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絶対君主のプロポーズ

絶対君主のプロポーズ


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェニファー・ヘイワード(Jennifer Hayward)
 悩めるティーンエイジャーだったころ、姉のハーレクインをくすねて読んだのが、ロマンス小説との出会いだった。19歳のとき、初めて書いた小説を投稿するも、あっけなく不採用に。そのとき母に言われた「あなたにはもっと人生経験が必要ね」という言葉に従い、広報の職に就いた。名だたる企業のCEOと共に世界中を旅して回った経験が、確かに今の仕事に役立っているという。2012年、ハーレクインの新人作家コンテストで入賞し、ついにデビューを飾った。カナダ、トロント在住。

解説

“国王は愛する女性との結婚を決めた”その嘘が本当なら、どんなにいいか。

この数カ月、ソフィアはアカシニアのプリンスであるニックと、手放しでは喜べない関係にあった。彼の秘密の恋人だったのだ。しかし決して本気にならない、というルールを守れなくなり、彼女は別れを決意する。心がちぎれるほどつらくても。けれどその後、ソフィアは赤ちゃんができたことに気づいた。この子は必ず産むけれど、大きな問題が1つある。ニックは今やアカシニアの国王で、伯爵令嬢と婚約しているのだ。ところが悩むソフィアの前に、怒り心頭のニックが現れる。そして彼と結婚しなければ、子供は取りあげると脅してきた!

■王の世継ぎを身ごもったため、ヒロインはヒーローがおさめる国へ連れ去られ、結婚を迫られます。しかしロマンチックなロイヤルウエディングどころか、計画的な妊娠だったのではと彼女は王から疑われつづけ、とうとうパニック発作を起こしてしまいます……。

抄録

 ニックが親友たちに別れを告げている間に、ソフィアはこっそりと美術館をあとにした。言われた場所に向かうと、ベントレーの運転席からカルロスが出てきて、後部座席のドアを開けてくれた。
 ソフィアはすべるように中へ乗りこんだ。なめらかな革の内装を見ると、ニックがいかに富と特権に恵まれた男性であるかをあらためて思い知った。彼を待つ間、頭の中でさまざまな考えが交錯する。車の中で関係は終わりだと話す? そのときは手短にさわやかに、ニックが嫌うような大騒ぎはしない。そして家まで送ってもらう? それとも、彼の住まいへ行くまで待ったほうがいい?
 数分後、ニックも車に乗りこんできた。後部座席と運転席の間にある仕切りを下げ、セントラルパークウエストにあるペントハウスへ行くようにとカルロスに指示してから、座席に持たれてソフィアの顔をじろじろ見る。「なにかあったのか、ソフィア?」
 ごくりとつばをのんだ彼女は、車の中で別れ話を切り出すのはやめようと決めた。「ペントハウスに着くまで、言うのは待ってもらえない?」
 彼がうなずく。「わかった」
 それからソフィアを膝の上に抱きあげると、指で彼女の顎を包みこんだ。
「まだきちんとした挨拶がすんでいないぞ」
 ソフィアの全身が熱くなった。「車の中なのに……」
「今まではそんなことを気にしなかった」ニックはきりりとした美しい唇で彼女の唇をかすめた。「それに、ただキスをするだけだ」
 ただのキスでも、相手がニックなら大災害になる。唇で唇をしっかりとらえられて、ソフィアは目を伏せた。やさしいながらも執拗に独占欲を見せつけられるうち、彼女の体は心を裏切っていつものようにいきいきとしはじめた。そして、ほんの少しの隙間も作るまいと、唇はニックの唇にぴたりと重なっていた。
 ニックがソフィアを抱きしめ、やわらかな唇から口の奥へと探索を進める。
 彼女の喉から低い声がもれ、指が彼のうなじの髪をさぐると、ニックは唇を離して満足そうに目を輝かせた。「やっといつもの表情が戻ってきたな。今夜の君は本当に美しいよ、ソフィア」
「エフハリストー」彼が教えてくれた、“ありがとう”というアカシニア語だ。同じ地中海にあるので、ギリシア語と似ている言葉も多い。「あなたもとてもすてきだわ。いつものことだけれど、ファンもいっぱいいたし」
 ニックの目がいっそう輝いた。「嫉妬か? だから、ようすがおかしかったのか? もしそうなら、うれしいな」
 からかいの言葉にソフィアは少しばかり理性を取り戻し、ニックの胸を手で押して膝からすべりおりると髪を整えた。そして、よけいなことをきかれる前に話題を変えた。
「おめでとう。大事な交渉がうまくいったんでしょう? 専門家の大半は、失敗すると予想していたみたいだけれど」
「僕も一時はそう思った。しかし、不可能を可能にするのは得意なんだ」
 虚勢を張っているわけではない。ハーバード大学で優秀な成績をおさめ、“ウォールストリートの魔術師”として名をはせているニックは、十年かけて地中海に浮かぶ小さな島国アカシニアを経済的に飛躍させていた。
 ソフィアは頭を振った。「あなたってつねに勝つことに貪欲なのね、ニック」
「ああ」ゆっくりとした口調で答えながら、ニックは彼女に視線を向けた。「そうだ」
 ソフィアの頬が熱くなった。初めて夕食に誘われたときも、一度断ったのに結局押しきられた。けれど、原因はニックの強引さばかりではなかった。世間には無謀で負けん気ばかり強いと思われているプリンスが、実はもっと複雑な内面をかかえていることに気づいてしまったからだ。ほとんどの人には見えていない彼の哲学が、外見とともにたまらなく魅力的に思えたのだった。
「勝つだけでは満足できなくなったら、どうするの?」
 ニックが目を伏せた。「実は、それを見つけようとしているところなんだと思うんだ」
 ソフィアは目をぱちくりさせた。ほんの少しとはいえ、彼がこんなふうに心の内を明かしたのは初めてだ。それがよりによって今夜だったせいで、彼女はとまどった。
 車が目的地に到着した。二人はペントハウス専用のエレベーターに乗り、ニックの住居である五十七階へ行った。
 ニックがイタリア産のスパークリングワインを取りに行っている間に、ソフィアは靴を脱ぎ捨てて客間に向かった。そこの壁は一面床から天井まで窓になっていて、鳥が空から見おろすように、エンパイアステートビルをはじめとした三百六十度の景色を楽しむことができる。
 香辛料に似たアフターシェーブローションの匂いがしたかと思うと、スパークリングワインのグラスを二つ持って、ニックが隣に立った。乾杯後、二人は見つめ合ったままワインを飲んだ。
 けれどすべてを見透かしていそうなニックの鋭い視線に耐えられなくなり、ソフィアは外の景色に顔を戻し、摩天楼に影を落としながら飛んでいくジェット機を目で追った。そして、明日がどういう日かを思い出した。だから、私は今夜を最後の日に選んだのかしら?


*この続きは製品版でお楽しみください。

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