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モテ過ぎ侯爵の想定外溺愛〜妄想乙女にトロ甘です〜

モテ過ぎ侯爵の想定外溺愛〜妄想乙女にトロ甘です〜


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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解説

あまりに可愛いから、じらしたくなった
国一番のプレイボーイが契約恋人にメロメロで略奪愛!?

家のため、愛のない結婚をしなくてばならないセシリーは、社交界の女性が憧れるディランとデートすることに。甘い囁きと濃密なキスだけでなく、初心なセシリーをいたわりながらも時に激しい愛撫が与えられて、淫らな悦びに目覚めていく。この瞬間があればこれからも生きていけると思っていたセシリーだが、ディランには別の事情があって……!?

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「こんなにも美しい景色を見ながら暮らせるなんて素敵ですね」
「景色と料理は最高だが、住むには少し不便だぞ。移動には船がいるし、雨が酷くなると水位が上がって家から出られなくなる」
「そういえば、『乙女たちの夕暮れ』と言う小説では、ヒロインが浸水しかけた家に閉じ込められる場面がありました」
「古い家だと時々あるようだな。一応、建物の多くは海面から高さもあるし、浸水しない作りにはなっているが」
 だが波も高くなると船が出せなくなり、道などもほとんど沈んでしまうのだと苦笑する。
「晴れているときと景色が違うから、安全な建物の中にいる分には楽しいが」
「一度、見てみたいです」
 この街に来られるのは今回限りだから、出来ることなら雨のヴィレルを見てみたいとセシリーは願う。
 そんなセシリーをじっと見つめた後、ディランがふっと彼女に笑みを向ける。
「天気を変えるのは無理だが、望みがあるなら何でも言うと良い。要望は、出来るだけ叶えるつもりだ」
「ありがとうございます。……でも、やりたいことが多すぎて、どれから言えばいいか……」
「例えば?」
 いざ質問されると、セシリーは言葉に詰まる。
 後悔はしないようにと妹と二人でリストを作ったものの、デートの経験が豊富な彼に見せるのは少し抵抗がある。
(いやでも、そろそろ最初の『アレ』をするタイミングだし……、いや、でも……)
「百面相をしていると言うことは、何かあるんだな?」
 悩んでいることを見抜かれ、セシリーはうっとうめく。
 それどころか嬉々として身を乗り出され、セシリーは更に動揺した。
(いやでも、これが最後なんだもの……。後悔は、したくない……!)
 改めて気合いを入れ直し、それから勇気を出してディランの手をぎゅっと握りしめた。
「ち、ちょっと恥ずかしいお願いなんですけど……」
「恥ずかしいことは大好きだよ」
 冗談めかした返事に少しだけ気持ちが軽くなり、セシリーは大きく息を吸い込んだ。
「じゃああの、指輪を……はめて貰えませんか!」
 今度はセシリーの方が身を乗り出して言うと、ディランは「ん?」っと怪訝そうな顔をする。
「『美しきヴィレル』という恋愛小説の最後で、素敵な侯爵様が主人公に指輪を贈る場面があるんです。それに憧れてて、是非ここで再現をしてみたくて!」
「構わないが、恥ずかしいと言うから俺はてっきり、大人のキスでもねだられるのかと」
「ひ、人前でキスはちょっと!」
「分かった、じゃあ隠れてしよう」
 そういう意味ではなかったが、そもそもどこまで本気か分からないので返事に困る。
「と、ともかく、今は指輪だけでいいです!」
「分かった。……だがすまない、さすがに指輪は持ち合わせがないんだ」
「それなら問題ありません! ちゃんと作ってきましたから!」
 言うと同時に、セシリーはポケットの中から、妹と寝ないで作った仮の指輪を取り出す。
「これが……指輪?」
「はい、針金で頑張りました!」
 ちょっと不格好だけれど、本物の指輪は持っていないので急遽こしらえたのだ。
「安上がりだし、それにそもそも、これから私たちがするのは本物のデートじゃないから……。だからこれくらいが丁度良いと思いまして」
 そう言って笑うと、ディランは不思議なものでも見るように、セシリーの表情と彼女の指輪を見つめる。
「ねだろうとは、思わなかったのか?」
「ねだる?」
「俺は金持ちだし、指輪くらい買ってやれる」
「私、指輪を貰ったっていう思い出が欲しいんです。だから指輪はいりません。貰っても、後で見て悲しくなりそうですし」
 だから記憶の中だけに、とどめておける思い出くらいが丁度良い。そしてそれならば、この針金の指輪くらいで十分だ。
「……欲がないな、君は」
「いっぱいありますよ。本音を言うと、ここだけじゃなくてスピリ橋や、ゴンドラの上でも指輪をはめて貰いたいって思ってます」
「何度もつけ外ししていたら、壊れてしまいそうだが」
「そのときはまた、別のを作るので大丈夫です!」
 予備の針金も持ってきていますと言えば、ディランはふっと笑みを浮かべ、セシリーの指輪を受け取った。
「ふりで良いというなら、何度でも付き合おう」
「ありがとうございます」
 甘い声と手つきで、ディランは優しくセシリーに指輪をはめてくれた。
 まるで本物の恋人のような優しい笑顔を浮かべ、彼はセシリーの指先にキスまで落としてくれた。
(本当に、小説の主人公になった気分……)
 でもそれは、思っていた以上に気恥ずかしくて、甘酸っぱい。
「唇に、キスしなくて良いのか?」
「そ、それはいいです……」
 真っ赤になった顔を伏せて、セシリーは震える声で答える。
 ディランと恋人のように過ごしたいとは思うが、指先のキスだけで舞い上がる自分には、本物のキスは早すぎると思ったのだ。
「君は、積極的なのか奥手なのか分からないな」
 慌てふためくセシリーに、ディランはそう言って笑う。その顔はどこか楽しげで、キスを断ったことに気分を害している様子はない。
「陥落させる楽しみがあると思えば悪くはないが、せっかくならもっと甘えて良いんだぞ」
「十分甘えています。だってほら、あなたのおかげで夢が叶ったんです」
 セシリーはディランがはめてくれた指輪を掲げ、幸せそうに笑う。
 そんな彼女にディランは少し物足りなさそうにしていたが、セシリーがそれに気づくこことはなかった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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