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奔放な情熱【ハーレクインSP文庫版】

奔放な情熱【ハーレクインSP文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクインSP文庫
価格:400pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャロン・ケンドリック(Sharon Kendrick)
 ウエストロンドン生まれ。写真家、看護師、オーストラリアの砂漠での救急車の運転手、改装した二階建てバスで料理をしながらのヨーロッパ巡りなど、多くの職業を経験する。それでも、作家がこれまでで最高の職業だと語る。医師の夫をモデルにすることもある小説のヒーロー作りの合間に、料理や読書、観劇、アメリカのウエストコースト・ミュージック、娘や息子との会話を楽しんでいる。

解説

考えた末に愛のない婚約を取り消そうと訪ねた屋敷で、キンバリーは婚約者の兄ハリソンとはじめて出会った。成功した実業家の彼は、家族にも恐れられる冷酷な人物だと聞く。話のとおり、彼はキンバリーを財産目当てのあばずれと責め、身持ちの悪さを証明してやる、と彼女の唇を荒々しく奪った!その瞬間、二人の間に電流が走った――人生を変えるほど強烈に。キンバリーは動揺のあまり、つい彼の思うとおりの悪女を演じた。妖艶に微笑んで、手切れ金の小切手を受け取ってしまったのだ。2年後、今もその記憶に苛まれる彼女に運命の夜が訪れる……。
*本書は、ハーレクイン・クラシックスから既に配信されている作品のハーレクインSP文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「私たちの結婚を阻止することなんかできないわ!」キンバリーは落ち着き払った声で言った。
 彼女の態度の変化に気づいたハリソンは、グレーの目を用心深く細めた。「たしかに君の言うとおり、僕にはやめさせられない」そこで彼は間を置き、不気味な沈黙が流れた。「実は、この家は法律的には僕のものなんだ。母とダンカンに譲渡しようと思ってはいるけどね。でも、譲渡をやめることもできる」ハリソンは問いかけるような目で彼女を見た。「ダンカンが、君の期待するような財産を持っていないとわかったら、魅力が半減するんじゃないか?」
 キンバリーは、|金融街《シテイ》で仕事をしている間に、皮肉屋で無慈悲な人間に数多く遭遇していたが、初対面のこの残酷で陰険な男に比べれば、彼らなどかわいいものだった。
 キンバリーは堂々と顔を上げて言った。「あなたが何をしようと、ダンカンとの結婚を阻止することはできないわ。あなたの負けよ」
「僕は負けやしないよ、キンバリー。絶対にね」
 キンバリーは信じがたいという目を彼に向けた。どんな方法を使うのか興味を覚えずにはいられなかった。「そうかしら?」
「君に提案したいことがあるんだ」
「何かしら?」
 ハリソンは仕方ないといった口調で話し始めた。「もし君が結婚を取りやめてくれたら、慰謝料を出そう。逆に、この申し出を拒否して結婚したら、結婚生活が確固たる基盤の上に成り立つきちんとしたものにならない限り、君にはダンカンの遺産を渡さないつもりだ。わかったかい?」
 険しく冷たいグレーの瞳が、人をばかにしたような彫りの深い彼の顔立ちをいっそう際立たせていた。キンバリーは、またもや体中の皮膚に氷の爪を立てられたような感覚を覚えて身震いした。「私が年上だというだけで反対しているとは思えないわね」侮辱に対する仕返しのことは一瞬頭から消え、彼女は震える声で言った。「それに、私がお金のためにダンカンと結婚したがっていると疑っているからだけでもない。あなたは私のことが気に入らないんでしょう?」
 ハリソンは彫像のように身じろぎひとつせず、少し間を置いてから言った。「そのとおりだよ。会って間もないのに、好き嫌いを決めていいかどうかわからないけど、たしかに僕は君のことが気に入らない。だけどこの結婚に反対しているのは、ほかにも理由がある」
「と言うと?」
「単純なことだよ。君はダンカンにふさわしい女性ではないからだ」
 キンバリーはハリソンのとどまることを知らない攻撃に驚いて、彼の険しい無慈悲な顔を見つめた。「どうしてあなたにそんなことを言う権利があるの?」
「教えてやろう」そう言ってハリソンは彼女のウエストを手で支え、いきなりキスをした。
 その瞬間、キンバリーの身に何かが起きた――人生を永遠に変えてしまうほどに刺激的な何かが。たかが一度のキスで、いったいどうしてしまったのかしら。彼と唇が触れ合ったとたん、なぜか情熱の炎が燃え上がり、血がわき立った。
 ああ、どうしよう。でも天にも昇る気持だわ。
 まさに天国よ。
 キンバリーは、この甘く苦痛に満ちたキスを、これまでずっと待ち続けていたかのように唇を開いた。いつのまにか体が大きく震え出し、キス以上のものを彼に求めていた。誰ひとり触れたことのない部分に触れてほしい。長い指でTシャツとジーンズをはぎ取り、今すぐここで床に押し倒して……。
 しかし、その夢は一瞬にして現実に打ち砕かれた。家のどこからかかすかな叫び声が聞こえたのだ。ハリソンの手がキンバリーのウエストを離れた。さらに、誰にもまねのできない挑発的なこまやかな動きで彼女をあおっていた舌が引っ込められた。
 ハリソンが顔を上げたので、キンバリーはとまどった顔で反射的にそれをやめさせようとした。すると、彼の目に軽蔑の色が浮かんだ。
「これでわかっただろう」
 キンバリーは背筋を伸ばし、冷たく光る青い瞳の奥に恥ずかしさを隠して彼をにらみ返した。
 彼女の瞳は、彼に対する憎しみに燃えていた。ハリソンは自説を証明するために、彼女を軽薄な女として扱った。それに対してキンバリーは、そう言われても仕方ない反応をしてしまったのだ。ハリソンの両腕に抱き寄せられてどぎまぎするあまり、自制心が風のように吹き飛んでしまった。キンバリーは敗北し、ハリソンが勝利をおさめたのだ。彼の強大な力の前に、彼女はなすすべもなかった。キンバリーは、生きている限りもう二度と彼と顔を合わせたくないと思った。
 彼とだけは。
 そのとき、軽蔑に歪めたハリソンの鋭角的な顔の裏側に、荒々しい欲望があるのをキンバリーは感じ取った。彼の瞳は黒々と光り、首の付け根が激しく脈打っている。さげすんでいながら、私が欲しいんだわ。しかもこの人は、欲しければなんでも手に入れる男なのだ。
 ああ、どうしたらいいの。彼はきっと私を求めてくるわ。もし彼を拒絶できなかったらどうしよう。私を見下しているような男に迫られても、つらい思いをするだけなのに。
 こうなったら、私のことなど永遠に相手にしたくないと思うほど、とことん軽蔑されるしかない。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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