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囚われた秘書【ハーレクイン文庫版】

囚われた秘書【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャロン・ケンドリック(Sharon Kendrick)
 ウエストロンドン生まれ。写真家、看護師、オーストラリアの砂漠での救急車の運転手、改装した二階建てバスで料理をしながらのヨーロッパ巡りなど、多くの職業を経験する。それでも、作家がこれまでで最高の職業だと語る。医師の夫をモデルにすることもある小説のヒーロー作りの合間に、料理や読書、観劇、アメリカのウエストコースト・ミュージック、娘や息子との会話を楽しんでいる。

解説

ショーナは念願の社長秘書の仕事を手に入れた。給料も申し分ないうえに、住居まで提供されるというが、社長のマックスは鼻持ちならない色男で、こう警告したのだ。
君の前任の秘書は僕に恋して仕事を失った、と。
いくら雑誌で“結婚したい男性50人”に選ばれたとしても、私はこんなうぬぼれ屋になんか興味がないわ。そう思っていたショーナの自信は、だが、すぐに打ち砕かれた。提供される住居とは、会社の最上階の豪華なペントハウス。彼女はマックスと一つ屋根の下で暮らすことになったのだ。

*本書は、ハーレクイン・イマージュから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「勤務時間はずいぶん長くなりそうですね」
「確かにね。だが、そのかわり報酬は高額だし、ロンドンでも最高級の住居を提供するよ。必要なら、休暇もたっぷり取ってくれてかまわない」
「それで、報酬はどれくらいなのですか?」
 金額を聞いて、ショーナは椅子からころげ落ちそうになった。
「君は住む場所が必要になるかい?」ミスター・ライダーは問いかけるようにショーナを見た。
「ええ、必要です。提供していただけるのはどんな部屋でしょうか?」
 ミスター・ライダーは一瞬、ためらった。「このビルの最上階にペントハウスがある。その一部を提供するよ」
 考えを整理するのに、ショーナは十秒ほどかかった。この話を断るのも当然だと思えるくらいミスター・ライダーは独裁的だし、とんでもないうぬぼれ屋らしい。ずいぶん陰口もたたかれたと、彼自身も言っていた。ショーナはグリーンの瞳をじっと見つめた。でも、彼は本当にそんなにひどい人なのだろうか?
 それに、この仕事は今の私にぜひとも必要なものだ。この仕事につけば安定した生活を送り、自分が本当になにをしたいかわかるまでにお金をためることができる。でも、彼はまだ私を採用すると言ったわけではない。
「それは……まあまあですね」ショーナは慎重に言った。
 それを聞いてミスター・ライダーは低い声で笑った。「まあまあ、だって? ずいぶんひどい言葉だな! ミス・ワイルド、僕の下で働くつもりなら“まあまあ”なんて言葉は今後いっさい使わないと約束してもらわないと」
 ショーナは軽率にも尋ねた。「それは……つまり……私を採用してくださるということですか?」
 ミスター・ライダーは真剣な表情に戻り、デスクの上の書類を身ぶりで示した。「君の推薦状は立派なものだ。君なら“まあまあ”というだろうが。そのほかの条件も十分満たしている。ポルトガル語は流暢だし、聡明そうだし、それに、やたらに男性を追いかけまわすタイプでもない」
 つまり、私は地味でありきたりな女性ということね。ショーナは苦々しくそう思った。
「そして、もう一つ」彼は低い声で言った。「君はこの仕事を必要としている。そうだろう?」
 確かに私にはこの仕事が必要だ。でも、死に物狂いになっているわけではない。「ほかにも仕事はありますから」ショーナは冷静に答えた。
 ミスター・ライダーはほほえんだ。「君さえよければ、この仕事は君のものだ」
 鞄に手を伸ばしかけていたショーナは、信じられない思いで彼をじっと見つめた。「なんとおっしゃいました?」
「この仕事は君のものだ」ミスター・ライダーは繰り返した。「君さえよければね」
「本当ですか?」
「本当だ」
「そういうことでしたら」わき起こる興奮を抑えつつ、ショーナは言った。「喜んでお受けします」
「よかった」
「仕事はいつから始めましょうか?」
 ミスター・ライダーは眉をひそめた。「明日からでは早すぎるかい?」
「明日で結構です」
 彼の瞳に鋭い光が浮かんだ。「今日、君は遅刻したね」
「それは――」ショーナは口を開きかけたが、ミスター・ライダーが片手を上げて制した。
「言い訳には興味がない。一度目は大目にみるが、二度目はないよ」
「わかりました」ショーナは静かに答えた。
 ミスター・ライダーは一瞬目を閉じてあくびをした。だいぶ疲れているらしい。仕事のせい? それとも遊び疲れかしら? 彼が目を開けたとき、ショーナはまだ彼を見つめていた。
 ミスター・ライダーは目をしばたたいた。「なんだい?」
「前の秘書はなぜやめたんですか?」ショーナは大胆にも尋ねた。
 彼は体をこわばらせ、再び瞳に冷たい色を浮かべた。「それは……個人的な理由だ」
 想像がふくらみそうになるのを抑え、ショーナはさりげなく言った。「あら、どんな理由ですか?」
 ミスター・ライダーはしばらくためらってから口を開いた。「もう昔の話だが……彼女はボスに恋してしまったのさ。くびにするほどのことでもなかったが、仕事に支障を来すようになってね」
 彼の口調には間違いなく警告の響きが含まれていた。君は同じ間違いを犯さないでくれ――まるでそう言っているように聞こえた。
 こんな鼻持ちならない傲慢な男に恋するなんて、その女性はどうかしてたのよ。ショーナは心の中で毒づきながら、とりすました笑みを浮かべた。「それについては心配いりませんわ、ミスター・ライダー。私が彼女と同じ間違いを犯すことはありませんから」
「よかった」ミスター・ライダーはそっけなく言った。「それを聞いて安心したよ」
 少しも納得しているようには聞こえないけれど。ショーナはひそかにそう思った。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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