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ボスに捧げた夜【ハーレクイン・セレクト版】

ボスに捧げた夜【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミランダ・リー(Miranda Lee)
 オーストラリアの田舎町に、四人兄弟の末っ子として生まれ育つ。スポーツが大好きな子供で、本を読むよりは外で遊ぶほうが好きだったという。父は教師、母は才能あるドレスの縫製師という家庭に育ち、全寮制の学校を出てクラシック音楽の勉強をしたのち、シドニーに移った。幸せな結婚をして三人の娘に恵まれたが、家にいて家事をこなす合間に姉エマ・ダーシーのすすめでロマンス小説を書き始める。趣味は幅広く、長編の物語を読むことからパズルを解くこと、そして賭事にまで及ぶ。小説を書くときのアイデアは、普段読む新聞、雑誌、小説、伝記、テレビ、そして少なくとも週に一度は見に行く映画から得る。現実に自分のまわりにいる人たちを登場させることはなく、“いつ私をヒロインにしてくれるの?”という娘たちの問いかけに、“決してないわ”と答えつづけているという。

解説

キャスリンは大財閥の御曹司ヒューの秘書に採用されて数カ月になる。父親に代わって巨大企業のCEOを務めることになったボスは、何よりも女性を愛するプレイボーイとして名高いが、彼女はあくまでも上司と部下の関係を貫いていた。そんなキャスリンには一刻も早く結婚したい事情があった。幼いときの自分に救いの手を差し伸べてくれた亡き恩人――その大事な思い出の家を受け継ぐには、30歳までの結婚が条件なのに、1カ月後に期限の誕生日を迎える今になっても相手が見つからない。どうしたらいいの?ある朝、泣きはらした顔で出社すると、キャスリンはボスに理由を問いつめられ、真相を告白してしまい……。

■秘書のキャスリンには、30歳の誕生日までに絶対に結婚したい事情がありました。それを知ったボスのヒューは、ためらいなく彼女にプロポーズします――名ばかりの結婚ながらベッドを共にする条件で。M・リーならではのセクシーなロマンスをご堪能ください。

*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 自分が怠け者だと思われているのを、ヒューはよく知っていた。だが実際は違う。好きなことにかけてはとても熱心だ。ゴルフもヨット遊びも、それに女性とのつきあいも。
 いや、熱心だった。最近までは。
 ヒューは腹が立ってならなかった。最高に楽しいライフスタイルが、たったひとりのいまいましい女のために台なしにされているのだ。しかも彼女は、彼とディナーにさえ出かけようとしない!
 きっと断るつもりだ。目を見ればわかる。
「すみません」そう言って、キャスリンは彼の推測を裏づけた。「それはよくないかと」
 くそっ。どうしてもイエスと言わせたい。今回だけでいいから。たとえ食事だけでも。
「上司が食事をごちそうして秘書をねぎらうのは、珍しいことじゃないよ、キャスリン」ヒューは淡々と言う。「きみの婚約者だって、気にしないさ」
 まあ、気にするわよ。キャスリンは思った。
 だが口にしたくない。ヒューのために働くことで、ダリルに嫉妬されているとは言いたくない。
 キャスリンはヒューと行きたかった。すごく。
 だって〈ネプチューン〉よ! あんな高級店に入るなんて、夢見たことすらなかった。三つ星レストランでの食事は、彼女の予算には絶対におさまらない。よくわかっているダリルは、手ごろな値段の店へ彼女を連れていく。今夜も近所の中国料理の店に行くはずだった。
 ダリルがぎりぎりになって、友達と飲みに行くからとわたしを落胆させたのは、ゆうべ遅く帰った罰のつもりだろう。狭量なところがあるし、仕返しを忘れない人だから。彼のそんな性格にはときどき不安になる。
 わたしが上司とディナーに、しかも〈ネプチューン〉のような店に行ったら、彼はどうするかしら? 一週間は口をきいてもらえないわね。抱きもしないだろう。どれほどわたしが傷つくかを知ったうえで、ダリルはそんな冷酷なまねをするのだ。
 彼にそっけなくされるのは耐えられない。
 もちろん、わたしが黙っていれば、どこへ行ったかを彼が知ることはない。彼や彼の仲間の行きつけは、中心街から遠く離れたバーウッドのホテル。それに数少ない彼の友達が、〈ネプチューン〉のような店に来る心配はまずないだろう。
「断りは受けつけないよ、キャスリン」ヒューが言い渡した。
「でもわたし、お洒落な店に行くような格好じゃないし」反論する声が弱々しい。
「ばかなことを。きみはすてきだよ。さあ、ハンドバッグを取ってきて。ぼくは電話をかけておく」
 キャスリンがまだ躊躇していると、ヒューは携帯電話を取りだした。
「ヒュー、やっぱり――」
「頼むよ」ヒューはいらだった目をして、彼女の言葉を遮った。「週末を過ごしに出かけようというんじゃない。ただのディナーだ」
 激しい口調で言われて、キャスリンは悔やんだ。きっとどうかしていると思われている。親切に誘ってくれただけなのに、大げさにしてしまって。
「そうですね、すみませんでした。お化粧を直してくるので、五分だけ待っていてください」
 きっかり五分後、キャスリンは化粧室で、鏡に映った自分を見ていた。わたしって本当にばかだわ。
 やはり固辞して家に帰るべきだ。それなのにこうして口紅を塗り直し、髪を下ろして、上着のボタンをはずしている。心臓がどきどきしている。
 今日まで、彼の悪名高い魅力には一度として動じないようにしてきた。ハンサムな顔を無視して、その下の本当の姿だけを見ようとしてきたのに。
 彼はプレイボーイだ。甘やかされて育った底の浅い男。深みはなく、たぶん品性にも欠けている。
 彼の人生に、美貌の女性が次から次に現れては消えていくのも、彼のモラルのなさを示している。嘆かわしい。あんなふうに彼を追いまわし続ける女性たちは、もっと嘆かわしい。
 ときどき、キャスリンは女であることに絶望を感じる。あの人たちにプライドはないの? 分別は? なぜわからないの? ヒュー・パーキンソンのようなプレイボーイには、おもちゃにされるだけ。飽きられて容赦なく捨てられるだけ。将来はないのに。まったくないのに!
 キャスリンは悲しかった。そんな男とディナーに行くことに、少しでも心がはずんでいるなんて。
 でも実際にわくわくしている。ごまかしようがない。頬は上気して、目は興奮に輝いている。ダリルのことは、しばらく頭になかった。今彼のことを考えても腹立たしいだけだ。彼がわたしをこんな困った状況に追いやったのよ。わたしをがっかりさせたのよ。予定どおりわたしをディナーへ連れていくべきだったのに。
「急いで、キャスリン」ヒューが化粧室の外から声をかけた。「ケータリング業者は帰ったし、店に七時の予約を入れた。遅れるのは嫌なんだろう?」
 皮肉屋ね。キャスリンは口を歪めてほほ笑んだ。
 笑顔の自分にぎくりとし、不安になった。
 ほほ笑んだまま、彼に会うわけにはいかないわ。絶対に。髪を下ろすのもだめ。いかにもという感じだから。へたな誘いをかけてくる気だと、ヒューに思われるかもしれない。
「あと一分で出ます」キャスリンは返事した。「ちょっと髪に手こずっているので」
 彼女はもう一度、髪をまとめ上げた。時間がかかるので編みこみにはしない。頭の後ろできついお団子を作り、ピンで留める。上着のボタンをかけ、ティッシュをつかんで朱色の唇に押しあてると、もっと落ち着いた赤になった。
 速くなった鼓動はどうしようもない。でも、それは彼には見えないわ。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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