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シチリアの花嫁【ハーレクイン文庫版】

シチリアの花嫁【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 サラ・モーガン(Sarah Morgan)
 イギリスのウィルトシャー州生まれ。看護師としての訓練を受けたのち、医療関連のさまざまな仕事に携わり、その経験をもとにしてロマンス小説を書き始めた。すてきなビジネスマンと結婚し、小さな男の子が二人いる。子育てに追われながらも暇を見つけては執筆活動にいそしんでいる。アウトドアライフを愛し、とりわけスキーと散歩が大のお気に入り。

解説

前世代的な父親に厳しく躾けられた、修道院育ちのチェシー。億万長者ロッコに求婚され、夢見心地だったが、すぐに自分が内気で、言いなりになるから選ばれただけと気づく。端整な美貌と巧みな話術で、ロッコは常に人の輪の中心にいた。煌びやかな女性たちに囲まれる、自分とは不釣り合いな華麗な夫。心と、愛が悲鳴をあげて……チェシーは行方をくらませたのだ。
だが、半年後、チェシーはロッコの車のなかにいた。見つけだした夫に連れ戻されながら、彼女は怯えていた。ただ跡継ぎを身ごもるためだけに過ごす、これからの日々に。

*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 ロッコはなかば閉じた目でチェシーを見つめている。「君はヒステリックになっている」
「いいえ、ロッコ。私はヒステリックになんてなっていないわ。これほど冷静に考えられるのは、すごく久しぶりなの」これからは発言にも気をつかう必要はない。「あのブロンドの女性と一緒にいたかったなら、なぜ彼女と結婚しなかったの?」
「ローナはアメリカ人だから、ふさわしい妻にはなれない。彼女は仕事を持ち、自立している」
「それでは答えにならないわ。彼女は頭がいいからあなたとは結婚しなかったの? だから代わりに、無知なシチリア娘を選んだの? とにかく、私の母はイギリス人だということを思い出すべきだったわね。おかげで、私のシチリア人の血は薄まっているもの。あなたは選択を誤ったのよ、ロッコ」
「僕は間違っていない。大きな過ちを犯したのは、逃げ出した君だ。だがこうして戻ってきたんだから、つぐなえばいい。もはやバージンでないという事実も大目に見よう。君がちゃんとしたふるまいをすれば、僕も許せるかもしれない」
 許すですって? チェシーは抑えきれないいらだちを感じた。彼はなに一つ間違っていないと思っている。ロッコ・カステラーニはこれまで女を邪険に扱いすぎて、ほかの接し方があることに気づいてさえいないのだ。まさに父そっくり。妻を家に残して、夫はほかの女と遊びに出かける、というわけだ。
「すすんでなぐさめてくれる女性がたくさんいるのはわかっているわ」ロッコが結婚を軽んじているのを、どうして気にするの? すんでしまったことなのよ。二人の結婚は終わった。彼に対しては軽蔑以外、なにも感じない。
 ロッコのまなざしは冷ややかだった。「君は結婚に同意した。望んだことじゃないか」
「それはあなたについて真実を知る前の話だわ」
「真実ってなんだ?」
 息をのみ、チェシーはしばらくためらった。恥ずかしくて、未熟な自分を認められそうになかった。けれども正直にならなければいけないときがあるとすれば、それは今なのだ。「父とあなたは私をはめたのよ。二人で私のことを商品みたいに扱ったんだわ」喉に手をあてて、呼吸を整えた。「あなたたちは取り引きをして、欲しいものを手に入れた。私は単なる交渉の駒だったのよ」
「そんなふうに取り決められる結婚は多い。それに、僕たちは見ず知らずの他人ではなかった。君は二人で過ごした時間を都合よく忘れてしまったようだが。お互いを知るために多くの時間を費やしたのに」そのわずかに強調した言い方に、チェシーはロッコがなにを言いたいのかはっきり理解した。
 好奇心に負けてつつましさと常識を忘れたときのことだ。あのとき、私はロッコにキスを求めた。
 エロチックに押しあてられた唇。震える腿をもの憂げに愛撫する力強い手。チェシーの体は突然目覚め、衝撃的な興奮を覚えた。その場でロッコが服をはぎ取り、自分の好奇心を最後まで満たしてくれればいいのにと願ったくらいだった。
 けれども、彼はそうしなかった。今ならその理由もわかる。ロッコは私に魅力を感じなかったのだ。それでも、あのキスは忘れられない。今もなお思い出すだけで体は熱く燃え、胸の先端が硬くなる。チェシーは無意識にロッコの唇に視線を落とし、体の奥で危険ななにかが目覚めるのを感じた。
 痛いほど激しい反応に怖くなり、顔を上げてロッコと視線を合わせたが、すぐさま目をそらした。冷笑するようなまなざしを見て、彼が男性として自分の反応に気づいたのがわかったからだ。
「あなたを知ることなんてなかったわ」チェシーは体をしっかりとおおう黒いコートをありがたく思った。「あなたは自分のことをいっさい明かさなかったわね、ロッコ。あれでは仕事の面接と同じよ」
「仕事の面接?」ロッコの口調にはかすかなユーモアがうかがえた。「どういう仕事なのかな?」
「あなたの妻よ。給料は上限なしで、法外なボーナスと手当つき。条件はずっとうちにいて、言われたことに素直に従い、絶対に口答えをしないおとなしくて従順なバージンであること」おのずとチェシーの視線がふたたびロッコの唇に――たった一度だけキスをした唇に落ちる。結婚式の日、あの唇が愛人にキスをしていたのだ。「夫の山ほどの情事にも寛大で、理解がなくてはだめね。とにかく、あなたは間違った相手を採用した。私は今の立場を辞退するわ。次に結婚するときは、面接にもっと時間をかけるべきね」
「目の前に完璧な妻がいるというのに、どうしてまた結婚したいと思わないといけないんだ?」なめらかに言われ、チェシーの体を衝撃が駆け抜けた。
 彼は冗談を言っているのよ。そうに違いないわ。まさかロッコのようにプライドの高い傲慢な男性が、結婚式の日に逃げ出した妻を取り戻したいと思うわけがない。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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