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エリート上司と秘密のキス

エリート上司と秘密のキス


発行: マーマレード文庫
シリーズ: マーマレード文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

「嫌でも忘れられないようなやつ、してやる」
ワイルド系イケメン上司との突然のキスから始まる恋

地味で真面目なOL・澪のあだ名は「カタブツ片瀬」。そんな彼女の職場に、イケメン部長の家保嵩也が異動してきた。彼の歓送迎会の帰りに家まで送られ、酔った勢いでキスされてしまい、とまどう澪。忘れようとするが、大人の色気と甘い独占欲で迫ってくる彼に、ドキドキが止まらない……! 恋に臆病なOLとエリート上司のときめきオフィスラブ

※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

抄録

「……別に、いいですよ」
 小さく、だけどはっきり返した私の言葉はきちんと耳に届いたらしく、顎にある家保部長の指先がピクリと反応した。らしくもなく、私は満面の笑みを浮かべる。
「どうしたんですか? いいですよ。どうぞ、お好きなように」
「……自分が何を言っているのか、わかってるのか?」
 私に触れる手はそのままに、部長が呆れたように言う。
 ほら、やっぱり、本気じゃない。
 どうせ挑発に乗ってこちらから欲しがるそぶりを見せたら、突き放すつもりだったんだろうけど。思い通りになんて、なってたまるか。
 勝ち誇った気持ちで、私は口もとを緩めたまま畳みかける。
「いいですよ? だってどうせ、朝になれば忘れてますから」
「……は?」
「私、飲みすぎた日はたいてい酔ってるときの記憶飛んじゃうので。すっかり忘れてしまえば、こちらが気まずい思いをすることはないですから」
 これは本当のことだ。私はある一定のラインを越えて飲みすぎると、記憶を飛ばしてしまう。女友達と飲んだときなんかは、たまーに油断してやらかしてしまうことが過去にもあった。
 ここ数年は気をつけていたのに、今夜はうっかり適量を越えてしまっていたようだ。たぶんきっと、一度寝て起きたときには今現在のやり取りだって綺麗さっぱり忘れ去ってしまっているのだろう。
 あ、でも、さんざん家保部長に迷惑かけたことも全部覚えてないなんて、さすがにまずい。なんとか寝る前にがんばって、今夜の出来事を紙に書き留めるべき……?
 そんなことを考えつつ、家保部長に手を退けて離れてもらおうとしたのに。
「……ほーう」
 聞こえたつぶやきに、ビクリと肩を震わせた。
 なぜか家保部長が、ともすれば凶悪にも見える蠱惑的な笑みを浮かべて私を見下ろしている。
 え、なんで。何か、気に障ることでも言っただろうか?
 狼狽えて視線を逸らそうとしたら、今度は両手で頬を包み込まれる。
 硬直する私の目の前には、恐ろしく色っぽい微笑をたたえた家保部長。
「上等だ。嫌でも忘れられないようなやつ、してやる」
 何を、と返す余裕すらなかった。あっという間に近づいてきた唇が、噛みつくように私のそれを奪う。
 反射的に胸を押し退けて抵抗しようとしたけど、それよりも早く強い力でソファに背を沈められた。両手を部長の胸板にあてたまま、抱きすくめられるかたちになる。
「……んっ、」
 最初から激しいキスに、思わずギュッと目を瞑った。まさか本当にされるとは思っていなかったから、頭の中はパニック状態だ。
 うそ、なんで、こんなことに。ただの軽口じゃ、なかったの?
 まるで、食べられてしまっているようなキスだった。大きく開かれた口が、私の唇全部を包み込んで。角度を変えながら、いやらしく嬲る。
 混乱しきった頭のまま、たいした抵抗もできずほとんどされるがままだ。それでもとっさに真一文字に結び続けていた唇の溝を、焦らすように緩慢な動きで部長の舌先がなぞる。
 その濡れた感触に身体をこわばらせた瞬間、ほんの少し、唇同士が離れた。
「口開けろ」
 簡潔だけれど熱を孕んだ命令に、ゾクリと肌が粟立つ。
 詰めていた息を思わずはあっと吐き出した瞬間、好都合とばかりに再び唇が重なった。開いた隙間から、私の口内に熱い舌が滑り込んでくる。
 中をぐるりとかき混ぜられたら、もう、体の力が抜けてしまう。あっという間に私の舌を絡め取った家保部長は、先ほどと同じように両手で顔を包み込んできた。
 ただ触れたわけじゃなく、より私を上向かせるためのその仕草。部長の目論見どおり、余計にキスが深くなる。
「や……っはあ、」
 息継ぎが、思うようにできない。家保部長の口づけは巧みで強引で、そして溺れそうなほど心地がいい。
 くすぐられて、軽く噛まれて、舐めて、吸われる。与えられるすべての刺激が頭を痺れさせ、何も考えられなくなる。
 キスって、こういうものだった?
 こんなの、知らない。こんな、否が応でも官能を呼び覚まされるような、いやらしいキス。
 ドクドクと胸の奥で暴れる鼓動がうるさいのに、それすらも気にならなくなる。
「……いい顔、するじゃないか」
 数十秒だったのか数分だったのか。じっくり口内を味わった部長がようやく身体を離し、荒い呼吸を繰り返す私を見下ろして小さく笑った。
『いい顔』だなんて、信じがたい。きっと今の自分は、真っ赤になって涙目の、蕩けきったひどくだらしのない顔をしているのだろう。こんな自分見られたくないのに、未だ両頬を包む大きな手のせいで逃げることが叶わない。
 おまけに濡れて光る唇を自分の舌で舐めとる仕草を不可抗力で目の当たりにし、さらに私の体温を上昇させた。
「片瀬」
 家保部長の低い声が、私を呼ぶ。頬を滑った指先が耳の裏をくすぐって、それから素っ気ない黒のヘアゴムでひとつに束ねた髪をするりとほどいた。
 肩に落ちた黒髪を、節ばった手で撫でられる。熱い身体は、一向に冷める気配はない。
「……いえやすぶちょう、わたし──」
 そのとき私は、何を言おうとしたのか。
 自分のことなのに、わからないまま。
 ここでプツリと、記憶が途切れた。


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