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はかない結婚【ハーレクイン・セレクト版】

はかない結婚【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェシカ・スティール(Jessica Steele)
 イングランド中部に、七人兄妹の六番目に生まれた。現在はウースターシャーの風光明媚で文化財に富んだ村に夫とともに住んでいる。公務員として働きながら夜の時間を執筆にあてていたが、夫の励ましを得てフルタイムの作家となった。一番の趣味は旅行で、メキシコ、中国、香港……と、取材をかねてさまざまな国を訪れている。

解説

ある日リディは、父が破産寸前だと母から聞かされた。今すぐ銀行に5万ポンドを振り込まないと家を差し押さえられるから、父に代わり、ジョナ・マリオットに昔貸した資金を回収してほしいという。7年前に一度会ったきりの大企業の社長ジョナは、リディの憧れの人。内気な彼女は愛する父のために勇気を奮い起こすと、彼のオフィスに出向いて懸命に事情を説明し、首尾よく資金を回収した。だが帰宅後、家を手放したくない母が嘘をついていたことが発覚する。私はジョナの寛大さに甘えて大金を借りてしまったんだわ!気に病むリディに、彼は笑みを浮かべながら驚くべき解決方法を提示した。「僕と結婚すれば、すべてうまくいく」

■ジェシカ・スティールは、いじらしいヒロインを描かせたら右に出る者のない作家。ハーレクイン・イマージュの1700号を記念したこの作品では、家族思いで純真なリディがヒロインをつとめています。ヒーローへの想いをひた隠しにする内気な彼女にご声援を!

*本書は、ハーレクイン・リクエストから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 廊下の突き当たりで角を曲がると、ドアが二つあった。リディは迷ったが、それも一瞬のことだった。右のドアノブに手をかけ、ほんの少しためらったあとで彼女はそれをまわした。
 ドアは勢いよく内側に開いた。デスクの向こう側に座っている男性を見てリディは言葉が出なくなり、その場に立ち尽くした。彼が顔を上げるとリディはたちまち赤くなった。男性は彼女を見つめたまま立ちあがり、デスクをまわってこちらにやってきた。
 リディは身長が百七十五センチあるが、さらに背の高いジョナは彼女を見おろし、驚くべき言葉を口にした。「いまだにすぐ顔が赤くなるのかい、リディ?」
 私を覚えているの? すぐに赤くなることまで? 彼に会ったのは七年も前なのに。
「リ、リディ・ピアソンです」リディは自分の声がはるか遠くから聞こえるような気がした。
「知ってるよ」ジョナはなめらかな口調で答えた。「座ってくれ」彼はリディを部屋の中に促してからドアを閉め、彼女の肘に軽く触れて椅子を勧めた。
 リディは気がつくと彼のデスクわきの椅子に腰かけていた。
「私は七年前とまるで変わってないかしら?」リディはジョナがすぐに自分がだれかわかったことに混乱していた。
「そうは言ってないよ」ジョナはにこやかに答えてから、相変わらずほっそりしてはいるが、昔と違って魅力的なカーブを描いているリディの体にすばやく視線を走らせた。「秘書のエレインが、火曜日にリディ・ピアソンという女性から電話があったとメモを残していたんだ。それを読んですぐに思い出したよ。黒い髪にグリーンの瞳を持つ、すばらしく血色のいいリディ・ピアソンをね」“すばらしく血色のいい”という彼の言葉を聞き、リディは恥ずかしくなった。「君は今もリディ・ピアソンなのかい?」彼は尋ねた。
「あの……結婚はしてないわ」そう答えてから、リディは彼の左手の指にも指輪がないことを確認した。「あなたもだれにもつかまっていないようね」
 彼は形のいい唇の両端をかすかにゆがめた。「逃げ足が速いんだ」
「結婚に関してということ?」
 彼は答えなかったが、答えをきくまでもなかった。「それで、君は最近どうしてるんだい?」
 リディは吸いこまれそうなブルーの瞳から目をそらし、デスクの上を見た。積みあげられた書類の山を見る限り、彼は留守中にたまった仕事を片づけるのに忙しいのだろう。だが、ろくに知りもしない相手――七年前に一度会ったきりの相手――とのんきにおしゃべりする時間はあるらしい。
「あの……私はここにおしゃべりをしに来たわけではないの」リディは出し抜けに言った。
「そうなのかい?」
 そんなことはよくわかっているはずだと思うと、リディはふいに彼に平手打ちをしてやりたくなった。だが、どうにか怒りを抑えこんで言った。「あなたと違って、私の父はこの七年間、経済的にうまくいっていないみたいなの」
 ジョナはなにもかもわかっているかのようにうなずき、穏やかに言った。「君のお兄さんをずっと援助しつづけていたせいだろう」
 よくもオリヴァーのせいにできるわね! 「オリヴァーはもう会社をたたんだわ!」
「だったらお父さんも楽になるに違いない」
「父の会社もつぶれたのよ!」率直に言うと、ジョナはやっと真剣に受けとめたようだった。
「それは残念だ。ウィルモットは一流の――」
「あなたが残念がるのは当然よね!」リディは怒りをこめて言った。「あなたがあの借金をきちんと返してさえくれていれば――」
「あの借金?」なんの話をしているのかさっぱりわからないというように、ジョナは尋ねた。
「七年前に私の家に来て、父から五万ポンド借りたのをすっかり忘れたとでも言うの?」
「そんなことを言うつもりは――」
「だったらお金を返して!」リディはジョナの言葉をさえぎって叫んだ。そして、怒りのあまり座っていられなくなって立ちあがった。ジョナも驚いた顔で立ちあがり、彼女をじっと見おろした。きっと無神経な女だと思っているのだろう。断りもなく忙しい午前中に押しかけてきて、いきなり金を返してくれと言うなんて。でも、そんなことはかまわない。父が危機にさらされているのだから。「今日の銀行の営業時間内に五万ポンド用意しないと、私たちはビームハースト・コートを失ってしまうのよ!」
「おおげさに言ってるわけじゃないね?」ジョナはグリーンの瞳をぎらつかせているリディの顔をじっと見て、穏やかに言った。
「私はビームハーストを愛しているのよ! それなのにおおげさに言っているですって?」リディは怒りをこめて叫んでから、少し落ち着いた声で続けた。「確かに父はオリヴァーの会社にかなりの額の出資をしていたわ。でも、そのせいで自分の会社まで傾いてしまうとは思ってなかったのよ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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