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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ 別冊

過ちの代償

過ちの代償


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

解説

レオニーは青白い顔で、大富豪ホーク・シンクレアの再訪に息をのんだ。ホークがレオニーの妹と自分の息子が交際していることに反対し、手切れ金を払うと言いに家まで乗り込んできたのは9カ月前のこと。彼女の顔色が優れないのは、傲慢な彼との望まぬ再会だけでなく、先日の早産で体が弱っているのが原因だった――そう、私は過ちを犯した。彼と初めて会ったあの日、たった一度だけ。私たち姉妹を侮辱した男と、枕を交わしてしまっただなんて……。この腕に抱いている小さな娘が彼の子とは、とても言えない。しかし、鋭いまなざしでこちらを見すえるホークの目は、赤ん坊が確かにシンクレア家の血を引いていることを見抜いていた!

■その年のベスト・ブックを厳選する企画より、言わずと知れたロマンス界の話巧者、キャロル・モーティマーの作品をお贈りします。1987年に発表された後、2007年に翻訳版が刊行され話題を呼びました。伝説のシークレットベビー&年の差ロマンスをご堪能あれ!

抄録

 なんてがっしりした大きな手かしら。向かい合ってソファに腰を下ろしたレオニーは、ホークの手に見とれた。カップがおもちゃみたいに見える。
「ローラ」突然、彼が切り出した。
「言ったでしょ、私はレオニーで――」
「いや、ローラのことを話し合いたいと言おうとしたんだ」
「まずお茶を飲んでからにしたら?」
「この特製のお茶を飲んだら、悲しい身の上話を聞く気になるのかな?」
「ただの紅茶よ。なあに、悲しい身の上話って?」
「ローラには病気のお母さんかお父さんか、あるいは気の毒な伯母さんがいて、それでお金が必要だとか」
「私たちには両親も伯母さんもいないわ。ローラと私だけ。ローラにはハルが必要なの。彼を心から愛しているから」
「そうだろうな」ホークは唇をゆがめた。「少なくともハルは彼女に愛されていると思いこんでいる」
「あなたはわかってないのよ」
「わかってないのは君のほうだ」ホークは乱暴にカップをテーブルに置いた。「息子は十九歳だ。ろくに知りもしない女とあわてて結婚して、人生を棒に振るようなまねはさせたくない」
「自分の二の舞を演じさせたくないってこと? あんな大きな息子さんがいるんだから、あなたも十九歳くらいで結婚したんじゃない?」
「二十歳になっていた。それに、状況がぜんぜん違う。妻とは幼なじみで、いずれ結婚すると決めていた」
「長くつき合えばいいってものじゃないでしょ。一目惚れで結ばれても、長続きするカップルはいくらでもいるわ」
 ホークはため息をついた。「息子がいちずに思いつめているのはわかる。気がかりなのは、妹さんの本心だ」
「シンクレア家がお金持ちで、私たちはそうじゃないから――」
「妹さんの真意を疑う理由はほかにもあるが、いちいち説明している暇はない。だいいち、ハルは僕の後継者として、まだまだ勉強しなければならない。これから数年は世界各地のホテルで修業して――」
「ローラも一緒に行けばすむことでしょ」
「妹さんは君も連れていきたがるんじゃないか?」
 レオニーは唇を噛んだ。「あなたは生まれたときからお金持ちだったの?」
「父が〈シンクレア・ホテルズ〉を創業して、僕が生まれたころにはもう世界的に名の通ったホテルチェーンになっていた」
「だったら、お金目当てに言い寄られるのがどんなものか、よく知っているでしょう?」
「ああ……侮辱されているような気がするよ」
「ほんと? あなたを侮辱するなんて、よほど勇気がないとできないわね」
「レオニー」ホークは話を戻した。「息子を妹さんと結婚させるつもりはない」
「残念ね」
「どういう意味だ?」
「そんな顔をしないで。脅す気はないわ。私がそんな人間に見える?」
「脅しに見えない脅しが、一番たちが悪いんだ」
 レオニーはため息をついた。「どんな脅しもかけるつもりはないわ。言いたかったのは、私たちのうちではローラのほうが現実的で――」
「だから、玉の輿にのるチャンスを逃さないわけか?」
 レオニーは非難がましい目をホークに向けた。「私がウィニーをどうしようもない窮地に立たせると、ローラがいつも――」
「よけいなことをききたくはないが、だれだ、ウィニーというのは? 猫か?」
 レオニーは笑顔で首を振った。「私たちの小説に出てくる探偵よ。私がどんなにむちゃな状況を設定しても……信じてもらえないかもしれないけど、そういう筋を思いつくことがあるの」
「君なら思いつくだろうよ」
 レオニーは目を輝かせた。「そういうとき、ローラが必ず解決策を考え出してくれるのよ」
「君たちの小説を読むやつがいるなんて信じられないな。ウィニーだって? そんな名前の男が出てくる小説を読もうなどと――」
「ホークなんて名前の男性の口から出た言葉とは思えないわね」レオニーはからかった。
「ヘンリー・ホーカー・シンクレア二世だ」
「じゃあ、ハルは……」
「ヘンリー・ホーカー・シンクレア三世。父は親しい人間からハリーと呼ばれていた。まぎらわしいから、僕はホークになった。息子も同じ理由からハルと呼ばれている」
「ヘンリーじゃいけないの?」
「ウィニーと同じ理由でね」
「ヘンリーって男らしい名前だと思うけど。ちなみに、ウィニーは女よ。話を戻すと、ローラは――」
「女の探偵が出てくる小説を書いているのか?」ホークは信じられないという顔をした。
「あなたって男性優位主義者?」
「とんでもない。ただちょっと驚いただけだ。それで、そのウィニーとやらは、君みたいに変わった女性なのかな?」
「ウィニーのまわりで起こるのは、変わったことが多いわね」レオニーは笑顔でうなずいた。
「そうだろうとも。ところで、話を現実的なローラのことに戻そう」
「現実的という表現はふさわしくないかもしれないわ。むしろ、良識があると言ったほうが――」
「十九歳の男と結婚しようという女性に良識があるというのか?」
「あなたはハルを世間知らずだと言ったけど、彼は年齢よりずっとしっかりしているわ。小さいころから大人びていたんじゃないかしら」
 ホークは大きなため息をついた。「自立心旺盛な子供に育てるのは悪いことじゃない」
「そのとおりよ。私が言いたかったのは、ハルは世間一般の十九歳の男の子とは違うということ」


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