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悪魔を愛したシンデレラ

悪魔を愛したシンデレラ


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 タラ・パミー(Tara Pammi)
 子どもの頃から本の虫だった彼女は10代でロマンス小説に夢中になり、教科書の陰に隠して読みふけっていた。修士課程修了間近のある日、卒業論文を書くためにパソコンに向かっていたはずが、気がつくと物語のプロローグをタイプしていた。無事卒業し、世界一理解のある夫のサポートを得て小説を書き始め、現在はアメリカのテキサス州で執筆に勤しんでいる。

解説

シンデレラが舞踏会で踊った相手は王子さまではなく、悪魔だった。

ミラノ社交界に君臨するラファエル・マストランティーノ――祖母の死後、初めて対面した祖父の開いた花婿探しの舞踏会で、巨大企業CEOが放つ圧倒的オーラに、ピアは釘付けになった。祖父のお気に入りの花婿候補はしかし、黒い瞳を光らせ、ピアを嘲ったのだ。「裕福な老人を欺いて良心は痛まないか?」財産目当てと侮辱され、ピアは彼とは関わるまいと決めた。だが、別の花婿候補の求婚を断った直後に祖父が倒れてしまい、ピアは祖父のため、ラファエルと恋仲のふりをすることに。悪魔のような彼の仕打ちに心乱される日が来るとも知らず……。

■生き別れだった祖父が息子同然にかわいがってきたという億万長者ラファエル。けれど彼はその美しい外見とは裏腹に、堕天使さながらピアになぜか冷たく侮蔑的な言動をとるのでした。人気急上昇中のタラ・パミーが綴る、冷酷無比な大富豪に恋した乙女の物語。

抄録

 彼女は間違っている。
 ジオの孫娘であろうがなかろうが、こちらが面食らうほど世間知らずであろうがずる賢い女性であろうが、ピアは彼の問題になりつつあった。
 小さな水滴がついたまつげ。顔のまわりで波打つ濡れた髪。彼女は驚くほど若く見える。たとえ手痛い教訓を得たと宣言しても、まだ純真無垢なところがある。
 彼女を信じたいと強く願っている自分にラファエルは困惑した。
 光り輝く大きな目には深い悲しみと、彼をそそのかす情熱があった。
 だが何より、ラファエルはその震える唇に引かれ、味わってみたかった。細いウエストをつかみ、彼女を引き寄せたかった。自分も一緒に濡れるまで。柔らかな曲線と自分の体がぴったり重なるまで。
 ろくでもない男がもたらした苦難をキスで追い払ってやれるまで。
 分厚い繭で包んで彼女を守りたかった。どんな詐欺師も、どんなろくでなしも彼女に触れることができないように。
 |なんてことだ《デイオ・ミーオ》。五時間前に会ったばかりだというのに、ぼくはすでに彼女の純真さに誘惑されている。ましてジオなら、彼女のためにどんなことでもするだろう。
 彼女が事実を言っているとしたら、なお始末が悪い。ジオは彼女をダイヤモンドやオートクチュールで着飾らせたばかりか、ミラノの飢えた野心家たちの群れに彼女を解き放った。もしピアが世慣れた女なら、自分の面倒は自分で見られるだろうが……。
 ラファエルは去ろうとしたピアの手をつかんだ。そのとき、指に何か固いものがあるのを感じ、彼女の手を引き寄せた。
 ピアの長い指の大半に‘たこ’があった。ふとラファエルの脳裏に、元妻アレグラの赤ん坊のように柔らかな肌と完璧にマニキュアを施した指がよみがえった。
「なぜ‘たこ’があるんだ?」彼女をよく知るために尋ねているだけだ、とラファエルは自分に言い聞かせた。ピアのこれまでの人生航路を思い描くために。もしそこになんらかの食い違いがあれば見つけられるように。もしひとつの嘘で巧妙な計画にひびが入ったら、すぐに見つけられるように。
 ラファエルの手のひらを指でなぞり、ピアは眉をひそめた。「あなたに同じ質問をしたいわ。|最高経営責任者《CEO》はマニキュアを塗った甘やかされた手をし、悪趣味な金のブレスレットをつけているものだとばかり思っていたけれど」
 男としての奇妙な満足感がラファエルの胸を駆け巡った。
「ぼくは自動車エンジニアなんだ。CEOは二つめの肩書さ。時間を見つけては、クラシックカーを修復している」ぼくはすでに多忙を極めている。このうえピアという厄介事が加わるとは。「現実にはそんな時間はほとんどないが。さあ、今度はきみの番だ。なぜ手にたこがある?」
「空いた時間に木彫りのおもちゃを作っているの。趣味なのよ。フランクが……」一瞬ピアは口をこわばらせた。「わたしの代わりにオンラインショップを開設して……現金収入があるのは助かったわ。生徒たちの親が口コミで評判を広めてくれたし」
 なるほど、つじつまは合う、とラファエルは思った。これまでの状況証拠を見る限り、ジオの彼女への信頼は正しいと言わざるをえない。彼女はルチアとジオのことを知っている。ジオによれば、それは誰も知らないことだという。しかも、ラファエルには人を見る目があった。
 父が自殺したあと、そうならざるをえなかった。どの債権者が待ってくれるか、どの債権者が誠実に対応してくれるか。あるいは、もしラファエルが期待に応えられなかった場合、どの債権者が母や妹たちの自尊心を傷つけて楽しむか。彼は即座に学ぶ必要があった。
 もしピアが純真無垢だとしたら……。ミラノの飢えた独身男の群れが彼女に襲いかかるところを想像するのは耐えがたい。
 今ぼくがいるこの場所にほかの男が立ち、ピアのしなやかな体に張りつく濡れた水着を見つめるところを想像するのも。
「祖父にお金を返すために百万個のおもちゃを彫らなければならないとしても、わたしはやり遂げる」ピアは目に自尊心をたたえて言った。
 ラファエルはあえて硬い口調を保って応じた。「たとえ事実を言っているとしても、きみがジオの心を打ち砕かないという確証なしにきみを放免するわけにはいかない」
 ピアの柔らかなため息がラファエルの神経を刺激した。彼女はそれがいかに官能的か知っているのだろうか? まるで魂までのぞきこもうとするように真剣な大きな目で相手を見つめる様子が、男をどんな気持ちにさせるか気づいているのだろうか?
「別にわたしは好きこのんで……」ピアは暗い影に覆われた屋敷を指した。「あのばかげたショーに同意したわけじゃない。フランクのことを祖父に話したのが間違いだった。祖父は多くの男性を招待し、彼らはわたしに群がってきて……。わたしはあなたにそれを指摘されるまで祖父の意図に気づかなかった。明らかに祖父は、わたしは自分の面倒を自分で見られないと思っているようね」
 大広間でそれに関してピアに皮肉を言ったぼくは冷酷だった。ラファエルはそう思った。飛び抜けて美しいわけではないという指摘は的外れではない。だが、彼女にはたぐいまれな魅力がある。招待客はピアを“自分たちの人生に現れた幸運のチケット”としか見ていない。そんな男たちに彼女が対峙することを考えると、ラファエルの心は乱れた。「きみは自分の面倒を自分で見られないのか?」
「たとえそうだとしても、あなたみたいな男性の助けはいらないわ」ピアはきっぱりと言い、あとずさった。
「あなたみたいな男性?」


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