「あなたはもう充分、どちらも備えていると思うけれど」カイラは皮肉っぽく答えた。
「それに、ユーモアもね。ぼくはきみに、イエスと言うための言いわけをあげているんだよ。きみだって、自分がそう言いたいのはわかっているはずだ」ケインの声が一オクターブ低くなった。ハスキーで誘惑的な声は、カイラの血管に流れこむようだった。
「ずいぶん自信満々なのね。何人かインストラクターに電話してみようかと思うけど、どうかしら? 誰か、その、あなたの必要に応じられるかどうか」カイラは内心でうめき声をあげた。何年もかかってようやく自分の不安感を覆い隠すすべを覚えたのに、ケイン・マクダーモットを前にすると、ぎごちなかった少女のころに戻ってしまう。
「ぼくはきみがいい」真剣なまなざしは、信じてくれと訴えかけている。
 彼は本気でわたしに関心を持っているの? カイラは首を振った。
「がっかりだ」失望のにじんだ声とともに、彼のまなざしからも力がうせた。「練習もなしに、知らない相手と、ひと晩過ごさなければならないとはね」
 カイラはくるりと目をまわした。「わたしだって、まるで知らない相手でしょう」
「変だな。全然そんな気がしない」再び彼のまなざしがカイラの視線と絡み合った。そのまなざしの意味は間違えようもない。二人の間には、何かがある。二人は互いにそれを感じ、そして今、彼が彼女の気を変えたことも、お互いに感じていた。
 カイラはデスクの後ろにある回転椅子に体を沈めた。木製のデスク越しにケインが身を乗り出し、キスできるほどの近さに顔を寄せた。スペアミントの香りが、彼の吐く息から漂ってくる。「お客を失望させるのかい、ミス・ラック?」
「カイラよ」乾いた唇を湿らせて彼女は答えた。
 ケインは片方の眉を上げ、体をまっすぐに起こした。「ぼくは一歩前進したのかな、カイラ」
 ええ、間違いなく。「そうね。だって気持ちよくご一緒できないもの。ひと晩中、ミス・ラックと呼ばれていたのでは」
 白い歯がこぼれて、ケインはぱっと笑顔になった。「カジュアルな店を一軒聞いてあるんだ。名前は忘れたけど」スーツのボタンをかけて彼は言った。「よそから来たから、この街には詳しくない。でもこれからはたびたび来たいな。ボスもここに住んでいるしね」彼の目はカイラを見つめたままだ。
「カジュアルなディナーなの?」
「そうだ。きみはワインのオーダー、メニューの選択、ボスとのディナーに関して知っておくべきことすべて、ぼくに教えてくれる。ぼくはきみと一緒に過ごせる。野球は好きかい?」不意をつかれた気分でカイラはうなずいた。「レッドソックスのチケットがあるんだ。食事のあとで行こう」
「野球のやり方を勉強する必要はないでしょう?」
「ないさ。だが野球が終わるころには、ぼくたちレッスンの段階を過ぎているんじゃないかと思ってね。いい考えだろう?」
 カイラは咳払いして答えた。「ええ、たしかにいい考えね」怖くなるほど、いい考えだ。
「それじゃ決まりだ」
 カイラはうなずいた。
「失望はさせないよ」いかにも意味ありげな言葉に、これは単なるビジネスではないとカイラははっきり感じた。このとびきりセクシーな男性に、単にお金で雇われたわけではないと。
 ケインが手を伸ばして彼女の手を取った。ぴりぴりするような感触に、カイラははっとした。心のいちばん奥底で考えていたことが、証明されてしまったかのようで怖くなる。いきなり相手が手を引っこめた。彼も同じような反応を感じたのだろうか?
 ケインはポケットに手を入れて、すばやく茶色の革財布を取り出した。まるで突然逃げ出したくなったかのようだ。「アメリカン・エクスプレスか、ビザか、どっちがいい?」
「どちらでも。でも……」わたしは何を言おうとしているの? 彼と今夜過ごすためにお金を受け取ることが、間違っているような気がするって?
 カイラはケインをちらりと見た。最初のごまかしにもかかわらず、彼にすっかり魅了されている。この前、すてきな男性とデートしたのは、いつのことだったかしら? わたしが誰かの虜になったのはいつのこと? ケインなら、間違いなくわたしをうっとりさせてくれる。カイラは下唇をかんで彼と目を合わせた。ケインの目はさっきよりも濃いブルーにかげり、その表情は読めない。
 ケインが財布を開いた。「そのほうがよければ、キャッシュでもいい」
「いいえ」デートするのにお金は受け取れない。どう言いつくろっても、これはデートなのだから。飾り気のない笑顔を浮かべてカイラは言った。「今夜会って、それからにしない? それじゃ今夜」
「了解」ケインは札入れをたたんだ。「ぼくはサミット・ホテルにいる。それじゃ、あとで連絡するよ、ミス……カイラ」にっこり笑ってケインは出ていき、あとに残ったカイラは一人自分に問いかけた。
 わたしは本当に……ラッキーなの?

*この続きは製品版でお楽しみください。

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