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公爵様の不埒な蜜愛計画

公爵様の不埒な蜜愛計画


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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解説

泣く暇もないくらい私に溺れて
人違いから始まった蜜月だったのに――公爵様の溺愛は滾りっぱなし!?

リリアーヌが結婚することになったのは、過ちで抱かれてしまった公爵・イーサン。これは彼が責任を取ってくれた結婚だと思っていた。しかし、形だけの結婚とは思えないくらいにイーサンはリリアーヌを甘やかし、時間も場所も関係なくすぐに快楽で蕩かせてくる。濃厚すぎる愛欲に満ちた蜜月だったが、イーサンには本当の想い人がいると知り……。

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

 今宵、リリアーヌはたくさんの初めてを父のために捨てる。
(惨めね……)
 せめて初めてくらいは愛する人に捧げたかった。
 押し当てただけの唇をそっと外した。ときめきなど微塵も感じない。胸に広がるのは空しさだけだった。グリ伯爵に対する強烈な嫌悪がこみ上げてこなかったことが、せめてもの救いだろうか。
(なぜかしら……? あんなに嫌いだったのに)
「もう一度だ」
 命じられるまま、唇を重ねた。
 一度目ほど震えなかったが、今度はどのタイミングで離せばいいのかわからなかった。何しろキスはジュードと一度しただけだ。
 すると、唇を生暖かいもので舐められた。
「――ッ!?」
 びっくりして身体を起こそうとするも、グリ伯爵に両腕を掴まれた。
(な、何っ?)
 彼の舌が唇の上を這っている。衝撃的な感触に思わず目を見開いた。両手が頬から離れ、宙を掻いた。
「ン……ッ」
 口を開けろと、舌先が催促する。
(怖い……っ)
 けれど、嫌とは言えない。
 リリアーヌは泣きそうになりながら、おそるおそる口を開けた。
 くちゅり…と音を立てて、生暖かくて肉厚の存在が口腔に入ってきた。初めて知る感覚に、背筋が震える。たまらずぎゅっと目をつぶった。
 リリアーヌの恐怖は伝わっているはずなのに、グリ伯爵からは何の反応もない。きっと彼が戯れに抱いてきた令嬢たちも、リリアーヌと同じ反応をしたに違いない。だからきっと慣れているのだろう。
 歯列をなぞる舌先がリリアーヌの舌に触れた。
 濡れた分厚い感触に怯えて、びくりと肩が震える。思わずグリ伯爵の肩を両手で押しやろうとしたが――。
(――――駄目ッ)
 グッと力を込めたところで、思いとどまった。
 ここが地獄だと承知で足を踏み入れた以上、何をされても我慢するしかない。
 身体を石のように強ばらせていると、「キスは慣れてない?」と唇の上で囁かれた。
 小さく頷けば、皮肉げに笑われた。
「なるほど、キスはさせない趣向だったのか。それとも、唇は特別な男のために守っていたとか?」
 わずかに苛立ちが滲んでいるようにも聞こえたが、リリアーヌには何が不快だったのか見当もつかない。
 ジュードとのキスは、唇が触れ合うだけのものだった。こんなふうに唾液を絡ませる生々しい行為は結婚してからだと信じて疑わなかった。
「だが、その一途さは男たちの支配欲を煽るだけだ。ぐずぐずに蕩けさせ、君の冷たい眼差しをぜひとも快感に潤ませてみたいものだ」
 冷たく見えているのなら、それはグリ伯爵を嫌悪しているからだ。
 ジュードはリリアーヌの明るさを褒めてくれた。見ていると元気をもらえると言ってくれた。
 けれど、それは彼が同じ顔立ちで寂しげな眼差しをする人を知っていたからだろう。
(私は何もわかっていなかったのね)
 何年も前のことなのに、ようやくジュードの言葉の裏にあった彼の気持ちに気づいた。こんなだから母に婚約者を奪われてしまうのだ。
 あの頃は、目に見えるものがすべてだと信じて疑わなかった。自分が幸せだから他人もそうだとは限らない。もっと自分が大人だったら、父の愚行のせいで母が抱えていた苦しみに気づけたかもしれない。
「初心な振りをしてみせるのも、手管の一つ。――そうだろう? 君ほど蠱惑的に官能を刺激してくる女を私は知らない。偽りの純真さだと知っていても騙されそうだ」
 言われたことのない言葉に戸惑っている間に、また唇を吸われた。
「……ン、ンン……ッ」
「だが、今宵ですべて忘れるんだ。男と過ごした数多の夜など思い出せなくなるほどの快感を味わわせてあげよう」
 会話をするほど、違和感は膨らんでくる。辻褄が合っているようにも思うが、何かが決定的に違っている気がするのだ。
「ま、待って――……ンッ!」
 舌先で上顎をなぞられて、ぞくりと身体の奥底が疼いた。
(な……に?)
 知らない感覚にまた身体が強ばる。その間も口づけは続いた。次第に息苦しくなり、首を振って抗おうとした。その拍子に彼からする魅惑的な香りを、思いきり吸い込んでしまう。
(あぁ、駄目。この香りを嗅ぐとおかしくなるの……)
「私の真似をして」
 彼は慣れた仕草で舌を絡めてきた。
 怯えて縮こまっていた舌をリリアーヌからもこわごわ絡ませる。戯れるように舐め合うことで頭の先がじん…と痺れた。
「……ぅん、ん……」
 息苦しいのに、それだけではないものがわき上がってくる。
 ちゅく…と濡れた音が、恐れとは違う感情が肌を粟立たせた。
 両頬を大きな手で包まれる。執拗に口腔を舐め回されることで、次第に口づけへと意識が集中していった。
 下腹部の奥がもどかしく疼いている。嫌なのに、気持ちいい。
「は……ん、……ぁ」
 頭がぼんやりしているのは長い口づけのせいなのか、彼から漂う濃厚な香りのせいなのか。
 本当に彼はグリ伯爵なのだろうか。
 なぜ自分は抗わないのだろう。
 混じり合った唾液を嚥下すると、下腹部の奥がいっそう疼いた。決して美味しいものではないのに、ひどく甘く感じられた。
「キスだけで蕩けそうだ」
 リリアーヌの唇を親指でなぞりながら、グリ伯爵が囁いた。
「心ゆくまで堪能したいけれど、それだけで夜が明けてしまう」


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