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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・アフロディーテ

守れないルール

守れないルール


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・アフロディーテ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 トリッシュ・ワイリー(Trish Wylie)
 生まれ育った地、北アイルランドをこよなく愛し、馬や犬とともに暮らしている。少女時代、初めて書いた物語が学校の教師に評価された。十代の初めにはロマンス小説の作家になる決意をする。音楽業界で働き、馬の調教師として活躍する一方で、夢を温めつづけてきた。作品の中でも、実生活においても、ユーモアのある男性が好み。海辺で風を顔に受けながら乗馬したり、ただ馬を眺めたりしていると、とても安らぐという。

解説

 会ったこともない人物からの突然の仕事依頼に、メローはいらだっていた。彼女はダブリンでも人気急上昇中のインテリアデザイナーだけに、今はとにかく忙しいのだ。ただ、あの電話の依頼主の声は……かなり魅力的だったけれど。翌日、彼女が現場で作業をしていると、一人の男が尋ねてきた。昨日の電話の主――高名な建築家、アレックス・フィッツジェラルドだ。メローが断りの返事をしようと彼の顔を見たとたん、彼女の頭の中に、数カ月前のオイスター祭の夜がよみがえってきた。まさか、あの熱い夢の夜の男性にこんな形で再会するなんて……。アレックスは憮然として言った。「きみと一緒に仕事をするのは無理だな」

抄録

「その情熱を施主に売らない限り、と言いたいのでしょう?」
「僕の施主に売るのは、その情熱だけにしてくれる限り、だな」
 最低な男。
 でもちょっと待って。気づいたメローは、ぽかんと口を開けた。「あなた、妬《や》いているの?」
 アレックスが口を一文字に結び、メローをにらみつけてキッチンに向かった。ほんの一瞬、メローは女学生のようにきゃっきゃっと笑いたくなった。アレックスは嫉妬《しっと》しているのかしら? 富もあれば家名もあり、国中のどの女でもお望みしだいのもてもて男が、私がミッキー・Dと少しばかりふざけたからって嫉妬したの? 私はただ、ミッキーを私のアイディアに引きこみたかっただけなのに。
 もし、二十四時間前に誰かにそんなことを言われたら、びっくりして“くだらない!”と答えていたでしょうに。
 しかし今は、彼のアパートメントの居間の真ん中で、幸せのダンスでもひと踊りしたい気分だった。でも、そんなのもちろんだめよ。アレクサンダー・フィッツジェラルドに対しては、ビジネスとお遊びを混同しないことに決めたでしょう?
 彼女はヒールを軸にくるりとまわってグラスをカウンターに置き、小首をかしげて彼の目を見上げた。「なぜ嫉妬することがあるの、アレックス? 私たち、別に特別な関係にあるわけではないでしょう?」
「ああ、それはそうだ」アレックスが平静な顔で、当然のように言った。「しかし、ゴールウェーのあの晩のようなことは、きみもたびたび行うわけではないと信じたい。きみが構わなければだが」
 メローはうなずいたが、胸では心臓がどきどきと音をたてていた。「あんなの、初めてよ。一夜のお楽しみなんて、あなたが初めての経験だったわ。よかったわね、おめでとう」
 アレックスの目が金色に光った。同時にほんのわずかばかりほほ笑むと、口の端がぴくりと動いた。そこでメローは舌先で唇を湿らせ、その動きを見ている彼を見つめた。
「あれは信じられないような晩だった」
「そうね」
 メローは息を吸いこんだ。胸が上下して、突然敏感になった胸の頂がレースのブラジャーにこすれた。「でも私たちはつき合っているわけではないわ。正直言って、私は目いっぱい忙しい生活を送っていて、男性と真剣なつき合いをするような時間はないの。まだ二十七歳だし、まずは自分のキャリアを成功させたい。そういう意味では、貪欲《どんよく》なのよ」
「わかっている。僕も同じだし、年齢だってたいして上じゃない」わずかな笑みは消えない。
 メローはますます熱く輝く金色の目を見つめ続けるのが、つらくなってきた。まるで太陽を直接見つめているようだ。そこで頭を片側に傾け、黒っぽいシャツが首に触れる部分に目を落とした。
「だから、この仕事が終わるまでに二人がそんな関係にさえならなければ、なんの問題もない――」彼の目に視線を戻した。「そうでしょう?」
 アレックスがいぶかしげに目を細めたが、半眼にもまだ笑みは残っていた。はっきりと妬いていたのだと白状するつもりはないのが、メローにもわかった。だが否定もしなかった。部屋の中が急に暑くなったことから判断すると、この瞬間にセクシーなものを感じたのは、彼女だけではなかったのだろう。あのときと同じだ。
 ただ今日は、媚薬《びやく》としてのオイスターはない。
 メローは首を反対側に傾けた。このままただ、身も世もなく狂ってしまいたかった。「では、これで決まりね」
 アレックスが手を伸ばして野菜スティックを一本取り、ぽいと口に入れてかんだ。メローがカウンターをまわってくる。彼女が近づくと、彼はそれをごくりとのみこんで、黒っぽいシャツの上で腕を組んだ。「今度は何をするつもりだ?」
「実験だと思って」メローが片手を彼の首の後ろにまわし、つま先立ちになった。そして口を、彼の口に押しつけた。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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