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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン文庫

すれ違いの恋

すれ違いの恋


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジャクリーン・バード(Jacqueline Baird)
 趣味は油絵を描くことだったが、家族からにおいに苦情を言われ、文章を書くことにした。そしてすぐにロマンス小説の執筆に夢中になった。旅行が好きで、アルバイトをしながらヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアを回った。英国に戻ったときに結婚。二人の息子に恵まれ、現在も生まれ故郷のイングランド北東部に夫とともに暮らしている。「二人のバレンタイン」と「恋は強引に」がお気に入りの作品だという。ロマンティックタイムズ誌の賞の受賞歴があり、ベストセラーリストにもたびたび登場する。

解説

2年前の出逢いで、ヘレンは大富豪カルロの虜になった。魅力があるぶん、何かがあるだろうとはわかっていたが、惹かれる心をとめられなかった。彼の素性を知るまでは。カルロはかつて、婚約者をヘレンの父親に奪われていたのだ。自分が仇の娘だと知っては、この恋を諦めるしかなかった。その父と継母も今は亡く、そんなときにヘレンの前に現れる――暗く熱を孕む目をしたカルロが。そして吐き捨てるように言った。
「君の父親に奪われたものを、君から僕は奪う」カルロの復讐――それは結婚し、ヘレンを妊娠させること……。

抄録

 カルロの皮肉な声がヘレンの物思いを破った。「さてと、ヘレナ、ぼくたちは少しばかり話し合う必要があると思うがね」
「ええ、そうね」苦々しさを声から消せなかった。カルロにききたいことはたくさんある。まず彼がなぜここにいるかだ。偶然というのは信じがたい。「あなたはステファーノのお友だちなのね」質問というよりも考えたことを言葉にした。
 濃い茶色の目があざけりで光った。「友だち、叔父、ボス、勝手に選んでくれ」
「ステファーノがあなたの甥?」この三十分ほどの混乱からしだいに立ち直って、ふたたび頭が働くようになってきた。「このヴィラはだれのものなの?」
「ぼくのものだ」
 新たな不安が背筋を走ったが、それでもなお、すべてがひどい偶然であることを願ってさらにきいた。「じゃあ、あなたはステファーノに会いに来たのね。わたしが彼の秘書としてここにいるとは知らなかったんでしょう?」
 カルロはものうげにのびをし、プールの向こうに目をやった。わざとわたしを待たせているとヘレンは感じた。やがてヘレンの方を向いたカルロの表情は謎めいていた。
「レディをがっかりさせるのはいやだが、ぼくはきみがここにいるのを知っていた。実のところ、ぼくがこの旅のすべてを仕組んだ。ステファーノがきみを雇い、ここに連れてくるようにするために、ぼくがガーストン・アドヴァタイジングを買収した。彼は実にみごとにやったよ。きみがだましにくい人間だと思ってはいなかったがね」
 あからさまな皮肉にヘレンはたじろいだ。でも、カルロの言うとおりだ。専門学校を卒業する前にあんなに簡単に職につけたなんて、話がうますぎた。面接のときステファーノは、“彼”からきみがきれいだと聞いたと口をすべらせ、英語が達者でないせいにしてごまかした。だが、ステファーノの英語はほとんど完璧だった。仕事についてすぐに、会社がほんの半月ほど前に買収されたと聞いたが、だれも買収した人物を知らなかった。しかし、そのときはそれを疑わしいとは思わなかった。
 ヘレンはちらりとカルロを見た。この人は本当にそんなやっかいなことをしようとしたのかしら? 「じゃあ、パレルモの会議というのもでっち上げなの?」ためらいながらきいた。
「やっと話をわかってもらえたようだな!」焦げ茶色の瞳の奥で勝ち誇った光がきらめいた。「そうだ、カーラ、会議なんかない」意地の悪い口調で言う。「きみは、ぼくの指図でぼくだけのためにここにいる。このヴィラはぼくのものであり、きみはぼくの……」カルロはわざと慎重に言葉を探した。「どう言おう? 泊まり客だな、今のところは」
 ヘレンは、経験したことのない無防備な気分に襲われた。カルロが自分の一家を憎んでいることは知っている。そして、心の奥底では、彼にはおそらく正当な理由があるとわかっていた。カルロはヘレンの赤らんだ顔からまったく目を離さない。餌食を前にした山猫を思わせた。
 ヘレンは緊張に耐えられなくなって口を開いた。「なぜなの、カルロ? どうしてわたしをここに来させたの? 二年近くも会っていないのに」氷のように冷たい表情を浮かべたカルロの顔を見て、口ごもりながら続けた。「あの、わたしたちが怒ったまま別れたのはわかっているわ」最後のときの光景がありありと頭に浮かんだ。「あなたがわたしを通して父とマリアを責めようとしたのも知っている。でも、ふたりはもう亡くなったのよ。これ以上あのふたりを憎む理由はないでしょう」言い終わらないうちに失敗したと気がついた。
「理由がないだと!」カルロの目は怒りで燃えていた。「甘ったるく愛を誓ったあとできみがぼくを捨てたことは、十分立派な理由にならないか?」ヘレンはその言葉の辛辣さにぞっとした。「きみの父親にフィアンセをひとり奪われただけでも十分な侮辱だ。だが、ふたりとなったら……ぼくはシチリアの男だ、きみはそれを覚えておくべきだった。きみの父親がきみをすぐにイタリアから離れさせたのは、きみにとって幸運だった。しかも、きみの運はまだ続いている、ぼくがきみをぼくのもとにおくと決めたんだからな」
 ヘレンは心の底からショックを受け、意志の力をかき集めてカルロを正面から見た。「わたしをあなたのもとにおくだなんて! どういう意味?」
「よくわかっていると思うがね。マリアがきみの父親に与えたものを、きみがぼくに与えるんだ」
「わからないわ」
「マイ・ディア・ヘレナ、きみはそんなにうぶじゃない。きみには弟がいるじゃないか」
「でも、それとどういう関係があるの?」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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