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もう一度あなたの隣で

もう一度あなたの隣で


発行: ハーレクイン
シリーズ: MIRA文庫
価格:800pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ローリー・フォスター(Lori Foster)
 愛に対する確固たる信念をセクシーな作風と切れ味のいい文章で表現し、読者の支持を得ている。高校時代からの恋人である夫と三人の息子とともにアメリカのオハイオ州に住んでいる。小説を書くのは大好きだが、いちばん大切なのは、どんなときも家族だと言う。

解説

目を閉じたときに浮かんだのは、忘れられない彼の顔――L・フォスター最新刊!今ふたたび交わる切ない恋の行方。

その夜マキシーは頭痛とともに池の畔で目を覚ました。居間にいたはずなのになぜこんな場所に?そういえば最近誰かに狙われているような、妙な出来事が続いている。怖くなった彼女は急いでマイルズのもとへ向かう。身辺警護の職につくマイルズとは2カ月前まで男女の仲だったが、プレイボーイの彼に深入りするのが怖くてマキシーのほうから逃げだしたのだ。再会したマイルズは彼女に腹を立てていたものの、警護を引き受けてくれることに。ほっとしたマキシーだが、四六時中彼のそばにいるうち、消えずにいた想いが疼きだし……。

抄録

「あの飼い葉桶にご飯を入れてやって」
「まるで牛だな」マイルズが笑う。
「だって、みんな同時に食べさせようと思ったら、桶くらいしかないんだもの。こぼれにくいし、われながら名案だと思うんだけど」
「なるほど」
 マイルズが飼い葉桶を出してきた。猫たちのおかげだろうか。マイルズは〈ボディーアーマー〉社で会ったときよりもおだやかでやさしい表情をしている。この調子なら共同生活もうまくいくかもしれない。
 マイルズが樽から桶にキャットフードを移すと、猫たちは何日も餌をもらっていなかったかのように先を争って桶に突進した。
「いっぺんに半袋も入れたぞ」
「大量に買ってあるから心配ないわ。予備のキャットフードは家のなかに保管してあるの。アライグマが――」
「納屋でパーティーを始めないように、だろ?」
「そのとおりよ」
 マイルズがマキシーをじっと見つめ、手をのばしてきた。「ごみがついているよ」枯れ葉をとったあと、マイルズはマキシーの髪を耳にかけ、そのまま頬をなでた。
 親密なしぐさに、マキシーの体が熱くなった。情熱的なキスの味がよみがえる。もう一度、形のいい唇とあたたかな舌の感触を確かめたかった。思わず彼の胸に手をあてる。
 マイルズがマキシーの頬をこすった。「泥もついてる」
 マキシーは赤くなって咳払いをした。「みっともないでしょう? バーで会ったときとは大ちがいよね」
 マイルズの指先が、マキシーの鼻の先を軽く押さえた。「どっちのきみもすてきだ」
 マキシーは目を細めて両手を腰にあてた。「わたしを口説こうとしているのか、慰めようとしているのか、どっち?」
「どっちも少しずつかな」マイルズがからかうように笑う。
 この笑顔が罪つくりなのだ。どんな相手の警戒心もたちまちゆるめてしまう。
 マキシーは一歩うしろにさがった。「わたし、今朝はまだ歯も磨いていないの。正確には昨日の朝からよ。夜、ベッドに行く前に磨くつもりだったから」
「心配しなくても納屋で襲いかかったりしないよ」
「ならいいんだけど」ほっとしているのか、がっかりしているのか、自分でもよくわからなかった。また頭が痛くなってくる。
「おれは、きみを守るためにここにいるんだ。無理に迫るためじゃない」
「それはわかっているわ」
「だったら緊張しないで」
 マイルズがマキシーの手をとった。餌がたっぷりあるとわかって安心した猫たちは、並んで仲よく食べている。
「もう見ていなくても大丈夫そうだ」
 マキシーはうなずいて、マイルズに手を引かれるまま納屋を出た。
 夏の空に、翼をいっぱいに広げたヒメコンドルが飛んでいる。
「おれたちの関係はややこしいな」マイルズが言った。「他人とは言えないが、親しいとも言えない。三回寝ただけだからね」
 たしかに他人ではない。マイルズはマキシーの体を、ある意味、彼女以上に知っている。だいいちマイルズに助けを求めたのは、彼を信頼しているからだ。私生活を知らなくても、彼といると安心できる。
 マキシーは、マイルズに出会って初めて、セックスがあれほど親密で、思いやりに満ちた行為になりうることを知った。これまでつきあった男たちとの行為はなんだったのだろうと思うくらい衝撃的だった。目の前がいっきに開けて、鎖から解き放たれた気分になった。
 そしてもっと彼がほしくなった。
 また会いたいという気持ちに負けてあのバーを訪れ、彼を誘った。二度目はさらによかった。だからこそ三度も会いに行ったのだ。深入りしすぎていることはわかっていた。
「さて、家のなかを点検してから何か胃袋に入れよう。そのあと、おれは家に帰って着替えやなんかをとってくる」
 マキシーがぴたりと足をとめた。ひとりで農場に残されると知ったとたん、恐怖が足もとからはいのぼってきたのだ。
 マイルズが怪訝そうにふり返った。「どうかしたのか?」
「ひとりにしないで」パニックが、マキシーの心に爪を立てる。
 マイルズは彼女を自分のほうへ引きよせ、安心させるように抱きしめた。「だったらきみも一緒に来るかい?」
「行ってもいいの?」マキシーはあたたかな体にしがみついた。ふくらんだときと同じ勢いで、恐怖がしぼんでいく。
「もちろんさ。それならいいだろう?」
 マキシーはうなずいた。
「なるべく早いうちに監視カメラと警報器をとりつけるよ」
「監視カメラ……」
「そうだ。家に忍びこもうとするやつがいたら、わかるようにね」
 さすがプロだ。マキシーはそんな手段を思いつきもしなかった。
「そうね、そうしてもらえたら安心だわ」
「きみは何も心配しなくていい」マイルズの腕に力がこもる。「おれが守るから」
 抱きしめられたとたん、マキシーの頭のなかは硬く盛りあがった筋肉のことでいっぱいになった。それから自分が汚れていることを思い出して体をこわばらせる。
「マキシー?」
「あの、お願いがあるんだけど……」マキシーはうつむいたまま言った。
「クライアントのお望みなら、なんなりと」
 クライアントという呼び方が少しだけひっかかった。まるでお金のためだけにそばにいてくれるみたいだ。
 マキシーはマイルズを見あげた。「出かける前に、シャワーを浴びてもう少しまともな服に着替えてもいい? 食事のあとでいいわ。それで、あの、シャワーを浴びるあいだ、バスルームの外で見張っててくれる?」
 マイルズの目がきらりと光った気がした。
「もちろん構わないよ」マイルズがうなずいて、ふたたび歩きだす。「ところで一緒に住むにあたって、ルールとかはあるかい?」
 できることなら、片時もそばを離れないでほしい。シャワーのときも、寝るときも。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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