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オレ様押しかけダーリンは御曹司〜別れても別れても好きな人〜

オレ様押しかけダーリンは御曹司〜別れても別れても好きな人〜


発行: マーマレード文庫
シリーズ: マーマレード文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

元カレはエリートなオレ様!?強引なアプローチに翻弄されて……。
すれ違いだらけの二人が落ちるじれ甘な恋

OLの菜々香は、過去に3回の失恋を経験してきた。その相手はいつも同じ人物……渡部和弘だ。縁がなかったのだと忘れる努力をしたのに、なぜか職場で出向してきた和弘と再会してしまう!「俺たちまた、やり直さないか?」甘く囁かれ、もう辛い想いを繰り返したくない菜々香は、逃げるように断った。ところが、今度は逃がさないとばかりにあの手この手で強引に迫ってくる和弘に、振り回されっぱなしの奈々香は……!?

抄録

「菜々香」
 と呼ばれてどきりとする。
「ああいうのは許せない」
「は、はい……?」
 なにが、と恐る恐る上目遣いで探ったら、和くんが微かに口角を歪めた。そうとしか思えなかった。笑っているのかもしれないけれど。
「ええと……」
「おまえもう、俺以外の男と口きくな」
 一瞬、なにを言われているのかわからなくて、頭のなかが真っ白になった。
「なっ……、な、なんで……!?」
 びっくりして、あたふたしてしまう。
「そんなこと、できるわけないじゃない……! 無理よ!」
「へえ? そうかな」
「あ、当たり前でしょ、だって仕事しなきゃならないんだよ……!?」
「いちゃつく必要はないだろ」
「いちゃついてなんか、ないもん!」
 まるで昔みたいに、子どもっぽく叫んでしまってハッとした。
 にやっと和くんの目が細くなる。
「やっぱり変わってないな、おまえ」
 そう言われてしまうと恥ずかしい。そして私はずいぶん誤解をしていたみたい。和くんは変わっちゃった。
「ど、どいて……よ」
「どくか」
 意味のわからないこの状況に、ただひたすら息を詰めていたら、彼はどこか苦々しそうに言った。
「あんな場面を見せられて、誰がどけるか」
「……え?」
「とにかくだ」
 と和くんは言う。
「俺のそばから離れるなよ。仕事中だろうとなんだろうと、できるだけ俺の近くにいること。いいな」
 絶句する。
 ぽかんと口を開けたまま、私はどれだけ固まっていたのかわからない。
 ようやく零れた最初の言葉は、こうだった。
「……も、もしもし……?」
 電話じゃないのだからそれもおかしな問いかけだったけれど仕方ない。頭がどうにもうまくまわらない。
「突然、なにを言い出すの……」
「なにって、そもそもおまえが俺に約束したことだろ」
「え?」
 本気で首を傾げた。
 和くんの言葉がぜんぜん理解できなかった。和くん、もしかして日本語忘れちゃった……?
 そんなおかしなことを考えてしまうくらい、私のほうが混乱していた。
「俺はきちんと最初に言ったはずだぞ。おまえとずっと一緒にいたいって」
「え……」
「忘れたとは言わせない」
 その一瞬、どこか懐かしくも甘い輝きが和くんの瞳に宿って、はからずも私の胸を高鳴らせた。
 こくりと喉が上下する。
「それって……子どものころの……、約束?」
「そうだ」
 懐かしい輝きはすぐに消えて、和くんがすっと姿勢を戻した。
 頭の上から手がはずされてホッとする。
 約束……、だったのかな、あれ。
 ええと確か、公園で手を握られて、まるで天使のような和くんが、じっと真剣な目で私を見つめて……。
 ──ぼくは菜々香と一緒にいたい。ずっと仲良くしようね。
 まだ幼さの残る声が、鮮明に脳裏に蘇ってどきりとした。
 待って。今ここでそれを持ち出すなんて……ずるくない?
「和くん……、あれは……!」
 反射的に顔を上げて、もう一度ドキッとする。
 まるであのときと同じように、和くんがまっすぐに、私を見つめている。その真剣さに、目を奪われる。
「菜々香──、俺はもうおまえを逃がさないからな。今度こそ、覚悟しておけよ」
 どういう、意味……?
 会社でこんな話をするつもりなんてぜんぜんなかったのに、口が止まらなかった。
「なにがなんだかわからないよ和くん……! いったいどうしちゃったの、そんなふうに言う人じゃなかった……!」
「なにがだよ。おまえがわかってなかっただけで、もともとこうだったかもしれないだろ」
「ち、違う……!」
 無意識にふるふると首を横に振った。
 これ以上もう、後退もできない。
 私はふたたび追いつめられる。
 す、と屈んで顔を寄せてくる──和くんに。
「ちょっと……、待っ……!」
 あげかけた声を、奪われた。
 声と一緒に奪われたのは私の唇。しっかりと押しあてられているのは和くんの温もり。甘くて柔らかな、その感触。
 懐かしすぎる熱……だった。
 確かこうして、彼とはじめて口づけを交わしたのは大学生になってから。
 はじめて連れて行ってもらった、三浦岬へのドライブのその帰り道。
 けれどここには、あのときのような美しい夕日はない。
 こんなところでなにをするの、という思いと、どうしてこんなことをするのという思い。
 どちらを優先させたらいいのか、わからないまま、数年ぶりの口づけは短く終わった。
「和、くん……」
 そのときばかりは昔のように、そっと優しく穏やかに目を細めた和くんが、最後に指ですっと私の唇を一撫でしてから、さて、と居住まいを正した。
 一瞬にして現れるのは、イケメンエリートビジネスマン。
 みんなが「王子様」と呼んではしゃいでいた……あの人だった。
「それじゃ行こうか──遠藤さん?」
 ふっと笑って、先に階段を昇りはじめた彼の後を、私は言葉もなくふらつく足で追いかけるしかなかった。
 なにがなんだか、わからない。
 変わってしまった和くん。
 昔とはぜんぜん違う和くん。
 なのに。
 どうして私の心臓は、こうもドキドキと騒がしいの……?


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