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涙はあなたの肩で ベティ・ニールズ選集 21【ハーレクイン・イマージュ版】

涙はあなたの肩で ベティ・ニールズ選集 21【ハーレクイン・イマージュ版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュベティ・ニールズ選集
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ベティ・ニールズ(Betty Neels)
 イギリス南西部のデボン州で子供時代と青春時代を過ごした後、看護師および助産師としての教育を受けた。戦争中に従軍看護師として働いていたとき、オランダ人の男性と知り合って結婚。以後十四年間、夫の故郷オランダに住み、ベティは看護師、夫は病院事務と、ともに病院で働いた。イギリスに戻って看護師の仕事を退いた後、よいロマンス小説がないことを嘆く女性の声を地元の図書館で耳にし、自ら執筆を決意した。1969年、「赤毛のアデレイド」を発表して作家活動に入る。穏やかで静かなロマンス、その優しい作風が多くのファンを魅了した。2001年6月、惜しまれつつ永遠の眠りについた。彼女が生みだした作品は百三十以上にも及んでいる。好きな映画は『逢いびき』(英1945年)、尊敬する人物はウィンストン・チャーチルだったという。

解説

とめどない涙のあとに、小さな恋の虹が架かる……。

領主の末裔ながら、現在は貧しい暮らしをするクロスビー家。一人娘のレオノーラは若い娘らしい華やかな生活とは無縁で、ばあやと一緒に、家政能力のない両親の世話をしている。あるとき村の老医師が倒れ、新しい医師ガルブレイスがやってきた。先日、みっともなく転んだところを助けてくれた彼との再会に、恥ずかしいような、嬉しいような思いがレオノーラの胸に湧いた。その感情がいったいなんなのか、自分でもわからなかったけれど……。そんなある日、レオノーラがつらい出来事に見舞われて必死に涙をこらえていると、ドクター・ガルブレイスが言った。「誰かの肩にすがって泣きたいときは、いつでも声をかけてくれ」

■穏やかな作風で癒やしを与えてくれる無双の作家ベティ・ニールズの名作選をお贈りします。レオノーラの良いときも悪いときも陰から見守っていたドクター・ガルブレイスの大人の包容力がすてきです。

*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・イマージュ版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「コーヒーを持ってきてちょうだい、レオノーラ。さあドクター、どうぞこちらへ。主人の具合はいかがでした?」
「流感ですね。抗生物質を処方しておきますから、それをのんで二、三日安静になさってください。一週間もすれば、回復されるでしょう。でも温かくして、無理をなさらないように。もうお若くはないんですから」
 彼がほほ笑むと、レディ・クロスビーも笑い返した。「六十一歳ですの。でもわたくしは、主人よりずっと若いんですのよ」
 小さいときからちやほやされてきたレディ・クロスビーは褒められることに慣れていた。だが、がっかりしたことに、ガルブレイスはこう言っただけだった。「これからバースに行くんですが、お嬢さんを乗せていって、向こうで処方薬をお求めになったらいかがでしょう。わたしの用事はすぐに終わりますから、一時間ほどでお送りしますが」
 コーヒーを持ってきたレオノーラは、事務的な口調で言った。「いえ、どうぞおかまいなく。うちの車で行きますから。お仕事の邪魔になるといけませんし」
「ばかなことをおっしゃい。せっかく乗せていっていただけるのに、自分で運転することはないわ」レオノーラの母はコーヒーを口に運んだ。「ところで、お父さまにもコーヒーをお持ちしたの? きっとお待ちかねよ」それから彼女はドクターににっこりと笑いかけた。「わたくしたち、主人をしっかりと看病いたしますわ」
 レディ・クロスビーも美人だが、レオノーラは母親よりずっと美しいとガルブレイスは思った。率直さと強い意志は父親譲りなのだろうか? 若い女性にとって、手入れが行き届かないとはいえまだまだ立派なこの屋敷に年老いた両親と住み、苦しい家計のやりくりをするのはさぞ大変なことだろう。婚約しているというから、そんな苦労から解放されるのもそう遠い話ではなさそうだ。でも、よりによってなぜあんな男と……?
 レオノーラは出かける支度をして車に乗りこんだ。そんな彼女の格好を見て、ガルブレイスはうれしかった。帽子は品がよく、手袋とハンドバッグも非の打ちどころがない。見かけにこだわるわけではないが、これだけの美人ならそれにふさわしいものを身につけるべきだ。
 彼女の横顔は、すっかりくつろいでいるように見える。それに気をよくして、ガルブレイスは徐々に個人的な話題を持ちだしはじめた。ごくさりげなく穏やかに問いかけると、レオノーラは、ふと頭をよぎる懸念やささいな心配事、実現しそうもない計画など、気軽に答えた。両親はおろか、トニーでさえ聞いてくれそうもない話題ばかりだった。
 車がバースに入ったとき、レオノーラはふいに気になった。「ごめんなさい。こんな話、退屈でしょう?」
「退屈なんてとんでもない。おしゃべりは嫌いじゃないから。パーティの噂話は苦手だけどね。ぼくは王立病院に行くんだけど、近くに何軒か薬屋があるから、ぼくの処方箋を見せて調剤してもらうといい。そのあとで食事をつきあってもらえないか。修道院のそばに静かなレストランがあるんだ」レオノーラは断ろうとしたが、ガルブレイスは口をはさませなかった。「どうせ今すぐ帰っても、昼食にはまにあわないよ。それに時間はとらせないから。ぼくにも夕方の診察が控えているし」
「では、お言葉に甘えることにします」
 ガルブレイスは病院の前に車を止め、レオノーラのためにドアをあけた。「十五分で戻ってくる。それより遅くなるようなら、玄関ホールで待っていてくれ」彼は薬局に向かう彼女の後ろ姿を見送ってから、病院に入っていった。
 レオノーラが戻ってくると、ガルブレイスはすでに車のそばで待っていた。「すぐ近くだから、歩いていこうか」
 それは、落ち着いた雰囲気の小さなレストランだった。レオノーラは舌鮃を注文した。トニーとはここしばらく外食していない。家できみと過ごしたいんだと言う彼のために、できるだけ家計に負担のかからない、それでいてトニーが喜びそうなものを作ることにしている。
 二人は食べながら、バースの町や、ポントマグナ、その住民や家のことなど語りあった。
「バンティング邸には、小さいころよく行ったわ。古風で美しい家ね」
「ああ、ぼくも気に入っている。とても住み心地がいいんだ。きみも自分の家が好きみたいだね」
「ええ、大好きよ。ただ、あちこちに傷みが目立って……。去年、あるアメリカ人が売ってほしいと言ってきたの。でも父はお断りしたわ。先祖代々の家ですもの、離れるなんて、考えただけで胸が張り裂けそうになるんでしょうね」
「わかるよ。ほれぼれするような家だ。でも大きすぎて、管理するのが大変だろう?」
「ええ。でも使ってない部屋も多いの。だから、ばあやと二人でもなんとかやっていけるのよ」
「それはよかった。さて、そろそろ行こうか?」
 それから一時間もしないうちに、車はレオノーラの自宅前に着いた。ガルブレイスは車を降り、ドアをあけて、屋敷に入るレオノーラを見送った。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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