マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

恋はつぼみのままで

恋はつぼみのままで


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 スーザン・メイアー(Susan Meier)
 ペンシルベニア生まれ。結婚して二十年以上になる夫と三人の子供とともに、今もそこに暮らす。販売員や弁護士秘書、地方新聞のコラムニストなどさまざまな職業を経て、現在は執筆に専念。職場で出会ったいろいろな人物をモデルとして作品に登場させている。

解説

やっと見つけたこの恋は、つぼみのまま朽ちてしまうの……?

高圧的な父のもとで従順に育ったモーガンは、常に敷かれたレールを歩み、結婚相手さえも強引に決められてしまった。でも、わたしももう25歳。人生の一大事くらい、自分の意志を貫きたい。モーガンはありったけの勇気を振り絞り、教会の祭壇に向かう途中で逃げ出した!ところが、そんな彼女の前に、一人の男が立ちはだかる――父の取引相手であるスペイン人大富豪リカルド・オチョア。モーガンの父から、娘を連れ戻すよう頼まれたという。異国の魅力を漂わせる美しい彼に、彼女はときめきを禁じえなかった。だが彼にとらわれたら最後、望まぬ結婚に舞い戻らなければならず……。

■ベテラン作家スーザン・メイアーが描く、真実の愛を求めるヒロインの切ない恋物語をお届けします。大好評を博した『さよならまでの二週間』に登場したリカルドがヒーローを務めます。彼は意外にも、モーガンを父親のもとに戻さず、自国スペインへと連れ去って……。

抄録

 窓の外の宵闇を何か白っぽいものがさえぎり、ガラスに人影が映った。
 振り返ると、あのハンサムなスペイン人がいた。
「あなたはいったい誰なの?」
「リカルド・オチョアだ」彼はそう答え、モーガンの向かいの席を指さした。「座ってもいいかい?」
「だめよ。一人で静かに過ごしたいの。あなたにはその気持ちがわからないのかしら?」
「まず無理だな。ぼくは人との出会いを楽しむためにラスヴェガスへ来るんだから」
「わたしは心の休息を求めてここに来たの。家に帰らなければならないのはわかっているけど、息抜きが必要なのよ」
 リカルドは向かいの椅子に腰を下ろした。「穏やかに事を進めるために、ぼくに協力する気はなさそうだね」
「どうしてしつこくつけ回すの?」モーガンはため息をついた。「ねえ、父があなたにどれくらい払うことになっているのか知らないけれど、わたしはその倍額を出すわ」
「報酬はもらっていない。きみの父親はぼくのいとこが経営する会社の取引先のオーナーなんだ」リカルドがウェイターを呼び、スコッチを注文した。
 ウェイターが去ると、モーガンは言った。「娘を連れ戻さないと、取引をやめると脅されたわけね」
「きみをがっかりさせるのは本意ではないが、ぼくは手がけた仕事をしくじったことは一度もない。ただの一度もだ。娘さんを連れて帰ると約束したからには、きみは家に戻ったも同然だよ」
 モーガンはかぶりを振った。「なんて傲慢なの」
 リカルドは笑い声をあげたが、目は笑っていなかった。「そこがスペイン男の取り柄でね」
「さっきはわたしに逃げられて、さぞかしプライドが傷ついたでしょうね」モーガンは顔をしかめた。「こんなに早く居場所がわかったのは、なぜ?」
 リカルドが注文したスコッチがモーガンのジントニックと一緒に来た。彼はいっきにあおると言った。「きみのクレジットカードのせいだ」
「わたしのクレジットカードですって?」
「まだきみが学生だったころにお父さんに与えられたカードだ。違うかい?」
「ええ。それをずっと使っているわ。引き落とし口座は自分名義のものにしたけど」
「お父さんはカードの番号を知っている。使うたびに履歴が残って、きみの居場所は筒抜けだ」
 モーガンはテーブルクロスの上にバッグを投げた。
「ぼくからは逃げられない」リカルドがほほえんだ。
 ため息をついたモーガンは、ジントニックを飲みほし、席を立った。どのホテルに泊まろうと、支払いが発生したとたん居場所がばれてしまう。どこに行こうと同じことだ。レンタカーを借りれば、やはりカードで支払う。百キロ先まで逃げても、ガソリンスタンドで給油すればすぐに場所がわかってしまう。
 モーガンはレストランの出口へ向かった。
 リカルドが椅子から勢いよく立ちあがった。「まだ追いかけっこを続ける気かい?」そして紙幣を何枚かポケットから取り出してテーブルに置くと、エレベーターの前でモーガンに追いついた。「きみはどこにも行けないんだ。逃げ場はない」
 そうよ。誰よりも自分がよく知っているわ。
 父に居場所を知られれば、誰かが後を追ってくるだろう。この男性が失敗したら、別の男性が送りこまれてくるだけだ。
 モーガンはリカルドをちらりと横目で見た。一度は出し抜くことができた相手だ。もう一度できないとも限らない。
「あなた、ここまでレンタカーで来たの?」
「ああ。だが、空港で返すつもりだ」
 モーガンは体の向きを変えてリカルドを正面から見た。リカルドは彼女のむき出しの肩にまず目を向け、そこから胸元できらめくスパンコールの飾りへ、さらにミニスカートの裾へと視線を移していった。
 リカルドのすばやくなぞるような視線に、モーガンは愛撫されたような衝撃を受けた。この人が女としてのわたしに興味を抱いてくれたら、退屈とは無縁の毎日を過ごせるはずよ。
 だが、モーガンは後ずさってリカルドと距離を置いた。婚約者との関係にちゃんとけじめをつけないうちに、ほかの男性に心を奪われることは避けたい。
「わたし、飛行機で戻るのはいやよ。ぎりぎりまで家には戻りたくないの。向かうなら車で……」良心のとがめを感じたが、必死の思いが先に立った。「無理やり飛行機に乗せたりしないで。そうすれば、わたしにもゆっくり考える時間ができるわ。その間に父の怒りも少しはやわらぐでしょうし」リカルドのいぶかしげな視線を受け止めながら、モーガンは愛嬌たっぷりに無邪気にほほえんでみせた。「ほんの二、三日だけでいいの。心安らかに過ごさせて。車で向かえば、わたしを連れて帰るのに日数がかかった言い訳にもなるわ」
 リカルドは探るような視線を彼女に向けた。「もう逃げたりしないね?」
「ええ」
 彼はさらに考えこんでいたが、最後にうなずいた。「いいだろう」
「よかった。じゃあ、荷物を取ってくるわね」
「ああ。だが、今度はぼくも一緒に部屋まで行く」


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。