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著者プロフィール
水島 忍(みずしま しのぶ)
2月3日生まれ。水瓶座。O型。
2月3日生まれ。水瓶座。O型。
解説
莫大な資産を相続した高校生の桐越千幸は、未亡人でお人よしな母親に言い寄ってくる三人のうさんくさい男の素行調査を依頼するため探偵社にやってきた。だが現れた探偵はもっとうさんくさく、危険な匂いのする男で、千幸はいきなりキスをされてしまう。そして探偵報酬は千幸の身体だと要求されて……。プライドの高い千幸は反発するが、強引な探偵にいいくるめられてしまい――!?
目次
報酬はハニーテイストで
誕生日はハニーテイストで
誕生日はハニーテイストで
抄録
「判った。僕の事情を話すから……座ってくれ」
早藤は肩をすくめて、再びソファに腰を下ろした。
「やれやれ。最初からちゃんとそんなふうに素直になってくれればいいんだよ。大人を金で動かそうなんて、千幸ちゃんにはまだ早い」
その言い方にはカチンと来たが、いつまでもそんなことにこだわっていては時間の無駄だ。
「実は僕の母がこの三人に言い寄られているんだ。未亡人の母はお人よしで人を疑うということを知らない。だから、僕がこの三人のことを調べ上げて、母に忠告したいと思っている」
「それだけじゃないだろう?」
間髪入れずに言われて、僕は眉をひそめた。
どうして、この男はなんでも判っているみたいに言うんだろう。
「それだけなら、何も、今にも潰れそうなこんな探偵社を選ぶはずがない。他にいくらだって、立派な探偵社があるからな」
早藤に内心を見透《みす》かされるような目で見つめられて、僕は少し迷った。が、どうせちょっと調べれば判ることだ。この場で話しておいたほうがいい。
「……僕は父方の祖父から莫大《ばくだい》な遺産を相続している。そして、その後見人は母なんだ。もちろん、父の残した遺産もあるし……」
「なるほど。財産狙いじゃないかと、千幸ちゃんは警戒しているわけだ?」
僕はそっとうなずいた。
「僕は大事な母を利用されたくない。だけど、いくら僕が言葉を尽《つ》くして説得しても、聞いてくれないんだ。だったら、言葉ではなく、ちゃんとした調査結果を見せれば納得できるんじゃないかと思う。それに……」
僕は値踏みするような目を早藤に向けた。すると、早藤は何かに感づいたように、僕の視線を真っ向から受け止めた。
信用できる男だとまでは思わない。かなり勘が鋭いし、危険な匂いがする。だが、少なくとも、僕の役には立ってくれそうな男だ。
「母を守るためには、大人の力が必要だ。だから、僕に力を貸してくれ」
早藤は唇を歪《ゆが》めて笑った。
「大人の力ね。金で操れて、都合が悪くなったら簡単に切れる大人だろう?」
図星を指されて、僕は何も言えなかった。
早藤はそんな僕の顔をじっと見つめる。そして、ふっと笑った。
「まあ、人選は悪くなかったな。俺はそれほど都合のいい男じゃないが、条件次第で千幸ちゃんに使われてやってもいいぜ」
「条件次第……というと?」
こんなはした金じゃダメということか。一体、いくら要求してくるんだろう。
「そうだな。まず、三人の男の調査だから、合わせて十五万。経費は実費でもらう」
「えっ……それだけでいいのか?」
「いいわけない。千幸ちゃんは俺にもっと危険な仕事も任せようと思っているんだろう? だったら、それなりの覚悟を見せてもらわないと」
覚悟というのは、どういう意味なんだろう。もちろん、覚悟はある。だが、そんなものをどうやって見せろと言うんだ。
「千幸ちゃんの大事なものが欲しい」
「僕の大事なもの……?」
*この続きは製品版でお楽しみください。
早藤は肩をすくめて、再びソファに腰を下ろした。
「やれやれ。最初からちゃんとそんなふうに素直になってくれればいいんだよ。大人を金で動かそうなんて、千幸ちゃんにはまだ早い」
その言い方にはカチンと来たが、いつまでもそんなことにこだわっていては時間の無駄だ。
「実は僕の母がこの三人に言い寄られているんだ。未亡人の母はお人よしで人を疑うということを知らない。だから、僕がこの三人のことを調べ上げて、母に忠告したいと思っている」
「それだけじゃないだろう?」
間髪入れずに言われて、僕は眉をひそめた。
どうして、この男はなんでも判っているみたいに言うんだろう。
「それだけなら、何も、今にも潰れそうなこんな探偵社を選ぶはずがない。他にいくらだって、立派な探偵社があるからな」
早藤に内心を見透《みす》かされるような目で見つめられて、僕は少し迷った。が、どうせちょっと調べれば判ることだ。この場で話しておいたほうがいい。
「……僕は父方の祖父から莫大《ばくだい》な遺産を相続している。そして、その後見人は母なんだ。もちろん、父の残した遺産もあるし……」
「なるほど。財産狙いじゃないかと、千幸ちゃんは警戒しているわけだ?」
僕はそっとうなずいた。
「僕は大事な母を利用されたくない。だけど、いくら僕が言葉を尽《つ》くして説得しても、聞いてくれないんだ。だったら、言葉ではなく、ちゃんとした調査結果を見せれば納得できるんじゃないかと思う。それに……」
僕は値踏みするような目を早藤に向けた。すると、早藤は何かに感づいたように、僕の視線を真っ向から受け止めた。
信用できる男だとまでは思わない。かなり勘が鋭いし、危険な匂いがする。だが、少なくとも、僕の役には立ってくれそうな男だ。
「母を守るためには、大人の力が必要だ。だから、僕に力を貸してくれ」
早藤は唇を歪《ゆが》めて笑った。
「大人の力ね。金で操れて、都合が悪くなったら簡単に切れる大人だろう?」
図星を指されて、僕は何も言えなかった。
早藤はそんな僕の顔をじっと見つめる。そして、ふっと笑った。
「まあ、人選は悪くなかったな。俺はそれほど都合のいい男じゃないが、条件次第で千幸ちゃんに使われてやってもいいぜ」
「条件次第……というと?」
こんなはした金じゃダメということか。一体、いくら要求してくるんだろう。
「そうだな。まず、三人の男の調査だから、合わせて十五万。経費は実費でもらう」
「えっ……それだけでいいのか?」
「いいわけない。千幸ちゃんは俺にもっと危険な仕事も任せようと思っているんだろう? だったら、それなりの覚悟を見せてもらわないと」
覚悟というのは、どういう意味なんだろう。もちろん、覚悟はある。だが、そんなものをどうやって見せろと言うんだ。
「千幸ちゃんの大事なものが欲しい」
「僕の大事なもの……?」
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