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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・クラシックス

月夜の魔法

月夜の魔法


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・クラシックス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 エマ・ダーシー(Emma Darcy)
 フランス語と英語の教師を経て、結婚後、コンピューター・プログラマーに転職。ものを作り出すことへの欲求は、油絵や陶芸、建築デザイン、自宅のインテリアを整えることに向けられた。人と接するのが好きで、人と人とのつながりに興味を持っていた彼女は、やがてロマンス小説の世界に楽しみを見いだし、登場人物それぞれに独自の性格を与えることに意欲を燃やすようになった。旅を楽しみ、その経験は作品の中に生かされている。現在はオーストラリアのニューサウスウェールズにあるカントリーハウスに住む。

解説

 「ブラインド・デートなんてお断りよ、リビー」キャサリンは妹のお節介に辟易して、そう告げた。前の恋人の影を引きずっている今は、まだ新しい男性に目を向けることなどできそうもない。だが、乗り気でないまま無理やり引き合わされたデートの席で相手の名前を聞き、キャサリンは衝撃を受けた。ザック・フリーマンですって! 特殊効果の分野では、今や伝説的存在の彼が私のデート相手だなんて。胸の高鳴りを抑えながら、キャサリンは自らを戒めた。このデートは今夜かぎり。二人に明日はないと。
 ★2008年9月はハーレクイン・ロマンスからエマ・ダーシーの新刊をお届けいたします。億万長者のヒーローの子供を宿したヒロインのドラマティックな物語にご期待ください。★

抄録

「今夜ディスコに行っていたら、ぼくは地獄の苦しみを味わっただろうな」キャサリンは思わず彼の顔を見た。その目をとらえてひたと見つめかえし、ザックは言葉をついだ。「公共のダンスフロアで許される程度の触れあいでは、とても我慢できないだろうからね」
 体じゅうが熱くなり、キャサリンは目をそらした。ここまではっきり言われては、ザックが自分を抱きたがっていることを現実として認めないわけにはいかなかった。なまなましく息づく彼の欲望に、キャサリンも熱っぽく反応したくなってくる。
 だが、理性はそれに抗《あらが》おうとした。わたしは一夜かぎりの情事なんてお断りだ。遊びのセックスからは何も得られず、ただむなしいだけだもの。男性の場合はまた話が違うけど。まあ男は違うと考えていたのは、スチュアートの男性ホルモンの暴走を擁護するためだったんだけど。でも、男の体にこれほど強い欲望を感じるなんて、スチュアートに対してさえ一度もなかったことだ。
 キャサリンはバッグに手を入れ、車の鍵《かぎ》を探った。ピートの家まで送ったら、こんな……こんな狂おしい欲望も消えうせるはずだ。明日にはザックはいなくなり、わたしは迷いからさめて現実にかえる。
 でも、こういう気持ちになることがこの先二度となかったら?
 わたしは一生にたった一度のチャンスを棒にふろうとしているのかしら?
 棒にふったら、死ぬまで悔やむことになるんじゃない?
 指が鍵を探りあて、バッグから取りだした。震える手でその鍵を車に向け、リモコンのボタンを押してドアのロックを解除する。ザックは彼女のためにドアをあけるつもりらしく、運転席側についてきた。キャサリンは彼がドアハンドルに手を伸ばすのを待った。ザックは一歩前に出たが、ドアをあけるかわりにキャサリンに向き直った。
「きみを困らせてしまったかな?」
「いいえ」キャサリンは探るようなまなざしに耐えてほほえもうとしたが、唇が震えてしまった。「さっきはあなたの中の狼が吠えただけだと思うわ」
「その声にきみはこたえたくないと?」
「狼は自分の縄張りを守ろうとするものよ」
「呼ぶ声が強ければ、狼でも縄張りから出ていく」
 ザックは彼女の髪のシルクフラワーに手を触れた。
「本物ではないの」キャサリンの声がかすれた。
「ああ、でも、これは本物だよ、キャサリン」ザックは彼女の耳たぶから髪の内側のうなじへとそっと指をすべらせた。「これは本物だ」低いエロティックな声で繰りかえし、顔を寄せてくる。
 血の脈打つ音が鼓膜を連打し、理性の最後のささやきをかき消した。髪を軽く引っぱられて顔が上を向く。もう抗うすべはなかった。かすかに唇が触れあったとたん、電気が走った。そしてこれまでに経験したことのない官能的な喜びに満ちたキスが始まった。
 キャサリンの両腕がザックの首にからみつき、指が豊かな髪を愛撫《あいぶ》しはじめた。ザックは彼女を強く抱きすくめ、たくましい胸板から引きしまった腿、そして猛々《たけだけ》しい男の証《あかし》までも押しつけてきた。その瞬間キャサリンの中で欲望の波が渦巻き、情熱が燃えあがった。長く熱く激しいキス。髪に、喉に、胸もとに……。
 突然響きわたった笑い声に、二人ははっとわれにかえった。レストランから数人のグループが出てきて、駐車場を歩いてきた。ザックは深々と息をつき、片手をキャサリンの頬に当てるとなだめるように指先でそっとなでた。
「落ちつけるところを知っている。ぼくがそこまで運転していこう」
 キャサリンの頭はものを考えられるような状態ではなかったが、ザックが決然とした足どりで彼女を助手席側に連れていき、シートに座らせてシートベルトを締めた。
「鍵を……」鍵は彼女の手にはなかった。「落としてしまったみたい」
「ぼくが探そう」
 ザックは背をかがめて彼女にキスをし、まだ消え残っていた欲望に油を注いだ。キャサリンは茫然《ぼうぜん》と座ったままだ。彼に運転を任せた覚えはないことさえ頭からぬぐい去られている。ザックは運転席におさまり、にっこり笑うとエンジンをかけた。
「どこへ行くの?」車が走りだすと、キャサリンはようやく言った。
 ザックは、またもやまぶしいほどの笑顔になった。「ぼくたちのためにあるような場所……忘れられない一夜を過ごせる場所だよ」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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