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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・アフロディーテ

誘惑のニューヨーク

誘惑のニューヨーク


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・アフロディーテ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 カーリー・フィリップス(Carly Phillips)
 弁護士として開業していた経歴を持つが、長女の誕生を機にロマンス小説を書き始める。その後、六年間に及ぶ努力の末、一九九九年に北米でハーレクイン・テンプテーションよりデビューを果たした。趣味は読書。夫と二人の娘、元気いっぱいのテリアとともにニューヨーク州パーチェスに暮らす。

解説

 グレースの住むアパートメントの向かいの部屋に、一人の男性が引っ越してきた。彼の名はベン・キャラハン。セクシーで謎めいた私立探偵だ。まさに、被写体としてうってつけね。グレースはほほ笑んだ。名門モンゴメリー家の令嬢である彼女は、親からの援助をすべて断り、ここニューヨークで写真家としての一歩を踏み出したばかりなのだ。ある日、治安の悪い地区で撮影を敢行していたグレースは暴漢に襲われた。必死でカメラを守ろうとする彼女の目に、見覚えのある人物が映った。ベン? なぜ彼がここにいるの?
 ★本作品は8月刊HA−68『スキャンダラスな恋人』、7月刊HA−64『はじまりは嘘でも』、T−504『涙のクリスマス』の関連作品です。★

抄録

「子どもは?」彼女がたずねた。
 突然ぶしつけな質問をされ、クリームをすりこんでいた彼の指につい力が入り、彼女はうめき声をもらした。「すまない。グレース、知りたいことがあったら、ちゃんと質問すればいいんだよ」ベンは彼女のきまり悪そうな表情を見上げた。
 彼女の唇にはにかんだ、愛らしい笑みが浮かんだ。「ばれたみたいね」
 ベンは笑った。「とりあえず君は調査能力を磨き直す必要がある、とだけ言っておこうかな」
 グレースは肩をすくめた。「先生がここにいて幸運だったわ」彼女は一瞬沈黙した。「私の知らない妻子やガールフレンドがいるのなら、話は別だけれど……」彼女の温かな茶色の瞳には、好奇心と期待が混然としていた。
「妻子もガールフレンドも、先妻も、その間にできた子どももいないよ。僕はもっと慎重な情報収集法を身につけるという意味で言ったんだが」彼は恐竜の絵柄のばかげた絆創膏を、どうにかこうにか彼女の手に貼《は》った。「あとでドラッグストアに行って、せめて痛みがましになるまで、もっときちんと手を保護できるものを買ってくるよ」
 彼女は自分の手を見下ろした。「わざわざ行くことはないわ。明日までこれで我慢できるし」
 ベンは反論を聞き流した。もし逃げ道がドラッグストアしかないなら、一も二もなく利用しよう。必要になったらドラッグストアにはほかの品もあるぞとささやく、頭の中のよからぬ声には取り合わず、ベンはグレースのけがに再び関心を向けた。
「よし、今度は首だ」
 重いカメラのストラップがすれてできた傷に、今の手当てを繰り返すのかと思うと彼女はひるんだ。
「消毒は省いてクリームを塗るだけでいいだろう」
 彼女は安堵《あんど》の吐息をもらした。「よかった」
「どれどれ」
 彼女は片側のロングヘアを首から払い、彼の近くに寄った。女性のぬくもりとうっとりする香りに包まれ、ベンは困ったことになったと気づいた。
 彼は指先にクリームをつけ、なるべくそっとグレースの首に触れた。彼女が身震いして腿を閉じ、呼応するようにベンも身震いした。
 話すには咳払《せきばら》いが必要で、そうしても声がかすれたささやきになった。「絆創膏も省こうか?」
 グレースが顔を巡らせると二人の顔が誘うように近づき、唇が間近に迫った。ベンの頭は、ここを出ろと要求したが、体は理性に耳を傾けようとしなかった。話をするために、避けがたい事態を避けるために口を開いたとき、彼のためらいに乗じてグレースが唇を合わせた。
 熱く、あまやかで、惜しみなく、求めてやまない。彼の内で渦巻くさまざまな感情は、口の中を巡る彼女の舌に劣らず焦燥感に駆られていた。グレースはてのひらの傷を気にもとめないで彼の腕をつかみ、彼女の爪がベンの肌に食いこんだ。
 良識など知ったことか。ベンはグレースの無言の訴えに応じ唇を重ねた。彼女のせつない声をのみこみ、彼女の髪に指を差し入れる。指先に感じる高級シルクの手触りは、彼の内で募る硬さと大違いだった。
 まだかすかな正気が残っていて、彼の一部はこれ以上進まないうちに、今すぐやめるべきだと知っていた。ベンはグレースの手首をつかみ、彼女の注意を引いた。
 彼女は頭を後ろに倒した。瞳を欲望でくすぶらせ、彼の目をじっと見つめる。やがて鳴り響く電話の音にぎょっとして、ベンは現実に返った。
 彼は後ろに下がろうとしたが、グレースの脚にしっかりとらえられた。
「留守番電話にまかせて」彼女のやわらかなまなざしはベンから一度も離れず、彼女の苦しげな息遣いに合わせて彼の心臓がどきんどきんと打った。
 電話が短く三回鳴ったあとでグレースのハスキーな声が相手にメッセージを残すように告げ、ぴーっという音がしてから、よく聞き慣れた声が聞こえた。
 罪の意識をかき立てること請け合いの声が。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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