マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・セレクト

運命のバルセロナ【ハーレクイン・セレクト版】

運命のバルセロナ【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 ルーシー・モンロー(Lucy Monroe)
 アメリカ、オレゴン州出身。姉の影響でハーレクインのロマンス小説を読み始めた。大学在学中に“生涯でいちばんすてきな男性”と知り合って結婚し、子供が生まれてからは母親としての道を選んだ。十八歳の夏に家族で旅行に行ったヨーロッパが忘れられず、今も時間があれば旅行を楽しんでいる。

解説

エリーがギリシア生まれの実業家サンドルと交際を始めて3カ月がたつ。彼はデートの最後に官能的なおやすみのキスをするものの、なぜかそれ以上の関係に進もうとしない。ところが、ある夜、最高級レストランでのディナーのあとで、ばらの花束と指輪を渡され、妻になってほしいと唐突にプロポーズされた。“愛している”という言葉もないままに。サンドルはエリーの父と仕事上の取り引きがある。彼が本当に求めているのは私自身?それとも取引先の娘という立場?エリーは休暇先のバルセロナで熟考の末、サンドルとの結婚を決心する。帰国後、烈火のごとく激怒した彼と会うことになるとも知らず。

■ギリシア神のように端整なヒーローと美貌のヒロインが真実の愛を求めて模索する、謎に満ちたストーリー。旅行好きなルーシー・モンローが描く、美しい地中海の風景とともにお楽しみください。

*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 彼の香りがエリーを包んだ。ほのかに香るスパイシーなアフターシェーブ・ローションと彼自身のエッセンスが入りまじった香り……。
 サンドルの体が放つぬくもりとセクシーな男らしさがエリーの五感を刺激し、彼女は何か話さなければと思った。「お母さまと一緒に過ごす時間をやりくりするのは、私が警備チームに見張られるのを父に許すのと同じくらい大変でしょうね」
「そうだな。でも、そんなふうに考えたことは一度もない。僕は子供のころから、父が与えるべきだった暮らしを母にさせてあげることしか考えてこなかったから」サンドルの表情には、こんな話をしたことに驚いている様子がうかがえた。
 サンドルは容易に自分のことを明らかにしない男性だ。彼がこれほど包み隠さず自分の話をするのは、エリーを特別な存在だと考えているからとしか思えない。
 彼の腕に軽く手を添え、エリーは笑みを浮かべた。「あなたはその目標をやり遂げただけでなく、それ以上のことをお母さまにしてあげているわ」
「そう思うかい?」
 本当に自分の意見を聞きたいのだと思い、エリーは目を輝かせた。「お父さまはおそらくあなたみたいに裕福な大物実業家ではないでしょうし、少なくとも十代のときはそうじゃなかったはずよ。あなたは、彼がお母さまと暮らしたとしてもできなかったことをしてあげているわ」
「きみの言うとおりかもしれない」声にこめられた大きな満足感が、エリーと結婚したがっているこの謎めいた男性の新たな一面を表していた。
 サンドルは自分自身に……彼の祖父に……そして一度も会ったことのない父親に対して、自分の力を証明したいのだ。
 お茶すら出していなかったことを思い出して、エリーは尋ねた。「コーヒーはいかが? それとも食後のお酒にする?」
「どちらもけっこう。ありがとう」
 ああ、どうして彼の物言いが神経を末端まで震えさせるの? 「ここへ来たいと言ったのはあなたのほうよ」
「それは、結婚に対するきみの懸念を解消するためだ。食後の酒が飲みたくて来たわけじゃない」
「私の懸念を解消してくれるつもりなの?」なんて高潔なのかしら。「でも、どうやって?」きいておきながら、答えはわかっていた。
 サンドルが体を寄せてくる。体の熱が伝わり、深い褐色の瞳がエリーを魅了する。
「当ててごらん」
「婚前交渉はだめだという話はどうなったの?」エリーは皮肉っぽくとがめるつもりだったが、声がかすれ、彼を誘惑する結果になってしまった。
「僕はきみと結婚するつもりだ。日取りはきみにまかせる」
 その瞬間、サンドルはなんとしてでも結婚するつもりでいるのだとエリーは気づいた。できれば結婚したい、ではない。この人はちゃんと計画を立てていて、その実現性に一抹の不安もいだいていないのだ。
「じゃあ、結婚するつもりがあるならバージンを誘惑してもかまわないのね?」
「きみはバージンじゃないと自分で言っただろう」彼の口ぶりは、それを気にしているようには聞こえなかった。
「私を信じなかったくせに」
「きみには嘘をつく理由がないから」
「ほら。あなたがどう思っているのか、なかなかわからない……」サンドルの手がソファからエリーの肩に移った瞬間、言葉がとぎれた。
 サンドルの親指がエリーの鎖骨を撫でる。「それで?」
「え?」
 サンドルは彼女に唇を近づけた。「何を言いかけていたんだっけ?」
「私が言おうとしたのは……」エリーは必死で現実にしがみついた。「あなたと……私は……」
「あなたと……私は……なんだい?」サンドルが冷やかす。彼の笑い声には、男性的な勝利の予感が漂っていた。
 彼の口調はエリーのプライドと記憶を呼び起こすことになり、彼女は頭の後ろをソファに押しつけて、近づいてくる彼の唇を逃れようとした。「私を説得しようという“意図”のもとに私にさわることで、どうやって説得できると思っているのか、わからないわ。潜在的な顧客にさらなる保証を提供するのと同じでしょう」
「きみを顧客とは見ていないと約束するよ」
 エリーは納得できなかった。疑いを声に出してしまうと、それは驚くほど大きな懸念になった。
 サンドルがほんのわずか体を近づけた。「きみが欲しいんだ。一度僕のものになったら、きみは僕の欲望を無視できなくなる、|いとしい人《ペテイ・ムー》」
「あなたって本当に自信家ね」エリーは小さな胸の前で腕を組み、彼女らしくもないことをした。ふくれっ面をしたのだ。唇を突きだし……。
 彼女の反応に魅せられたかのように、サンドルがほほ笑んだ。指先で彼女の腕をたどり、組んだ箇所にたどり着くと、下になっているほうの腕に指を走らせる。彼の指が胸元に触れ、エリーの体じゅうに熱いものと喜びの波が押し寄せた。
 サンドルは指の動きを胸の近くの危険な場所で止めた。「僕がきみに関してあまりにも自信を持っているのが気になるんだろう」
 いまいましいことに、そのとおりだ。しかし彼の唇が近づき、唇がふさがれると、思考回路が停止した。それはお試しのキスでも、誘惑のための前置きでもなく、キスのためのキスだった。体のなかで鮮やかな色彩が飛び散り、脳が溶けてしまいそうだ。
 そしてサンドルの予測どおり、エリーは完全に降伏した。なんの抵抗もなく。
 彼のキスを楽しんでいなかったら、こんな自分に当惑したかもしれない。だが、これ以上しっくり感じたことはかつてなかった。自分の居場所はここ、彼の腕のなかだ。彼も同じように感じているかどうかはわからないけれど、エリーは彼に触れてもらいたくてたまらなかった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。