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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

友情結婚

友情結婚


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シェリ・ホワイトフェザー(Sheri WhiteFeather)
 南カリフォルニアに住み、エスニック料理の食べ歩き、ビーチ近くの画廊やヴィンテージ服のショップめぐりが趣味。しかし、唯一無二の生きがいは小説を書くことで、作家となれたことに胸を躍らせている。執筆をしていないときは、明け方まで本を読みふけることもしばしば。ネイティヴアメリカンの夫ドルーとともに、皮革工芸家としても活動する。彼とのあいだに息子と娘がおり、数匹のベンガル・キャットと暮らす。

解説

愛を嫌悪する億万長者との結婚――その行く末は……?

「養子にしたい5歳の男の子がいるから、ぼくと結婚してくれ」高校時代からの親友マックスの申し出に、リジーは茫然とした。マックスは高校卒業後に事業で大成功して巨万の富を築いた、思わずため息が出るほどハンサムな独身貴族の男性だ。旅先の南太平洋に浮かぶ島の施設で出会った孤児の男の子に絆を感じ、養父母を懸命に探したが、誰も見つからないという。だからといって、親友のわたしと形だけの結婚式を挙げて、首尾よく養子にできたら、すぐに離婚する計画を立てるなんて……。そのとき、リジーは気づいてしまった。長年の友情を壊したくなくて必死に抑えこんでいた彼への愛に。

■高校時代からの親友マックスに頼みこまれ、彼との形だけの結婚を承諾してしまったリジー。やっと自覚したマックスへの愛を隠したまま彼の広大な屋敷で豪華な結婚式をしたあと、初夜を迎え……。本作は『ボスと秘書の禁断の恋』の関連作になっています。

抄録

 マックスは心の平和を求めて一年近くも世界中を放浪していたことがあった。旅の途中、ときおり病院や児童養護施設に立ち寄り、自分にも何かできることがあると信じてボランティアとして働いた。彼はそのときのことを思い出しながら言った。「いちばん心に残っているのは南太平洋のヌラという小さな島だ。そこの児童養護施設で働いたんだが、そのときに出会ったトコニという男の子が今でも忘れられないんだ」
 リジーは首をかしげた。「どうしてその男の子の話を今まで教えてくれなかったの?」
「さあ、なぜだろう」マックスは茶色の目をした男の子の輝くような笑みを思い浮かべた。「少しのあいだ、自分だけの思い出にしたかったのかもしれないな。トコニは二歳のときに施設にあずけられた。母親が自分で育てるよりも、誰かの養子になったほうが幸せになると思ったからだ。トコニの母親は虐待なんかしなかった。ぼくの母親とはちがって。トコニの母親は息子が幸せになることを願っていたんだ」彼はそこでひと呼吸置いてから話を続けた。「彼女は貧しい地域に住んでいて、仕事さえ見つけられなかった。海難事故で家族を失い、誰も助けてくれる人はいなかった」
「その男の子の父親は?」リジーは尋ねた。「父親は何もしなかったの?」
「父親はアメリカ人の観光客だった。島を出ていくときに、いずれ戻ってきて彼女とトコニをアメリカに連れていくと約束したが、戻ってくることはなかった。彼女と息子を捨てたんだ」
「ひどい話ね」リジーは声を震わせた。「そんな無責任なことをする男性がいるなんて」
「母親はトコニが裕福な家に引き取られるのを待っていたんだが、それを見届けることなく肺炎にかかって亡くなってしまった。この話は施設を運営している女性から教えてもらったんだ。聞いてすぐにぼくは多額の寄付をしたよ」
 リジーは考えこむような顔になった。「寄付金をもっと集めるために、わたしが記事を書きましょうか?」
「そうしてくれたらありがたい」リジーは慈善事業のためにホームページを開設しており、それは多くの人に閲覧されていた。彼女のブログには何万人ものフォロワーがいるのだ。「ぼくはトコニの養父母になってくれる人を見つけてやりたい。本当に素直でかわいい男の子なんだ。トコニは自分を引き取ってくれる未来の父親と母親を想像して、それを絵に描いているんだ。その絵を見せてもらったけれど、かなり上手でね」
「まあ」リジーは手で胸を押さえた。「心を打たれる話ね」
「すぐにでもトコニに会いに行きたいよ。ぼくがあの子のことを忘れていないと言ってあげるためにね」
「それなら、すぐにでも旅行の計画を立てたほうがいいわ」
「ああ、そうするよ」彼はリジーに顔を向けた。「なあ、一緒にヌラに行かないか? きみは施設を運営する女性にインタビューして、それを記事にしてブログに載せればいい。もちろんトコニも紹介するよ」
 リジーは目を輝かせた。「そうね、一緒に行きたいわ。施設を直接見てみたいし、運営者の女性にインタビューもしてみたい。でもトコニを訪ねるのはあなただけでいいんじゃないかしら? わたしが子どもから好かれないのは知っているでしょう」
「きみが緊張しすぎるからだよ。いつものようにリラックスして子どもたちに話しかければいいんだ」リジーは子どもを支援する慈善事業に数多くたずさわっているが、昔から子どもと話すのが苦手だった。幼いころにつらい経験をしたことが影響しているのだろうと、マックスは思っていた。母を失い、早く大人にならなくてはならなかったからだ。「きみとトコニは気が合うと思うよ。トコニは大興奮するかもしれないな」
「本当に?」リジーは椅子に座ったまま背中を伸ばした。「どうしてそう思うの?」
「トコニの国の文化によると、赤毛は高貴な存在なんだそうだ。炎と踊る女神を象徴しているんだよ。なんせ、きみの赤毛は炎のように輝いているからね」マックスは彼女のほうに身を乗り出した。「きっとトコニはきみをプリンセスか何かだと思うだろう。でもきみは高校の学園祭の|女王《クイーン》に選ばれたんだから、あながちまちがいじゃないけれど」
 彼女は顔をしかめた。「そんなのはどうでもいいことよ」
 マックスは学園祭の晩、高校のフットボールのスタンドにひとりで座り、リジーがクィーンに選ばれてティアラをかぶせられるのを見ていた。そのあとのダンスパーティーには行かなかった。彼と踊ってくれる人は誰もいなかったからだ。リジーはそのとき水泳部のスター選手と一緒に踊っていた。マックスはぽつりと言った。「あのころ、ぼくの友人はきみしかいなかった」
「クラスメートがあなたを受け入れなかったのが残念でならないわ。わたしもくやしかったもの」
「まあ、仕事に成功して最後に笑ったのはぼくだけど。そうだろう?」
 リジーは力強くうなずいた。
 マックスは笑みを浮かべながら彼女と目を合わせた。ふたりのあいだに愛は存在しない。けれども欲望もないと言うと嘘になる。少なくともマックスはそうだった――高校生のときから。リジーが親友でなければ、今すぐ腕のなかに引き寄せ、唇を荒々しく彼女の唇に押しつけ、舌を絡ませていただろう。でも、それはふたりのためには絶対にしてはならないのだ。
「きみもヌラに行ってくれるなんてうれしいよ」マックスは不埒な考えを心から追い払おうとしながら言った。「ぼくにはとても大切なことなんだ。きみと一緒に行くことは」
「わかっているわ」リジーはそう言いながら手を伸ばして彼の腕に触れた。
 だがすぐに手を引っこめた。彼女もまた不埒な考えを心から追い払おうとしているかのように。


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