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安息の地へふたたび

安息の地へふたたび

著: リンダ・ウィンステッド・ジョーンズ 翻訳: 杉本ユミ
発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・スポットライト・プラス
価格:630円(税込)
10ポイント還元
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対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール

 リンダ・ウィンステッド・ジョーンズ(Linda Winstead Jones )
 ヒストリカル、ファンタジー、パラノーマル、ロマンティック・サスペンス等のジャンルで、これまでに五十作以上の作品を執筆。RITA賞の最終選考に三度残ったのち、二〇〇四年には、リンダ・ファロンの名で書いた作品がパラノーマル・ロマンス部門でRITA賞に輝いている。アラバマ州北部に、結婚して三十四年の夫とともに暮らす。

解説

 その刑事の捜査方法は、実に奇妙なものだった。殺害現場の暗い部屋で、彼は遺体のそばにうずくまり、しきりに何かつぶやいている。まるで死者に語りかけるように。ホープは新しい同僚となるギデオンを部屋の外から見ていた。彼はいつも孤独な捜査を好み、手がけた事件はほとんどが解決ずみ。高級なスーツに身を包み、刑事には見えない雰囲気をたたえている。まさか犯罪組織とかかわり、情報や賄賂を得ているのでは……。彼につきまとい、さまざまな疑問をぶつけてくるホープに、ギデオンは相続財産のおかげで優雅な暮らしができると告げたが、高い検挙率についてはこう言うだけだった。「僕は死者と話すんだ」ホープは初め冗談だと思ったが、やがて信じられないことが起こった!

抄録

「何も言わずに言うことを聞いてくれ」ギデオンは穏やかに言った。
 ホープは疑わしげにチャームを見つめた。「突拍子もない行動につきあうほど、あなたのことをよく知らないけれど」
「今日僕たちは銃撃された。つまり、その瞬間にパートナーとして強く結びついたわけだ。突拍子もない行動につきあってほしい」
 彼女はまだ疑わしげだった。今にも爆発しそうなほど神経を張りつめている。これほど解放を必要としている女性に会ったのは初めてだ。
 ホープがケルトノットを見つめている隙に、ギデオンはそばに歩み寄った。カウンターに追いつめ、腕とガラスケースの間に封じ込める。そこで初めて、彼女の小ささ、はかなさに気づいた。男ばかりの職場で、精神的にも肉体的にも精いっぱい自分をたくましく見せているが、それでも女性だ。たくましくはない。柔らかで、そしてこの手を離さない限り、この場を逃れることもできない。
「僕のためにつけてほしい」ギデオンは低い声で言った。「幸運の銀細工だ。君がこれをつけていると思うと安心できる」
「ばかばかしい」ホープは抵抗した。封じ込められたことに明らかにうろたえている。「自分だって、こんな物はつけていない――」
 ギデオンは襟の下に指を入れ、革紐を引き上げてダンテが先週後半に送ってくれたチャームを引っ張り出した。表の街灯が投げかける明かりや、通りの向かいのカフェが発する青い光に、魔除けのチャームがはっきりと照らし出される。
「あら」ホープが言った。「そう」
「見たり感じたり触れたりできないからといって、存在しないとは限らない」これまで自分のことを誰かに打ち明けたことはない。ましてや相手は二日前に知りあったばかりの女性だ。人生は短い。よく知りもしない女性が自分をどう思うかなどかまってはいられない。だがホープは日々、母親を通して不思議な力に接しながら、それを拒絶し続けている。そのことがどうにも気に入らなかった。
「それじゃあ」ホープが言った。その声にはそれまであった温かみはもうなかった。「あなたにもオーラが見えるの? 闇《やみ》の中でわたしは光っている?」
「オーラは見えない」
 これは明かりのせいなのか? それとも本当に彼女が際立って見えているのか?
 ギデオンはホープを転属させたかった。彼女のためにも自分のためにも。一人で仕事をするほうが安全だ。ホープには窃盗や詐欺や少年事件のほうが向いている。殺人以外の犯罪と、自分以外のパートナーのほうが。彼女が首をかしげた。通りの明かりが喉元を照らした。白く、ほっそりした長い首筋。どんな味かを試してみたくなるような。ホープが一、二週間浜辺の家を借りているだけの女性なら、旅行者か秘書かどこかの店員だったなら、喜んで誘って一晩か二晩をともに過ごしただろう。
 だが彼女は仕事のパートナーだ。
 今のところはまだ。
 ギデオンは身をかがめ、唇を首筋に押しつけた。彼女が息をのむのをよそに、手を二人の体の隙間に滑り込ませ、下腹部に、仕事のパートナーや単なる知りあいや友人が触れるには低すぎる位置に手のひらを当てた。彼女の体がこわばった。抵抗する気なのだろう。体を押しのけるか、男がもっとも痛みを感じる場所に膝蹴《ひざげ》りをくらわすか。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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