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秘書とナニーの恋日記

秘書とナニーの恋日記


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミシェル・ダグラス(Michelle Douglas)
 8歳のときに将来の夢を訊かれて、すでに「作家」と答えていた。チョコレートを隠し持つヒロイン、笑い方を知っているヒーロー、そしてハッピーエンドをこよなく愛する。全米読者選賞、ロマンティックタイムズの批評家選賞のほか、オーストラリアで“ロマンス界のアカデミー賞”と称されるRUBY賞にもノミネートされた、いま注目の作家。オーストラリア東海岸のニューキャッスル郊外に、夫とともに住んでいる。

解説

偽りの秘書が恋をした――皮肉なほど、純真な気持ちで。

リヴは旅行に行く双子の姉に頼みこまれ、数日間だけ立場を入れ替わり、大企業の社長であるセブの秘書を務めることになった。彼は海外出張中なので、ばれる心配はまずないという。ところがある日の昼食後、オフィスに戻ったリヴは仰天した。机にベビーシートが置かれ、赤ちゃんが眠っていたのだ!〈あなたの責任よ!〉というセブ宛ての手紙と一緒に。頼みの姉は帰りが遅れるというし、警察に届け出るわけにもいかず、やむをえずセブに連絡すると、彼は急ぎ帰国し、こう主張した。「僕の子供ではないが、とりあえず世話を頼めないか?」まさか秘書が別人とは疑いもしないセブに罪悪感を覚えつつ、魅力的な彼の懇願に負け、リヴはナニーを引き受けてしまうが……。

■これまでさまざまな作家によって描かれてきた、双子の入れ替わりがテーマのラブストーリーですが、いま新たに秀逸な作品が誕生しました。ある日突然、かわいらしい赤ちゃんが書類のようにデスクに置かれていたら?ハラハラドキドキの展開から目が離せません。

抄録

「わかりました。ボスはジャマイマのお母さんを捜してください。ジャマイマはここで私が面倒を見ます。オフィスはミズ・ブレディに任せましょう」
「だめだ。君が僕に任せられないと言ったように、僕も君にこの子を任せられない」
 リヴは憤慨して息を吐き出した。「三日前はよかったのに? それこそ一生恩に着ると言いたそうでしたけれど?」
「それは大げさだが」彼の目に少年のような光が躍る。「でも誤解しないでくれ、ミズ・ギルモア」
 しだいにミズ・ギルモアと呼ばれるのが窮屈になってきたが、それに代わる呼び名はない。リズやイライザと呼ばれるのはいやだ。そう呼ばれるたびに彼をだましていることを思い出して罪悪感に駆られるから。少なくともミズ・ギルモアなら嘘じゃない。
 自分がまいた種でしょう。心の声が指摘する。
 わかってる。あと数日の辛抱よ。「誤解?」
「僕が反対したのは君を信用していないからじゃない。赤ん坊の扱いもうまいし、誠実だ」
 まるで私が彼のことを信用していないと言ったみたいだ。「じゃあ、なぜ?」
「君が眠れないからだ。これ以上こんな生活はさせられない。寝室が一つしかないフラットでは、赤ん坊を寝かせる部屋もないし、応援も頼めない」
 リヴは早朝にドアを開けたとき、取り乱しすぎたことを後悔した。彼が時差ぼけで忘れてくれるよう願っていたが、まだ覚えていたなんて。よほど強烈な印象を与えたに違いない。
「僕に考えがある」
 なんてセクシーな唇だろう。絵に描いてみたい。
 ふと浮かんだ考えを、リヴは慌てて打ち消した。絵はもうやめたのに、いったい何を考えているの?
「わかったわ。どんな考え?」
 彼が眉を上げた。
 しまった。リヴは内心で唇を噛んだ。言い方がぞんざいすぎた。「ミスター・タイレル、そのお考えというのをお聞かせいただけますか?」
 彼は唇を引き結んだ。「驚いたよ。君のプライベートの顔を知って」
 肌がぞくぞくする。どういう意味? 人間らしいということ? きかないほうがいい。「そんなものは知らなくて結構です」
 彼の眉間にしわが寄った。
「今のままで充分ですから」
「一つだけいいかな。コーヒー用のミルクくらい、遠慮なく買ってくれ」
 まあ! リズはブラックだったのね。さっきミルクを入れるところを見られたらしい。リヴはわざと肩をすくめた。「好みがちょくちょく変わるんです。入れたくなったり、入れたくなくなったり」
 彼の目つきが険しくなる。「いつ入れたくなってもいい。そのときは買ってくれ」
「わかりました」
 いい人だ、とリヴは思った。自分が恥ずかしい。姉妹で彼をだましているなんて。彼はこんなに公明正大なのに。
 でも、迷惑はかけていないし、それどころか助けてあげているのよ。心の声が言う。
 そう、助けている。しかも、考えようによっては、リズと入れ替わっていてよかったのだ。私のほうが赤ちゃんの扱いは格段にうまいのだから。リズなら完全にお手上げだ。けれど、だからといってボスをだますのが許されるわけじゃない。
「ボス、お考えをお聞かせください」
 彼はテーブルを押さえ、身を乗り出した。スパイシーなりんごの香りがふっと漂う。「一緒にリージェントパークの僕の家に行くんだ」
 なんですって? それは気が進まない。やめておいたほうが無難だ。
「僕の家なら広くてジャマイマの世話もしやすいし、人手もある」
 なるほど。軍隊ほど使用人がいるのだろう。大きな家なら、彼と顔を合わせる機会も少ないかも……。
「で、ボスは母親捜しをするんですか?」
「何がなんでも捜しだす」
 リヴは考えこんだ。これ以上睡眠不足が続くのは不安だ。ジャマイマの母親は何カ月もそれを経験した。一人ぼっちで。疲労が蓄積した挙げ句、あんな狂気じみた行動に走ったのかもしれない。
 けれど、休息をとって、娘を引き取りたいと思ったら? 彼の家のほうがここよりも見つけやすい。
「これでも僕が信用できないなら、警察に届けるがいい」
「待って」リヴは立ち上がった。「あれはそんな意味で言ったんじゃなくて――」
「わかっている。二人ともジャマイマに対して責任があるんだ。君は巻きこまれただけなのに、すでにジャマイマと信頼関係を築いている。そこまであの子のことを心配しているなんて尊敬するよ」
 リヴはリビングに行き、ジャマイマの寝顔を眺めた。純真そのものだ。しゃがんで小さな手に触れると、その手がリヴの指をつかんだ。まるで心をつかまれたかのようだった。まだ出会って三日だが、この子のためならなんでもできる。
 立ち上がり、キッチンに戻ろうとすると、彼がすぐ後ろにいた。驚いて身を引いた拍子にジャマイマの上に倒れそうになったリヴの肩を、慌てて彼がつかむ。シナモンと果実の香りが鼻をくすぐる。
「大丈夫か」
「すみません。そこにいらっしゃると思わなくて」しかもこんな近くに。「びっくりしたわ」
 彼の手のぬくもりが、セーター越しに伝わってくる。端整な顔がすぐそこにあり、目の中の斑点まで見えた。銀色に近いグレーだ。
 彼は両手を下ろし、一歩下がった。「ごめん。驚かすつもりはなかった」
 リヴは汗ばんだ手をジーンズで拭いた。「大丈夫です」キッチンへと彼を促す。先に立って歩きだし、途中で振り返ると、彼は驚くほど優しい目でジャマイマを見つめていた。
 彼は毛布を整え、首まできちんとかけてやりながら赤ん坊に声をかけた。「心配しなくていいよ。ちゃんとママを見つけてあげるからね」
「決めたわ」リヴは考えるより先に言っていた。
 彼が背中を起こす。「何を?」
「ボスの提案に従います。荷物をまとめてきます」


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