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この恋、絶体絶命!

この恋、絶体絶命!


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

天涯孤独のテスは、12歳年上のデインの探偵事務所で秘書をしている。3年前、父が再婚する予定だったデインの母とともに事故死し、途方にくれていたテスを、彼が救ってくれたのだ。ある日、事件に巻き込まれ、怪我をしたテスは、デインの家に泊めてもらうことになる。ずっと子供扱いされてばかりだった彼への想いがあふれ出し、バージンを捧げた。だがデインが愛の言葉を口にすることはなかった。「あれはただのセックスだ。きみと結婚はできない」絶望の中、テスは妊娠に気づき……。

■北米ロマンス界の最重鎮ダイアナ・パーマーが綴る、魅惑の年上男性との恋物語をお贈りします。愛することを拒むヒーローとの結婚生活――ヒロインの彼への想いが報われる日は来るのでしょうか?

抄録

「はじめてとは知らなかったんだ」デインはぶっきらぼうに言った。「わかったときはもう手遅れで、きみをひどく怖がらせてしまった。だから、きみはいまもデートをしたがらない」彼は振り向きざま、愕然としているテスを見すえた。「きみにあんなことをして、おれが後悔してるとは思わないのか?」彼はテスと同じように引きつった顔をして、ベッドのほうに戻ってきた。「テス、おれがそばに寄ると怖いのは、よくわかっている。乱暴なことはしないよ。ただ、元気になるまで面倒を見たいだけだ。おれが留守にするときは、ベリルがいてくれる」
「でも、会ったことがない人だわ。それより、ヘレンがうちに来ないかって……」
「ヘレンは仕事か、さもなきゃバレエのレッスンじゃないか。暇があったとしても、そのときはボーイフレンドのハロルドとピザ三昧だ。彼女が心配しているのはわかるが、仕事に出る昼間はもちろん、ほとんど毎晩、きみをひとりにすることになる」
「わたしはひとりでも大丈夫よ」
 テスに硬くなられるのはいやだったが、デインはそばに寄って声を押し殺した。「いいか、よく聞けよ。きみは麻薬売買の現場を見たから、証言させられる。あの警官たちはじっさいの受け渡しを見ていないんだ。つまり、きみは唯一の目撃者だ。犯人の片方は野放しのうえ、いまごろはもう、きみがどこのだれかも知っているだろう。これがどういうことかわかるな? 警察がそいつを捕まえて、両方を起訴に持ち込むまで、きみの身が危険なんだ。だから、きみには目の届くところにいてほしい。おれが出かけるときは、牧場の監督がいる。四〇年代に騎馬警官をしていた男でね、射撃もおれぐらいできる」
 テスは両手で顔をおおった。デインのことばに従うなんて苦痛だった。いっそ、麻薬の売人に狙われるかどうか、危ない賭に出てみたくなる。
「おれを憎んでもいい。だが、一緒に来るんだ。自分の人生を投げちゃいけないよ」
 テスは乱れた長い髪をかきあげ、みじめに言った。「わたしにどんな人生があるっていうの? 仕事をしてテレビを見るだけの、つまらない人生だわ」
「まだ二二じゃないか。世をすねるのは早いよ」
「世をすねる達人から学びましたからね」テスは顔をあげた。「あなたが教えてくれたんじゃないの」
 デインはテスの表情にいたたまれず、ぼそっと言った。「おれにはだれもいなかったんだ。おやじはおれがまだ小さいときに出ていった。親の責任が重すぎたのさ。おれは父が大好きだったが、おふくろは父を憎み、顔が似てるおれまで憎んだ。ジェーンも新婚のうちこそ愛していると言ったが、やがてあっさりおれを捨てていった」デインは漆黒の瞳でテスをのぞき込んだ。「きみに愛されながら、おれは拒んだ。そのうえきみを傷つけ、おれを怖がるようにしてしまった。わからないか? おれは愛がどんなものかを知らないんだ!」
 テスはすぐには理解できないような表情で、デインを見つめた。苦しげで思いつめたように聞こえたが。「デイン?」テスはささやいた。
 デインは顔をそむけた。「きみは未経験だった。だが、こっちは違う。きみは柔らかで、無防備で、温かくて……おれはどうにもこうにも、きみが欲しくてたまらなかったんだ」
 テスの頭のなかの歯車が回転しはじめた。いくら経験に乏しくても、男性がときとして無防備になることぐらい、テスも知っている。あの日デインが激しく自分を求めていたことは、心のどこかでわかっていた。「ほんとうに怖かった」テスは引きつった笑いをもらした。「男の人とデートをするたびに、またあんなことになるような気がするの」
「むりもない。だが、おれもつらかったのを信じてくれるか? きみはおれが近づくとかならずすくむ。そうされるのがどんなものか、きみには想像つかないよ」
 テスは大きく息をし、デインの目を見つめた。「あれからずいぶんたったわね。なんだかひとりで悪いほうへ悪いほうへと想像してしまったみたい」
 テスの瞳がかすかに和らぎ、デインはためらった。「テス、おれに感じるのは恐怖だけか?」テスの口もとに目をやると、じっと見つめられたテスがうっすらと唇を開いた。デインは親指でそっと触れた。爪のさきが下唇のしっとりした内側にあたる。テスは息をのんだ。「それとも、あんなに怖がらせたにもかかわらず、ほかの感情があるのか?」
 テスはデインの指から逃げるのに必死で、最後のことばなど耳に入らなかった。心臓が早鐘のように打っている。
 デインはふたたび視線をあげた。こっちまで息が乱れてきた。つまり、恐怖だけではなかったということか。テスは官能的な指の動きにかき立てられたことを隠そうとむだな努力をしているが、彼のなかではなにかが少しだけ和らいだ。三四年生きてきて、女性の唇をこんなふうに触れたことなどなかった。
「違うな」ほとんどひとりごとのように言う。「恐怖より、もう少し込み入ってるんじゃないか?」
「デイン……」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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