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旦那さまの溺愛はややこしい〜イチャ甘新婚蜜月〜

旦那さまの溺愛はややこしい〜イチャ甘新婚蜜月〜


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

感じやすいんですね。そういうところも可愛いです。
超溺愛型の旦那さまが抱えるヒミツって……!?

生真面目な騎士アルバートのプロポーズを受け入れたリタ。アルバートとの新婚生活は過保護気味だけど幸せいっぱい。ドキドキの初夜から毎晩、可愛いと囁かれ濃密な愛撫で蕩かされるけれど、なぜかアルバートは、最後の一線だけは越えてくれない。つまりリタは純潔のまま……。本当に私は愛されてるの?実はアルバートには密かな悩みがあって!?

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「ご機嫌よう、リタ嬢」
「ご、ご機嫌よう、アルバートさま」
 リタの手をとって挨拶のキスをする彼は、今日も物語の貴公子のように見目麗しい。
 だからこそ、リタの心に疑念が生まれる。
 どうしてアルバートは、自分のような娘と結婚する気になっているのだろう。
(……あ)
 もしかして彼は、自分が騎士団長の娘だから結婚しようと思ったのだろうか。
 これまでも、父との繋がりを狙ってリタに近づいてきた男達がいた。彼らと同じように、出世のためなら自分のようにぱっとしない娘と結婚するくらい、なんてことないと思っているのかもしれない。
 しかしそんな相手なら、今までそういった輩をことごとく撃退してきた父や兄達が熱心にすすめるはずもないし……と思い悩んでいたら、笑顔の父が「そうだ」と口を開いた。
「今日はふたりで庭を散策してみたらどうだ? 今、我が家の庭園は薔薇が見ごろだぞ」
 おそらく、当人同士で話す時間を与えようと気をきかせたのだろう。
「ではお言葉に甘えて。……リタ嬢、お手を」
「は、はい」
 リタは差し出されたアルバートの腕におずおずと手を添え、彼にエスコートされて庭に向かった。
(ど、どうしましょう)
 いきなりふたりきりにされてしまった。
 ゆっくり話してきなさいと言われたが、何を話せばいいのかわからない。
 リタはちらりと、隣を歩くアルバートの様子を窺った。
 彼は無言のまま、リタのエスコートに徹している。その整った容貌からは、彼が何を考えているのかまったく読み取れない。
(困ったわ……)
 しかたなく、リタは白い薔薇の花を眺めた。
 父や兄達が訓練に使っている中庭とは違い、この園庭には亡き母が愛した美しい花々が植えられ、庭師達によって大切に管理されている。この薔薇もその一つで、純白の薔薇はどこか冴え冴えとした雰囲気を持つアルバートによく似合うと、リタはなんとはなしに思った。
(白い薔薇を、騎士団の制服の胸に飾ったら似合いそうだわ。白薔薇は、あの青い制服にきっと映えるもの。そうして、アルバートさまは『白薔薇の騎士』と呼ばれて、乙女達の熱い視線を浴びて……)
「リタ嬢」
 頭の中でアルバートを主役にした物語を思い浮かべ始めていた時、ふいに彼が立ち止まり、リタの顔をじっと見つめてくる。
 その強い眼差しにかあっと頬を熱くしたリタは、さっと俯いて彼の視線から逃れた。
 アルバートの青い瞳に見つめられると、とても落ち着かない気持ちになるのだ。
「今回の縁談……」
(な、なにかしら。「縁談はなかったことに」と言われるのかしら)
 やっぱり、彼がこの話に乗り気だというのは父の勘違いだったのかもしれない。
「突然のことで、戸惑っていらっしゃるかもしれませんが……」
 アルバートはそう言うなり、リタの前に跪く。
「ア、アルバートさま!? 何を……っ」
 彼は戸惑うリタのドレスの裾に口付け、言った。
「リタ嬢。どうか、俺と結婚してください」
「ア、アルバートさま……?」
 なんて直球な求婚の言葉だろうか。
 それにしても、白薔薇の咲く庭で、美しい金髪碧眼の貴公子にプロポーズされるなんて。まるでリタが愛読する恋愛小説のワンシーンのようだ。
 だが、そんなロマンティックな求婚を受ける相手が自分だということが、リタには信じられなかった。
「わ……私で、いいんですの?」
 リタはおろおろしながら、アルバートに尋ねる。
「私は見ての通り、美しくもない、地味でぱっとしない娘ですわ。アルバートさまには、とても釣り合わない……」
 自分で言っていて、リタは泣きそうになる。
 何が悲しくて、素敵なプロポーズの場面で自分のことを「美しくもない、地味でぱっとしない娘」と言わなければならないのだ。
 だがこの懸念を残したまま、彼の求婚を受けることはできなかった。
 リタはとにかく自信がなかったのだ。アルバートに見合う自信が。彼に愛される自信が。
 正直に言って、自分は彼に惹かれ始めている。まだ会って二度目の、自分が苦手としていたはずの騎士に。そのくせ、気持ちのない結婚はいやだとつまらないプライドが邪魔をして、素直に求婚を受けることができない。
 だからこそ、リタは彼に聞きたかった。確信が欲しかった。
 本当に、自分と結婚したいのか……と。
「あなたが俺に釣り合わないだなんて、とんでもない」
「アルバートさま……」
 彼は跪いたまま、リタを真っすぐに見上げる。
「……っ」
 今度は逸らすことなく、彼の真意を確かめるように、リタはアルバートの視線を受けた。
 彼の青い瞳に、今にも泣き出しそうな自分の顔が映っている。
 ああ、私、なんて情けない表情をしているのかしらと、リタはますます泣きそうになった。
 そんな彼女に、アルバートは真摯な眼差しを向ける。
「あなたはとても可愛らしい方です、リタ嬢。むしろ俺こそ、あなたに釣り合わないかもしれない。それでも、俺はあなたを妻に迎えたい」
「アルバートさま……」
 彼の言葉に、そして眼差しに嘘はないと、リタは思いたかった。
 アルバートは本当に、自分を求めてくれているのだ。妻にしたいと思ってくれたのだ。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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