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氷と炎【ハーレクイン・セレクト版】

氷と炎【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

解説

“姉夫婦の乗る飛行機が墜落”そのニュースにモーガンは茫然とした。そして生存者はいない模様という報道が……。姉は出産のため、ロンドンからロサンゼルスに帰る途中だったのに。だが悲しみに暮れる間もなく、モーガンは思わぬ人物の訪問を受ける。アレックス・ハモンド!姉の夫の兄で、一族の企業を経営する男性。姉の結婚式で会っただけなのに、傲慢さが強く印象に残っている。とっさにモーガンは問いつめた。「姉夫婦は生きているの?」アレックスはきっぱりと否定したあと、子供が生きていると告げる。墜落のあと、姉は息をひきとる前に息子を産んでいたというのだ。モーガンとアレックスを後見人に定め、二人に幼い命を託して……。

■キャロル・モーティマーはハーレクイン・シリーズでもっとも人気のある作家の一人。1983年に原書が刊行された本作は、緊迫感あふれる言葉のやりとりと巧みな心理描写でいっきに読ませます。託された小さな命を巡るうちに芽生えるロマンスをご堪能ください。

*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「また記者たちに立ち向かえそうか?」アレックスは冷淡に尋ねた。「まだ帰っていないだろう。生存者がいたというニュースが広まればなおさらだ」
 もうすっかり落ち着いたので、モーガンはアレックスと並んで毅然と歩くことができた。階段を下り、彼女が泣く間に彼が待たせていたタクシーへ向かう。アレックスは投げつけられる質問を徹底的に無視した。モーガンの腕をしっかりつかみながら。
「空港へ」アレックスは運転手に傲慢な口調で命じ、モーガンをタクシーに乗りこませた。
 こんな横柄な態度にモーガンは慣れていなかった。彼女は自立するようにと育てられ、独力でやってきた。アレックスがこれまで女性に権威をふるってきたことは明らかだった。
 空港への車中、モーガンは興味深くアレックスを観察した。魅力的なことは確かだ。なのに、グレンナは彼に恋人がいる話をしたことがなかった。でも、ゲイのはずはない。批判がましくモーガンを見ているが、紛れもなく男性としての熱心さがあった。何人か女性がいたに違いないが、真剣なつき合いではなかったのだろう。なぜかしら? アレックスは三十八歳、未婚男性としては年をとっている。たぶん、二十六歳で未婚なのは、女性としては年をとっていると、この人なら考えそうだけれど。
「何かおかしいのか?」
 彼に見られていたと知り、モーガンは微笑を引っこめた。「別に。コートニーはあなたの家に?」
 アレックスは首を横に振った。「あと何日かは病院にいるだろう。新生児には普通のことだ」心配そうに眉根を寄せたモーガンを見てつけ加える。「とても元気だ。八週間の早産だったのに、健康だよ」
「よかったわ!」
「ああ」彼は同意した。
 空港は混乱状態だった。モーガンの家の外にいた記者たちが同僚に連絡したに違いない。十人ほどのレポーターが追いかけてくる。アレックスがプライベートラウンジを手配していたと知っても、モーガンは驚かなかった。
 彼女はラウンジからサムとジェリーに電話した。サムはおおいに理解を示し、ジェリーはモーガンが一週間休めるように撮影スケジュールを組み直していた。一週間あれば、グレンナの赤ん坊がモーガンのものだとハモンド家を説得するのに充分だろう。
「すべて準備できた」戻ってきたアレックスが言った。「数分後には搭乗の予定だ」
 差しあたり、アレックスが細かい手続きを引き受けてくれるのはありがたかった。モーガンの頭はいつもほど滑らかに働かなかったからだ。
 ファーストクラスのアレックスの隣の席に案内され、モーガンは驚いた。ほかに空いていないと言われ、ずっと後ろの席を予約したのに。
「君の座席を予約しておいた」いぶかるような彼女の視線にアレックスは答えた。
 モーガンは目を見開いた。「私があなたと一緒に行くとわかっていたの?」
「グレンナから君のことをずいぶん聞いたと言ったはずだ。君の反応なら、だいたい読めた」
「でも、アメリカまで来たわけね?」
「試す価値はあると思った」彼は肩をすくめた。
「絶対にないわ」モーガンはきっぱりと首を横に振った。「コートニーは決してあきらめないから」
 アレックスはため息をついた。「あまり感情的でないときまで、赤ん坊の話は棚上げにしよう」
 たちまちモーガンは罪悪感を覚えた。この男性はまた長い間、飛行機に乗らなければならないのだ。必要なのは休息だろう。彼女は意識的に話をやめた。離陸のため、飛行機のエンジンがうなりだすと緊張し始めたが。何もかもあまりにも突然に、あっという間に起こった。今初めて、飛行機に乗ることについて考えた。グレンナとマークはこれとそっくりの飛行機で亡くなったばかりだ。もしも……。
「そんなことは起こらないよ、モーガン」
 モーガンの胸中を読んだかのように、彼の力強い指が彼女の手を握った。優しく安心させるように。
 自分が弱い女だとか、依存する人間だとモーガンは思ったことはなかった。けれど、この瞬間は恐怖にすくみあがっていた。安心感を求めてアレックスの広い肩にぴたりと寄り添う。恋人同士のように。
 飛行機が無事に離陸すると、彼から離れた。「ごめんなさい」取り乱した自分が恥ずかしくて目を伏せた。「いつもはこんな――」
「忘れることだ。僕はもう忘れたよ」
 自分を抱きしめた男性がそんな反応を示すことは珍しかった。女性にここまで無関心な彼にモーガンはなんだか腹が立った。ロボットみたいな人ね。
 アレックスがたちまち眠ったのは意外でもなかった。モーガンは彼の横で静かにしていた。じっくりと考える時間が必要だった。実の両親を知ることもなく、母親の愛も受けられない赤ん坊の責任を負うのが自分と、隣の男性だけという事実を。モーガンはコートニーの母親になろうと誓った。ハモンド家が何を言おうと、どんなことをしようとも。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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