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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・アフロディーテ

愛と裏切りの航路

愛と裏切りの航路


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・アフロディーテ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★☆☆☆1
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著者プロフィール

 ジョー・リー(Jo Leigh)
 長年にわたり二十世紀フォックス映画会社、CBSやNBCなどのネットワーク局で働き、脚本家としても五十作以上の作品にかかわってきたという経歴の持ち主。映画やテレビドラマの仕事をしながら書いた初めてのロマンス小説が、ロマンティックタイムズ誌のベスト・ファースト・ブック部門に入賞。「華やかな業界で働くよりもロマンス小説を書くほうが好きだ」と気づき、それまでのキャリアを捨てて小説家となった。以来、講演活動や創作指導なども行う多忙な毎日の中で、数々のラブストーリーを生み出している。ネバダ州ラスベガス近郊にある住居を三人でシェアして暮らす。一人は二十年以上の年を経て再会した恋人。もう一人はロマンス小説家仲間のデビー・ローリンズで、ミニシリーズの競作も手がけている。

解説

 大富豪の一人娘テイトは、過去に二度誘拐された経験から、心に深い傷を負っていた。セラピストによる継続治療は確実に効果を上げていたが、完治までには至っていない。だが24時間厳重な警備の下でおびえて暮らす生活には、テイト自身、限界を感じ始めていた。20代の大半を、このまま恋もせずに生きていくつもり? 焦るケイトの思いを察してか、セラピストは意外な提案をしてきた。偽装誘拐を体験し、それを自力で乗りきることで恐怖を克服できるというのだ。恐ろしさですくみそうになったが、テイトは意を決して依頼した。結末がどうなるかも知らずに。
 ★大人気作家ジョー・リーが描くのは、大富豪の一人娘とボディガードとのロマンス。海上のクルーザーに閉じこめられた二人を待ち受けているものは?どうぞご期待ください。★

抄録

 火曜日、午後一時十五分。テイト・バクスターのセラピストは、スイス時計さながらの正確さでノートを閉じると、にっこりと笑顔を見せた。
「なにかほかに話しておきたいことはある?」
「いいえ、ドクター・ベイ」テイトは機械的に答えた。「とくにお話しすることはありません」
「そう、じつはあなたに見せたいものがあるのよ」
 テイトは驚いて顔を上げた。彼女が予約したセラピーは一時十五分までだ。ドクター・ベイが時間をオーバーしたことなどこれまで一度もない。「なんでしょう?」
 ドクター・ベイはノートをめくり、はさんであった新聞の切り抜きをとりだした。「これを見てほしいの」
 セラピストの顔と記事のどちらに目をやるべきか迷いながら、テイトはそれを手にとった。ここに通い始めて二年近くになるが、今日のドクター・ベイは明らかに興奮ぎみだった。こんなことはめったにない、というより初めてだ。行動主義心理学者のドクター・ベイは、必ずテイトに課題や目標の宿題を出す。それがうまくできてもできなくても、ドクター・ベイからは好意的な反応が返ってくるだけで、たとえテイトが予想以上にうまくこなしても、反応はひかえめだ。だが、今日のセラピストの目は期待に輝き、青白い頬はほんのり赤く染まっている。
 記事に目を落としたテイトは、見出しを見ただけで心臓が止まりそうになった。“誘拐のご用承ります”テイトはドクター・ベイの顔を見た。
「大丈夫よ、テイト。先を読んでごらんなさい」
 一瞬ためらったのち、テイトは記事を読み始めた。

 あなたが考えるもっとも恐ろしい状況を数千ドルの報酬で実現してくれるのが、ジェリー・ブロディの疑似誘拐専門チームだ。ダッフルバッグにつめこまれる、目隠しをされて人里離れた山小屋に連れ去られる、覆面男や異臭漂う汚いスーツ姿の男に暗闇《くらやみ》で襲われる、と誘拐のパターンはまさにさまざま。この偽装誘拐は、あらかじめ決めておいた合言葉をあなたが口にした時点で終了となるが、その言葉を言わないかぎりは何日でも継続される。ブロディと彼のチームがあなたをさらう場所も、地下鉄のなかからアパートメントのバスルームまで多種多様。“瞑想《めいそう》のようだった”と語る依頼人も多いこの“誘拐”経験を通じ、あなたは必ずや安心感と高揚感で満たされ、自分のなかに眠る潜在的な力を再認識するはずだ。

 そこで、テイトは読むのをやめた。彼女が誘拐を病的に恐れていることを、ドクター・ベイに打ち明けたのはずいぶん前だったし、本格的なパニックの発作はもう何カ月も起こしていない。それなのに、なぜいまごろこんなものを読ませるのだろう。
「テイト、深呼吸をしなさい」ドクター・ベイが声をかけた。「これまでの練習を思いだして」
 目を閉じると、テイトは安全地帯を思い浮かべた。同時に何度か深呼吸をしながら、足の爪先から頭のてっぺんまで体の各部分を順に意識していく。
「心配しなくて大丈夫。このわたしのオフィスでは、あなたは安全よ。緑の草原を思い浮かべてごらんなさい」
 ドクター・ベイの指示にしたがっていくうちに、テイトも落ち着いていった。目を開けると安堵《あんど》がこみあげたが、同時に、自分がいまでも恐怖にとりつかれているのに気づいてがっかりする。
「この記事について話してみたい?」新聞の切り抜きを指さしながら、セラピストが尋ねた。
「この男を雇うように言っているんですか? 彼に誘拐してもらうように?」
「検討してほしいとは思っているわ。この疑似誘拐については、わたしもずいぶん調べたし、同様の手法を使ったセラピストたちからも話を聞いているの。患者の症状が飛躍的に改善したケースもあるのよ。あなたはセラピーで順調に回復してきているし、これが型破りな治療法なのはわたしもわかっているわ。だから今晩家に帰ったら、いつものように日記を書いてほしいの。この記事についての感想ではなく、誘拐への恐怖を乗り越えたら、あなたの人生はどう変わると思うかを書いてちょうだい」
 テイトはうなずいた。「やってみます」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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