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シンデレラの恋は儚く

シンデレラの恋は儚く


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 スーザン・スティーヴンス(Susan Stephens)
 プロのオペラ歌手として活躍していた経歴を持つ。夫とは、出会って五日後には婚約をし、三カ月後には結婚したという。現在はチェシャー州で、三人の子供とたくさんの動物たちに囲まれて暮らしている。昔からロマンス小説を読むのが大好きだった彼女は、自分の人生を“果てしない、ロマンティックな冒険”と称している。

解説

おなかの子は大公の後継ぎ。でも、私はシンデレラにはなれない。

放蕩者の父が亡くなり、清掃人として働きづめだったキャリーは憧れのイタリアへ旅に出ることにした。アマルフィのホテルで出会ったゴージャスな男性、ルカに誘惑されるが、彼女は急に怖くなって拒んでしまう。やっぱり私には火遊びよりも額に汗して働くほうがお似合いね。ファブリツィオ公国のレモン農園で働き始めた彼女は偶然にもルカと再会し、ついに結ばれる──その正体も知らずに。彼が公国の大公だと聞かされたとき、キャリーは妊娠していた。身分違いの小娘が弄ばれただけ……この子は独りで育てるわ。

■セクシーで情熱的な作風が人気のS・スティーヴンスが、シンデレラ・ロマンスを描きます。思いがけず大公の後継ぎを身ごもったヒロイン。身分が違いすぎる彼を、どうしても信じきれなくて……。

抄録

「まだ名前を教えてもらっていない」
 ベルベットのように柔らかで低い声が響き、キャリーは振り向いた。その誘惑的なイタリアなまりに頭がくらくらし、背筋に震えが走る。筋肉が浮く彼の腿から魅惑的な黒い瞳まで細かく値踏みしたとき、彼女は地球を半周した気分になった。彼の瞳は魅惑的で面白い、と遅まきながら気づく。そして、ベルトの下あたりをうっとりと眺めたところを彼に目撃され、頬を染めた。「カリスタよ」ルカの目をまっすぐ見ながら言う。
 彼の唇が閉じられたとき、目と同じく、唇も表情に富んで美しい、とキャリーは思った。
「カリスタ――ギリシア語で“最高の美”」彼は指摘した。「それですべての説明がついたよ」
「本当に?」キャリーは間の抜けた作り笑いを浮かべるのがやっとだった。それから厳しい口調で続ける。「生まれながらに銀のスプーンをくわえて生まれてきた人の話は聞いたことがあるけれど、あなたがくわえていたスプーンには砂糖がまぶしてあったのね」
 ルカは声をあげて笑ったが、それから傷ついたような表情を浮かべ、キャリーの心をかき乱した。「まいったな、へこむよ」彼はたくましい胸に両手を当てて言った。
「まあ、そんなはずないわ」彼にユーモアのセンスがあるとわかり、キャリーは前より彼が好きになっていた。「あなたほどよくできた人に会ったことはないわ」
 ルカはにっこりした。「では、女狩猟家のカリスタは、ホテルのバーで何をしているのかな?」
「あなたが思っているようなことはしていない」彼女はきっぱりと言った。
「僕がどう思っていると?」
「あなたこそ、ここで何をしているの?」
 ルカが声をあげて笑うと、浅黒い肌に白い歯がきらめいた。「バーテンダーに会いに来た。君の目的は?」
「休暇よ」キャリーは彼を見つめた。「あなたは何をして生計を立てているの?」
 率直な質問に彼は驚いたようだ。だが、すぐに気を取り直した。「あれやこれやだ」
「あれやこれやって、何?」
「販売代理人のような仕事だ」
「何を売っているの?」
「国の利益を拡大する仕事だ。文化や産業や人々を通して」
「じゃあ、観光関連なのね!」キャリーは叫んだ。「すてき。どこの国の観光を担当しているの?」
「ここにはいつまで滞在するんだ? 長期にわたって?」
 ルカはキャリーの質問を無視し、話題を変えた。彼女は疑念のこもった目でルカを見たが、すぐさま、彼をこれ以上困惑させるようなまねはしないと心を決めて、質問に答えた。
「いいえ、それほど長くは」
 この男性との会話を楽しんでいたキャリーは、もうしばらく続けることにした。ルカは刺激的だった。キャリーの全神経が彼の黒い瞳に浮かぶいたずらっぽい表情にうっとりしているのだから、偽る必要はない。男性と戯れた経験は皆無だが、それがまんざら嫌いではないことがわかり、我ながら意外だった。ルカは、見つめるだけで私の心を熱く燃え上がらせることができる……。
「ダンスをしたことは?」彼は好奇心に満ちた目でキャリーを見た。
「それはお誘い?」
「誘いであってほしい?」
「残念ながら、無理よ」キャリーはゆがんだ笑みを浮かべた。「この靴は最悪なの」彼女は足をまわしながら、憂鬱そうに繊細なデザイナーブランドの靴を見た。恐ろしくヒールが高い。「これを履いて踊れる人がいる?」
「そんなものは脱いで踊ればいい」
 彼が言ったとき、外のテラスで、バンドが夜の部の演奏を始めた。満天の星の下でダンスをするのは、どれほどロマンティックなことか。キャリーは胸を高鳴らせた。けれど、隣の席の男性を一瞥するなり、見なければよかったと後悔した。彼のいたずらっぽい黒い瞳に見返され、なぜかゆっくりと服を脱がされているような気分になって、彼女は身震いした。そもそも、バーで男性を拾うべきではない。バッグを手にスツールを下りて立ち去るべきだ。
 彼とのセックスは、さぞかし楽しいに違いない。きっとすばらしいはず……。
 いったいどうしたの? これは、小説や雑誌で読む、揺らめく情熱などというものではない。大人の喜びを保証する熱く野性的な欲望だ。
「君は本当に愉快な人だな、シニョリーナ」
「本当に?」そう言われるようなことをした覚えはまったくない。彼こそ愉快な人だ。官能的な雰囲気が体じゅうから沸き立っている。もしルカとイタリアの冒険を始めれば、行き着く先はただ一つ。なんてすてきなの!
「シニョリーナ?」
「はい?」キャリーはまばたきをして、彼と目を合わせた。ルカは当惑するほど駆け引き上手な目をしている。どれほど抗しがたい魅力を感じようと、自分のなかに新たに見いだした情熱をむき出しにするのはやめなければ。
 でも、そうしたら、この空前絶後の冒険は始まる前に終わってしまうわよ。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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