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著者プロフィール
桂生 青依(かつらば あおい)
東京都在住。6月5日生まれ。血液型AB型。涼しくなってきたら、また近所の散歩を再開したいなと計画中。わんこたちとすれ違うのが、楽しみです。
東京都在住。6月5日生まれ。血液型AB型。涼しくなってきたら、また近所の散歩を再開したいなと計画中。わんこたちとすれ違うのが、楽しみです。
解説
「きみを今すぐに、わたしのものにする――」
蜜月の意味を持つホテル『リュヌドゥミエル』。実家の窮地を救う為、男に身売りしようとしていた晃行は、そこで支配人の小田桐に助けられた。そして、彼の依頼を受けて秘書として働くことになる。寡黙な中にふと感じる小田桐の優しさに触れ、次第に彼に引かれていく晃行。しかし、ある誤解から怒気を纏った小田桐に組み敷かれてしまう。彼を嫌いになれず戸惑う晃行の前に、新たな事件が起こり!?
蜜月の意味を持つホテル『リュヌドゥミエル』。実家の窮地を救う為、男に身売りしようとしていた晃行は、そこで支配人の小田桐に助けられた。そして、彼の依頼を受けて秘書として働くことになる。寡黙な中にふと感じる小田桐の優しさに触れ、次第に彼に引かれていく晃行。しかし、ある誤解から怒気を纏った小田桐に組み敷かれてしまう。彼を嫌いになれず戸惑う晃行の前に、新たな事件が起こり!?
目次
恋の続きは蜜月ホテルで
like a honey
like a honey
抄録
「どういうことか、説明してもらおうか」
篤志が帰るなり、小田桐はきつい声を晃行に向けてきた。
二人きりになったリビング。低い声に、全身が強張る。
謝らなければと思うのに、戦(おのの)いて声が出ない。
立ち尽くしたまま項垂(うなだ)れると、腕を掴まれ大きく揺さぶられた。
「なんで黙っていた。いや――嘘をついた!?」
「すいません……。話そうと思ったんです。でも…どうしても言えなくて」
「なぜ?」
しかしそう問われても、晃行は本当のことを口にできない。
惹かれていたからこそ、好きになっていたからこそ幻滅されたくなかったとは言えない。
すると、暫くの沈黙の後、ぽつりと小田桐が呟いた。
「捜していた……。わたしは、ずっと彼を……」
絞り出すようなその声に、胸がギシ……ッと軋(きし)む。
その言葉は、驚きと共に嬉しさを連れてくるもののはずなのに、堪らなく悲しかった。
彼は「松川」を捜してくれていたのだ。自分が、小田桐ともう一度会いたいと思っていたように。
けれど「松川」はもうどこにもいなくなってしまった。いるのは、もう松川ではない自分だ。隠し事をして嘘をついていた自分。
「すいません……」
小田桐の想いをこんな形で壊してしまったことに、晃行は深く項垂れながら謝罪の声を上げる。
しかし直後、強く腕を引っ張られ、そのまま床に押し倒された。
「あっ!」
「そして、彼を捜していたのと同じほど、きみを信じていた。なのにきみはそれさえも――」
唸るような声がしたかと思うと、乱暴にシャツの釦が引きちぎられた。
何をされようとしているのか察し、晃行は全身の力でもがく。だが、体格が違いすぎ、じたばたと手足をばたつかせているだけになってしまう。
「やめ…止めて下さい…っ」
「黙れ!」
声を上げた瞬間、顔の真横に、バンと音を立てて手がつかれた。
その音と勢いに、一瞬で全身が竦(すく)む。
真上から睨み下ろされ、動けなくなった。
「ずっと…捜していた」
そして小田桐は、譫言(うわごと)のようにそれを繰り返す。
まるで義弟の篤志と張り合うようにしていた先刻を思い出し、だがまさか、と晃行が考えていると、小田桐は晃行の上にのしかかったまま、空いている片手で服を脱がし始める。
「支配人! やめて下さい!」
だが、身じろいでみてもほとんど動くことはできず、全く逃げられそうにない。
「しは……」
「きみはわたしのものだ。もう二度と嘘はつかせない。そして、誰にも渡さない」
*この続きは製品版でお楽しみください。
篤志が帰るなり、小田桐はきつい声を晃行に向けてきた。
二人きりになったリビング。低い声に、全身が強張る。
謝らなければと思うのに、戦(おのの)いて声が出ない。
立ち尽くしたまま項垂(うなだ)れると、腕を掴まれ大きく揺さぶられた。
「なんで黙っていた。いや――嘘をついた!?」
「すいません……。話そうと思ったんです。でも…どうしても言えなくて」
「なぜ?」
しかしそう問われても、晃行は本当のことを口にできない。
惹かれていたからこそ、好きになっていたからこそ幻滅されたくなかったとは言えない。
すると、暫くの沈黙の後、ぽつりと小田桐が呟いた。
「捜していた……。わたしは、ずっと彼を……」
絞り出すようなその声に、胸がギシ……ッと軋(きし)む。
その言葉は、驚きと共に嬉しさを連れてくるもののはずなのに、堪らなく悲しかった。
彼は「松川」を捜してくれていたのだ。自分が、小田桐ともう一度会いたいと思っていたように。
けれど「松川」はもうどこにもいなくなってしまった。いるのは、もう松川ではない自分だ。隠し事をして嘘をついていた自分。
「すいません……」
小田桐の想いをこんな形で壊してしまったことに、晃行は深く項垂れながら謝罪の声を上げる。
しかし直後、強く腕を引っ張られ、そのまま床に押し倒された。
「あっ!」
「そして、彼を捜していたのと同じほど、きみを信じていた。なのにきみはそれさえも――」
唸るような声がしたかと思うと、乱暴にシャツの釦が引きちぎられた。
何をされようとしているのか察し、晃行は全身の力でもがく。だが、体格が違いすぎ、じたばたと手足をばたつかせているだけになってしまう。
「やめ…止めて下さい…っ」
「黙れ!」
声を上げた瞬間、顔の真横に、バンと音を立てて手がつかれた。
その音と勢いに、一瞬で全身が竦(すく)む。
真上から睨み下ろされ、動けなくなった。
「ずっと…捜していた」
そして小田桐は、譫言(うわごと)のようにそれを繰り返す。
まるで義弟の篤志と張り合うようにしていた先刻を思い出し、だがまさか、と晃行が考えていると、小田桐は晃行の上にのしかかったまま、空いている片手で服を脱がし始める。
「支配人! やめて下さい!」
だが、身じろいでみてもほとんど動くことはできず、全く逃げられそうにない。
「しは……」
「きみはわたしのものだ。もう二度と嘘はつかせない。そして、誰にも渡さない」
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