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美しき公爵の愛の詩 大富豪の青い鳥 I

美しき公爵の愛の詩 大富豪の青い鳥 I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ大富豪の青い鳥
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 レベッカ・ウインターズ(Rebecca Winters)
 アメリカの作家。十七歳のときフランス語を学ぶためスイスの寄宿学校に入り、さまざまな国籍の少女たちと出会った。これが世界を知るきっかけとなる。帰国後大学で、多数の外国語や歴史を学び、フランス語と歴史の教師になった。ユタ州ソルトレイクシティに住み、四人の子供を育てながら執筆活動を開始。これまでに数々の賞を受けたベテラン作家である。

解説

美しき公爵が詠む愛の詩に、酔いしれていたかった……。

信じていた人に裏切られてひどく傷ついた大学講師のアビーは、仕事をしばらく休んで、ヨーロッパで心身を癒やすことにした。歴史的な詩人のリサーチを兼ねたその旅はしかし、彼女の心をかつてなく大きく揺さぶることになる。滞在する予定の風光明媚な地所から迎えに現れた男性ラウルを見て、そのあまりの美しさに、アビーは思わず息をのんだ。ずっと妄想の中で思い描いてきた、まさに理想の男性像そのもの。さらに、ラウルの祖父がアビーの探している詩集を所有しているからと、フランスにある彼の家に招待され、彼女は天にも昇る心地になった――まさか彼が公爵で、しきたりを重んじる家族から冷遇されるとも知らず。

■それぞれ心に傷を抱えた3人のヒロインが、ヨーロッパを旅するなかで運命の人と出会う、3部作〈大富豪の青い鳥〉。第1話の本作は、フランス公爵との身分違いの恋物語です。ロマンティックな舞台にご注目ください!

抄録

「マグダがなぜこの休暇をわたしたちにプレゼントしてくれたか、あなたはその理由までは知らないのね?」
「ぼくが知っているのは、マグダが映画監督だということと、オーギュストの友人だということだけだ」
「マグダは今、新しい映画を撮ろうとしているの。きっと彼女の代表作になると思うわ。バイロン卿として知られる第六代バイロン男爵、ジョージ・ゴードン・ノエル・バイロンの生涯に新しい光を当てる映画なの。そのためには最新の正確なリサーチに基づいた脚本が必要で、そのリサーチにわたしたちが雇われたの。三人とも、大学で十九世紀初頭のロマン主義文学を教えていたから」
 アビー・グラントはバイロンの研究者なのか。
 このサン・サフォランで彼女と出会った偶然に、ラウルは驚いた。数年前、オーギュストが信じられないような発見をしたその場所で。興奮が体の奥から湧き上がってくる。
 彼女の話をひと言も聞きもらすまいと、ラウルは船のエンジンを切った。「それじゃ、三人とも大学教授なのかい?」
「今はまだ講師だけど、いつかそうなりたいわ。ともかく今回のわたしたちの目的は、映画の脚本のために新しい事実を発見したり、補ったりして、これまでとは違ったバイロン像を作り出す手助けをすることだったの。バイロンに関しての研究は、これまでもいろいろ発表されているけど、マグダはまだまだ新しい事実が出てくると信じているのよ。それはわたしも同じ」
「たとえば?」
「できることなら、バイロンがスイスに滞在していたときに書いたと言われている詩を見つけたいの。今朝、村の図書館で車から降ろしてもらって調べてみたけど、何も手がかりは見つからなくて、ここまで歩いて戻ってきたの。もっとも、これまで百九十年間、誰も実際に目にしていないから、存在しないのかもしれないけど」
 ラウルの胸の鼓動がドラムのように大きく鳴りだした。「その詩に題名はあるのかい?」
「ええ。“迷宮”という言葉に、もう一つ何かついていたようなの。はっきりとはわからないけど」
≪ラヴォーの迷宮≫だ。ぼくにはその題名ばかりか、その詩が確かに存在していて、どこで発見されたかも話すことができる! ラウルの背に震えが走った。
「この五カ月間、わたしたち三人はバイロンが旅したヨーロッパの三つの国で、それぞれにリサーチをしてきたの。マグダが目指しているとおり、バイロンのすばらしさに新たな光を当てて、彼の名誉を回復するために」
「なるほど。それできみは、バイロンがシェリーやメアリー・ゴドウィンとともに過ごした、のちにスイスのリヴィエラと呼ばれるようになったこの地での足跡をたどっていたわけだね?」
 ふっくらとしたアビーの唇に穏やかな笑みが浮かんだ。「あなたもバイロンには詳しいみたいね。彼が日記に記した面白い一節を教えましょうか? スイスの山岳地帯からレマン湖に戻ったとき、彼はこう書いたの。“険しい道を行くぼくたちの旅は終わり……これからこの日記も旅と同じように平坦なものになるだろう”って」
 ラウルはアビーの豊かな知識に感嘆した。「まるで今のぼくたちの心境を読まれたみたいだ」
「そうね。あまりに静かで穏やかなときが続くと、人は刺激が欲しくなるのよね。バイロンは、自然は人間のよき友だと書いているわ。それと同時に、自然の持つ残酷さや厳しさにも気づいていた。ねえ、≪シヨンの囚人≫は読んだ? 自然と自由を関係づけると同時に、嵐が来て、地下牢を高波が襲うという自然の凶暴性についても謳っていて――」不意に彼女が口をつぐんだ。
「続けて」ラウルが先を促した。
「ごめんなさい、まるで教室で教えているみたいな口調になってしまって。とにかく、スイスに来られてよかったわ。あの詩はとくに好きだし」
「ほら、そのシヨン城があそこに見えるよ」
 アビーはうなずいた。「いつ見てもすばらしいわ。五、六回は来ているけど、スイス人の政治囚ボニヴァールが閉じ込められていた地下牢を実際に見てからはバイロンの言葉に取りつかれたわ」
「何か暗誦できるかい?」
 アビーが瞳を輝かせた。「高校生のときはコンテストのために三百九十二行すべてを暗記したのよ。信じられる?」
 彼女には知性や教養だけでなく、情熱もあるようだ。ラウルは船べりにもたれかかった。「それで優勝した?」
「そうだと言ったら、自慢しているみたいに聞こえるかしら?」
 まったく、この女性は思ってもみなかったやり方でぼくを惹きつける。「今でも暗誦できるんじゃないかな」
 アビーは首を横に振った。「ずいぶん前のことだもの」
 ラウルは彼女のほうに身を乗り出して言った。「ぼくも十代のころ、やはりバイロンが好きだった祖父と一緒にその詩を読んだことがあるけど、ほとんど覚えていなくて。せっかくこうしてシヨン城を前にしているんだから、聞かせてほしいな」
 アビーが小首をかしげた。「それじゃ、最初の部分だけね」
「ありがとう」|なんてことだ《モン・デユー》。知り合ったばかりの女性にこんなにも惹かれてしまうなんて。何が起こったのかわからないが、突然雷に打たれたようにぼくの中で何かが変わった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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