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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

セカンド・ウエディング

セカンド・ウエディング


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アネット・ブロードリック(Annette Broadrick)
 シルエット・シリーズを代表する人気作家。ロマンスと人生の奇跡を信じ、ミズーリ州オザーク湖畔でロマンス小説を執筆する日々を過ごす。’84年のデビュー以来、想像力に富んだ斬新な作風で読者を魅了し、ロマンティックタイムズ誌で数多くの賞を獲得している。

解説

 その日、災難は朝からシェリーの身に降り注いだ。まず出社するなり、五年間勤めた会社をいきなりやめさせられ、呆然と帰宅していたところ、今度は車の玉突き事故に巻き込まれたのだ。激痛に見舞われてシェリーは意識を失い、次に目覚めたときは病院の白いベッドの上に横たわっていた。体にチューブがつながれ、麻酔のせいか頭がぼうっとする。そして隣には、思いも寄らぬ人物が付き添っていた。元夫のグレッグだ。彼に会うのは離婚して以来、実に二年ぶりだ。どうしてグレッグがいるの? 彼はここで何をしているの? うろたえるシェリーに彼は言った。しばらく僕がきみの面倒を見る、と。
 ★人気作家アネット・ブロードリックの久しぶりの新作をお贈りします。知らぬ間に読み手をストーリーに引きこむ筆力は健在。心あたたまるロマンスをご堪能ください。★

抄録

 翌朝七時、グレッグはすでに病院にいたが、シェリーはまだ眠っていた。看護師が病室に入ってきた。
「彼女の具合は?」グレッグは低い声で尋ねた。
「順調ですよ。昨夜も何度か目を覚まされました。とにかく休養がいちばんです」
 話し声でシェリーは目を覚ました。眠いからあっちへ行って。まだ目覚ましも鳴っていないのに。なかなかやまない話し声のなかに、聞き覚えのある声がまじっていることにシェリーは気づいた。深みのある、わたしの心を震わせる声。
「グレッグ?」シェリーはささやいた。そんなはずはない。グレッグがいるはずは……。
「ここにいるよ」グレッグがシェリーの手をとって唇に押しあてた。
 夢に違いない。でも、なんでグレッグの夢を?
 シェリーは目を開けてグレッグを見つめた。「グレッグ? あなたなの?」そうだ、ここは病院だ。グレッグはここでなにをしているのだろう?
 彼がうなずき、一瞬、笑顔を見せた。「気分はどう?」ベッドわきのいすに腰をおろす。
 グレッグはまだ、シェリーの手を握っていた。「とっても変な気分よ。まだ夢を見ているのね」
「夢じゃないさ。すごく心配したんだ」
「あなたがお見舞いに来るなんて、わたしはよっぽど容態が悪いのね」シェリーは強がって言った。口のなかがからからだ。
 グレッグが水の入ったペットボトルを手渡した。ストローが差してあった。
 彼女は水を飲み、意識を集中させようとした。
 シェリーの額にかかった髪の毛をグレッグが優しく払う。「髪を切ったんだね」
「このほうが楽だから」
 二人は押し黙った。次の言葉が浮かばない。
「事故のことを覚えている?」グレッグが尋ねた。
「いいえ。怪我《けが》をしたみたいね」
「内臓の損傷が少しと、腕と脚を骨折している」
「お医者様が、脾臓《ひぞう》を摘出して、内臓の傷を縫合したって言っていたわ」ひと息ついて、シェリーは続けた。「スポーツ選手にはなれないわね」グレッグは笑わなかった。たしかに下手な冗談だ。
「エアバッグのおかげで助かったけど、その分、胸部が圧迫されたんだな」
 シェリーは、グレッグから目をそらすことができなかった。グレッグ・ホーガンが目の前にいる。何年も連絡していなかったのに、彼がここにいる。
「どうやって事故のことを知ったの?」
「署で聞いたんだ。ひどい事故で、大勢の警官が出動した。きみの車は大型トレーラーとワゴンにはさまれたらしい」グレッグは近くのテーブルに目をやった。「免許証できみを確認した警官が、ぼくにバッグを預けたんだ。バッグはそこに置いてある」
 シェリーは目をつぶった。「ごめんなさい。なかなか集中できないの。体が浮いているみたい」
「薬のせいさ。すぐによくなるよ」
「ええ……」シェリーがつぶやいた。
 シェリーが眠りに落ちるのを見て、グレッグはほほえんだ。担当していた事件は別の刑事に引き継ぎ、休暇も申請した。彼女が必要とするときはそばにいてやりたい。叔母を亡くしたシェリーには身内がいない。彼女を一人にしたくなかった。
 ここにいる理由がないことは承知している。離婚するとき、彼女はもうかかわらないでほしいと言った。目を覚ましてぼくを見たシェリーは、興奮するというよりも純粋にとまどっていた。だが、自分でもわからない理由を彼女に説明できるわけがない。
 ただ、ここにいなければならないことだけはわかっていた。グレッグは背もたれに体を預け、目を閉じた。昨夜はろくに眠れなかった。今は、再び彼女が目を覚ますのを待つだけだ。
 目を開け、再びグレッグの姿を認めたシェリーは眉をひそめた。「まだいたの?」
 グレッグがうなずく。
「なぜ? 仕事は?」
「休暇をとったんだ」
「ねえ、事故現場を見た警官と話したんでしょう? わたしの車がどうなったか知っている?」
「残念だけど車はあきらめるしかない。ぼくも見たが、きみが助かったのは奇跡だ」
「修理できない?」シェリーがすがるように言った。
「無理だと思う」グレッグは親指でシェリーの手をさすった。「かわいそうに。大事にしてたもんな」
 シェリーの目に涙がこみあげてきた。「車くらいで泣くなんて。でもはじめて買った車だし……」
「きみが寝ているあいだに、ルームメイトと話したよ。彼女、昨日の夜遅くまで事故のことを知らなかったそうだ。今朝、病院にきみの容態を問いあわせてきた。病院は家族にしか連絡しないみたいだね」
「あなただって家族じゃないわ」涙が頬を伝った。
「病院は家族だと思っている。夫と名乗ったから」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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