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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

小さなラブレター

小さなラブレター


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 レベッカ・ウインターズ(Rebecca Winters)
 アメリカの作家。十七歳のときフランス語を学ぶためスイスの寄宿学校に入り、さまざまな国籍の少女たちと出会った。これが世界を知るきっかけとなる。帰国後大学で、多数の外国語や歴史を学び、フランス語と歴史の教師になった。ユタ州ソルトレイクシティに住み、四人の子供を育てながら執筆活動を開始。これまでに数々の賞を受けたベテラン作家である。

解説

小さな手紙に落とした涙は、大きな愛の呼び水となり……。

〈ママが死んでしまってそばにいないから手術はこわいけど、手術でぼくの頭痛をなくして、パパをまた幸せにしたいです〉病を持つ少年の手紙を読んで、慈善財団で働くギャビは胸がつまった。少しでも心の支えになりたい一心で少年を訪ねると、そこは、世界的な富豪一族の当主ルカ・ベレッティーニの家だった。父親であるルカは不在で、ギャビは幼い息子とその祖母に迎えられ、少年がしばしでも病を忘れられるよう楽しい時を過ごした。ただ、この子の手紙のことはルカには秘密と祖母に釘を刺される――いつも不幸せそうだと息子に思われていることを知れば傷つくから、と。だが翌日、少年と同じ黒髪碧眼の大富豪が、突然ギャビの職場に現れた!

■実は流産経験を持つヒロインは、母を亡くした少年の気持ちが痛いほどわかり、知らず知らずのうちに魅力的な父子の人生に深入りしていきますが……。思わず涙こぼれる感動作を、HQイマージュを代表する大御所作家レベッカ・ウインターズが書き上げました。

抄録

「ギャビ?」ステファニアがエッダのオフィスから戻ってきた。「シニョール・ベレッティーニが階下のロビーであなたを待っているそうよ」
 ギャビは驚いて椅子から落ちそうになった。ルカがここへ? 夢を見てるわけじゃないわよね。喉から小さなあえぎがもれた。「どんな用かしら?」
「見当もつかないわ」
「すぐ行くわ。ありがとう」
 ギャビはバッグを手に階下へ急いだ。ルカが気づいて近づいてくると、恥ずかしいくらい息苦しくなった。彼を見ただけでこんなにどきどきするなんて。
「シニョール・ベレッティーニ」ギャビは喉もとに手を当てた。「ディーノに何かあったの?」
「きみを恋しがって、会いたがっている」
「本当に?」ギャビは思わず声をあげた。「わたしも会いたい。彼はすてきな子だもの!」父親も。
「あの子もきみを同じように思っている。よかったら、カプチーノでも飲みに行って、今後のことを相談しないか。エッダにはもう話してあるから」
 ギャビがうなずくと、ルカは彼女を自分の車へ導いた。紺色のズボンにクルーネックのセーター。引き締まった体の彼は何を着てもすてきだった。
 ギャビは今起きていることがまるで信じられなかった。アドレナリンが体の内を駆けめぐっている。「これからどこへ行くの?」
「アーバノ・グランドホテルのジェームズ・ボンド・バーへ行ってみようかと思っている」
「聞いたことはあるけど、行ったことはないわ」
 ギャビは宙を漂っているような気分だった。先週の後半は、どうかしたのかと自分でも思うほど、父子と過ごした一日のことばかり思い返していた。
 もう一度あんなふうに過ごしたかった。でも、無理だろうとあきらめていた。ディーノの祖母に電話して、彼の様子を聞こうかとも思ったが、その勇気がなかった。でも、ルカが財団を訪ねてくれたおかげで、ディーノにまた会えることになった。そのうえ、今日はルカとすてきな時間を過ごせる。
 ギャビは胸を高鳴らせながら、ルカのエスコートでバーに入った。有名な007にちなんだバーはカクテルの品ぞろえで知られている。だが、ボーイがテーブルにやってくると、ルカはカプチーノとクロワッサンを注文した。「きみにはマティーニを、ステアでなくシェイクで頼んだほうがよかったかな」
 ギャビは穏やかに笑った。「こんなに早くからけっこうよ。というか、めったに飲まないのよ」
「ぼくも同じだ」
「スキー競技でメダルを取っていた頃も?」
「あの頃はとりわけそうだった。冷静さを保たなくてはいけないからね」
 ギャビは人目を引く彼の顔立ちをじっと見つめた。「あなたは立派だと思うわ」
 ルカはギャビにウインクをした。「禁酒したからか、それとも、スキー競技で勝ったから?」
「どっちもよ」
「今朝きみが誘いを受けてくれなかったら、ぼくは途方に暮れていたと言ったら驚くかな?」
 突然、会話の雰囲気が一転した。ギャビはクロワッサンをひと口食べた。「なぜ途方に暮れるの?」
「ディーノはこの前一緒に出かけてから変わってしまった。ぼくの責任だと思う。ぼくが言い聞かせたんだ。きみと別れるときだだをこねないようにと」
「だから、帰りの車内であんなに無口だったのね」
「ディーノは今、話しかけられたときしか話さない。それに、また頭痛が出ている」
「まさか、そんな!」
「それはいい。どうあっても頭痛は出ていただろうから。ただ、ディーノの落ち込み方がひどくて、きみに頼みに来るしかなかった。きみに断られたら、ぼくにはもうどうしようもないと思っていた」
 正直な言葉に父親の苦しみが表れていた。ギャビの心は震えた。それほどまで彼女を恋しがっているディーノがいじらしくてたまらなかった。それだけではない。電話ですむところを、ルカがわざわざ訪ねてきたことで、ギャビは直感した。ルカが誘いに来たのはディーノのためだけではないんだわ。
「考えたんだけど、明日わたしが仕事を早退してマニアーゴへ行くのはどうかしら。交通量によるけど、六時頃にはそちらに着けると思うわ」
 ギャビはルカが大きく息をのむのがわかった。「きみが来るのを家で待っている。それから、食事に出かけよう。それでどうかな?」
「楽しみだわ」
「何か食べたいものはあるかい?」
「いいえ。サプライズが好きなの。今日みたいな」
「ぼくも好きだよ。ぼくにはきみそのものがサプライズだ。|ありがとう《グラツツイエ》、シニョーラ」ルカは思いを吐き出すように言った。彼はほっとしたのだろう。ギャビはあの日からずっと、彼と一緒に過ごすのを夢見て、一日中彼のことを考えていた。彼にもう一度会うために星に願いまでかけた。
「わたしの名前はギャビよ」
 ルカの低い笑い声が響き、ギャビの体にほてりの渦が広がった。「知ってる! きみが先週うちに来たとき、ディーノが何度も呼んでいたから」
「あんなかわいい子がいてうらやましいわ」
「かわいいときばかりではないけどね」
 どんなにつらい思いをしようと、ギャビはルカがうらやましかった。「また明日会いましょう。エッダに頼んでくれてありがとう。彼女はディーノにとても同情しているのよ。ディーノに会うのが待ち遠しいわ。そろそろ仕事に戻るわね、シニョール」
「ルカと呼んでくれないか」
「わかったわ、ルカ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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